1,確認のため所員データと女性を照合する。


いかに自立型といえど、所詮は機械だ。しかも実験中の。そんなモノに判断を任せるほど、俺は科学を信奉していない。ドロシィに、女性を検索させる。

銃を構えたままでカロンの無機質な声が反響する。
「姓名と所属をいいたまえ」
女性は答えない。機械人形に銃を向けられて、余裕がある奴は、軍人でもそうそういないだろう。
「繰り返す、姓名と所属を言え。答えないと不利になるぞ」

女性の怯えきった表情。答えるどころか、身動きすら出来ずにいる。カロンに発砲されたのか、肩を押さえたまま、女性はただ、顔を振るだけだ。ざらついた感触が頭の中でのたうつ。イヤな感じだ。急いでくれ、ドロシィ。せかすように、コンソールを指でつつく。

アイリーン・ケストナー 女 23歳
>バイオドール開発主任ウィリアム・ケストナー長女。
>10-AUG-0079 ウィリアム・ケスチナーによりIDカード申請。10-AUG-0079 IDカード交付


イヤな感じが当たったようだ。目の前の女性は、ケストナー博士の娘らしい。カロンをコール。
「カロン!、現時点での行動を即時停止し、所員データのアイリーン・ケストナーとその女性を照合しろ」
「内部メモリに該当人物無し。敵の可能性が高い」
どういうことだ。カロンのメモリになにか異常でも起きているのか。ともかく、女性を保護しなればならない。
「アイリーン・ケストナー。君もIDカードを提示するんだ」
女性はただ、怯えた表情で首を振るだけだ。
「くそっ。カロン。この女性は、俺が確保する。お前は、他地区の捜索に向かえ」
「命令矛盾。命令優先順位から提案を却下。現任務を続行する。」
「提案じゃない。命令だ。さっさと他地区へ行け」
「命令矛盾。我々は、アルファ隊、ブラボー隊の指揮下にない。貴君に命令権は発生していない。」
「この石頭めッ」
「内部メモリに該当ワード無し。理解不能」

ZMD109の現状での状況判断力では、現状を理解させることは否定的です。

くそっ、やるしかないのか。カロンをロックオンする。
「ドロシィ。貴機の行動が理解できません。警告後、3秒以内にロックオンを解除しない場合、貴機を敵と見なします」
「その三秒、俺が数えてやるよ石頭」
内部メモリに該当ワード無し。理解不能。ドロシィのビーコンをエネミーリストへ移行。ドロシィは目標に奪取された模様、破壊します」

カロンをロックオンしたまま、バックステップして、誘導する。ここでは、アイリーン・ケストナーを巻き込んでしまう。
「アイリーン・ケストナー。もう少し安全なところに隠れていろ」

ほとんど、実験区画まで戻って来てしまったが、仕方あるまい。アイリーン・ケストナーの怪我の具合も気になる。壊れた機械人形を早く片づけなければ。

戦闘
敵:ZMD109 CAROM
耐久力30 装甲値3 回避(−4)
対MSバズーカ:射程2 (−1)、ダメージ−2

カロンは人間サイズの為、マシンガンやビームではダメージを与えにくい。榴散弾やロケットランチャーならば、カロンの回避値を−2に出来る。格闘戦は出来ない。

1,勝ったら
2,負けたなら



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