2、Cセクションチーフ、メアリー・ルーベンスの部屋に行く


研究室の中央には、ノーマルスーツの男が立っている。ヘルメットに記された記章から、ヒルダ1つまりマーコス班のソーン・オーガンだと分かる。

荒らされた部屋の随所には、まだ鮮やかな血痕が残されている。ソーンの足元には、誰かの死体があるが、誰かは判別できない。申し訳程度の胸の膨らみから判断して、女性。となれば、この部屋の主、メアリー・ルーベンスの可能性は高い。

「酷い有様だな。血痕は比較的新しいな。敵は認識したのか?」
答えはない。ヘルメットのシールドをあけ、無表情な顔を俺にではなく、アイリーンに向けている。
「ああ、心配ない。アイリーン・ケストナーだ。所員リストと照合して、確認している。」

「ヒルダ1。お嬢さんの前だ。もう少し愛想良くしたらどうだ?。」
アイリーンがしがみついてくる。
「大丈夫、無口だけど、悪いヤツじゃないよ。」
アイリーンの顔は、蒼白で、俺を掴んでいる腕も震えている。
「この人は・・・・」
「・・・ヒルダ1がどうかしたのか?」

アイリーンに耳打ちしている間に、ソーンは、部屋を出ていく。ただ、アイリーンを見たとき、ヤツが笑ったように見えたのは気のせいだろうか。確かに愛想良くとは言ったが、ヤツが表情を変えるなんて。

アイリーンは、ぐったりとしている。死体と血の臭いに浸りながら休むわけにも行かず、なんとか立たせて、ドロシィに戻ろうと促す。

部屋を出た途端、耳慣れた機械音がする。RGM79の無人機、コードネームリゲスが、手にした90oマシンガンを構えている。ドロシィまでは、若干距離があるが走れないほどではない。が、遮蔽物一つないこの状況では、危険度はかなり高い。ソーンは、まだ近くにいるはずだ、ヤツを呼ぶか。それとも、この場に止まるか。

1、ドロシィまで走る。
2、ヒルダ1、ソーン・オーガンを呼ぶ。
3,この場に止まる。



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