4、全ての部屋を見て回ったので次の区画へ進む。


この区画に生存者は居なかった。この執拗なまでの破壊活動を見ると、バイオドールの反乱はこの区画から始まったのかも知れない。とすれば、ほとんどの人はこの区画には居なくて当然だ。そう思いこみ、希望を保つしかない。

「まって、この区画の東の端に、当初からの居住区があるの。所長や主任クラスは、そっちが私室なの。所長室もそこにあるわ」
「なるほど、士官用ってわけだ」
「ええ、だけど、それだけガードも堅いわ。隔壁が閉ざされると、私や、あなたのマスターカードでは開かない」
「ケストナー博士は主任だろう、君の部屋もそこにあるんじゃないのか?」
「いえ・・・親子だけれど、立場上は、主任とヒラ研究員だから」

沈痛な表情がそれ以上その話題を続けることを困難にさせた。黙って、ドロシィを向かわせる。当然のごとく、隔壁は閉められている。

「隔壁が閉められていると言うことは、誰かが籠城して頑張っている可能性があるわけだ。それも、主任クラスの誰か。ケストナー博士は君を逃がしたあと、無事だったのかも知れないな。」
「そう・・・ね」
アイリーンの声は沈んだままだ。あからさまな励ましの言葉と楽観過ぎる考えは逆効果だったかも知れない。

ともあれ、所長室に向かうためには、回り込むしかない。通路は二つ。北と南だ。北側の通路は、所長室よりも中央コンピューター制御室に近い。一気に勝負をつけられるかも知れない。南側のは、メカドール隊のCエレベーターに出る。アイリーンを保護するには丁度良いだろう。

1,北から行く
2、南から行く。



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