1.ドールについて質問する


「ドールとはいったいなんです」
空気の読めない男、恐れを知らぬ我らが副隊長コーディー・バレストラ大尉が准将に質問する。准将はさもめんどくさそうに、口を開いた。

「ドールとは、人的資源を保護する目的で作られた、人工生命体だ。機械的なアプローチのメカドール、生体工学的なバイオドールに二分される。詳しくは、資料を読め」

指示されたページを探す。どのページにも、赤インクで「機密事項」のスタンプが押されている。


ドール
陸軍で開発中の小型陸戦兵器。二足二腕の所謂人型形態をとり、自己判断による、単独戦闘能力を有する。将来的には歩兵にとって代わる兵器を目標としている。


大別して2種に分類できる。

A.メカドール
コンピューター工学、精密器機工学等の成果に基づいて開発されたもので、極めて小型の無人MSとも考えられる。後述のバイオドールより、判断能力において劣るが行動速度、出力においてはるかに上回るものとされている。
*本作戦に4機が投入される。各員留意すること。

B.バイオドール
生体工学、遺伝子工学、有機高分子化学等の成果を元に開発されたもので、有機物を摂取し活動するいわば人工生命体である。外観上はまったく人間と同一であり、解剖学的に見ても殆ど差異は見受けられない。最も確かな判別方法はサンプルより細胞を摂取し専用器機を用いて、DNA検査を施すことである。が、数時間を要する。

*本作戦のターゲットはその一つのフォーロンバス重工のバイオドールである。フォーロンバス重工の場合、その感覚及び思考判断力はもはや人間以上と推測されている、が1個体を完成させるのに約3年を要することと、その優れた思考判断力を備えるために人格を持たざるを得ないことが、重要なネックとなり、今回の開発中止破棄処分処置が執られる事となったのである。


「生存者と、そのドールですか?、どうやって見分けるのですか?」

「厳密な区別は付かない。資料にあるとおり、DNA検査しかない。だが、この研究所に居る人間は、すべてデータとして登録されている。登録データに無い人物が、ターゲットと思って良いだろう。」

ハイマン准将は、これ以上答える気は無い。と言った口調で締めくくった。つまりは、職員を誤射しても罪には問わない。と言うことか。疑わしきは殺せ。いやな言葉だが、生き残るためには仕方がない。

「これよりは、各小隊指揮官による個別のプリーフィングに入る」
俺たちは、自由時間の終了を告げられた囚人のように、のろのろと隊長の元へ集まり始めた。

1.作戦手順の説明を受ける



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