*その3* 8月○日(まだまだ火曜日…)
「怪しいホテルの巻き〜」
やっとホテルに着いた。さて、一人部屋だしテレビでもと思って。つけようとするけど、ちっともつかない。本体をいじる。リモコンをバンバン押してみる。
し〜ん…。
なんだか暗くて陰気な感じのホテルだから、テレビの音がほしくなったぁ〜!!見れないとなると余計にぃ〜!!ジタバタジタバタ
。
電話をして何とかテレビがブロークンだとわかってもらった。すぐに人を遣るという。それから、かなりたってやっとピンポーン。男の人だとイヤだなと思いつつ開けると、かわいい女の子が立っていた。
すぐに見てもらう。これは彼女ではだめと言うそぶりを見せて、エンジニアを呼んでくれた。なんか、機械の部品を変えてくれて無事に見れるようになった。うん、見れた…。でも、女の子は帰ろうとしない。こっちを見てニコニコしながら片言の英語で、
「マイ ニーム。マイ イングリッシュ ニーム イズ マーガレット」
とかいってホテルのメモ帳に書き始めた。そんでもって、
「アイ ワント ジャパニズ フレンデ」
とニコニコしながら、「ヨア テル」といって、電話番号を教えてと言ってきた。ちょっとイキナリでためらったので引越し予定の住所を教えてあげた。彼女にも聞くとホテルの住所を書いた。それから結構長い時間いても全然帰ろうとしなかったので、「明日早いから、ごめんね。」というとやっと部屋から出ていってくれた。かわいらしい子だったけど、ちょっとビックリした。
その日は疲れてすぐに寝た。
次の日…。
早朝、私以外のみんなは「九塞溝」という、 最近世界遺産に認定されたところへ行くためにロビーで待ち合わせだった。途中の道が9時間もかかること。それもガタガタ道を車で行くことで。腰が悪い私は皆の足手まといになるのではと懸念して、私だけ別行動で2日後、臥龍のセンターで落ち合う計画になっていた。とても美しいところだということで行けなくて残念だった。
だけどもうチョット寝ていられるぞとホクホクとベッドの中にいたら、
ドンドンドン!!
ポーターがまちがえて私の部屋にきてしまった。「カバンが出てない!」とかいう内容を「ウォーーーッ!!」てな感じでわめいてる…。
ね、ねむいよぉ…。
「私じゃないのっ!」ドア越しに返事したら、「おお、そーりー。」つって、去っていった。
「ひえ〜、モチョット寝かせて」とベッドの中に再び入ろうとすると、今度はUさんが部屋を自分の所と間違えて、鍵が開かないと部屋の外で騒いでらした。ガイドさんが飛んできて「ここは違う」と説明してくれた。Uさんは去るときに、
「ヘンな男の人が合鍵を持って、 この部屋を開けようとしてたわよ」
と教えてくれたもんだから,もう気持ち悪くて怖くて仕方がなかった。
そうこうしてたら、今度はイキナリドアが開いた!!めちゃくちゃビックらこいで跳ね起きると、女の人が掃除をしに来たと言う…。
「部屋,間違えてるよ〜!私はまだチェックアウトしません!!」
と説明すると帰っていった。お次はなんだ・・・?と半分あきらめモードで 、7匹の子ヤギをなぜか思い出していたら、男の人がドアの向こうから「オーーープゥン!!!」と怒鳴っている…。
ムシしてたら2回も来た。 変な人かと思って毅然として怒ってるぞという感じでスゴミナガラ、
「なんじゃいなっ!!!」
といったら、部屋を間違えたといって帰っていった。
アッ、アヤシイ…。
怖いのでガイドさんに電話して、「今日は部屋を変えてほしいです」と頼んだ。あとで頼みますね、ということだったのに。その直後に部屋を変える為のポーターが来た。
まだ早朝だよぉ!今頼んだトコじゃん!
こっちはパジャマだし、 部屋を替わる準備の間もないじゃん!!いいかげん、頭の上から湯気が出始める。そして「10:00に来てね。」と頼んだ。
10時までダイブンあったので、朝食に行く。なんだかんだあってもう終わりかけの時間になってしまった。レストランにつくとほとんど人がいない。ソシテ、
なぁ〜んも、残ってないィィィィ…!!!
残ってるのは冷え〜っとなってるし、バイキングなんだけど、えらべないくらいなにもなし。悲しく一人でモグモグやった。
部屋に戻って10時になっても誰も来ない。ヤッパシ。電話をしても、ちゃんと伝わらない。モーヤダ!キレかけてたら英語ができる人がやっと出てくれて伝わった…ホッ。
さてさて、今日から明日にかけては前回出会った、 中国の旅行社の社長さんのお友達である登山家「王さん」にお世話になる予定です。彼とはe-mailでやりとりしてて、すっかり仲良くさせてもらっていたのです。ひさびさの再会です。彼は弟さんのアパートに車を置いてるといって、タクシーでそこまで行きました。彼の愛車はかの有名なメイド イン チャイナの赤い車でした。なかなか、乗り心地よかったよ♪町に赤の車が多いのは、中国では赤が一番縁起がいい色だから。花嫁さんも最近までは赤のドレスばかりだったそう。反対に日本では当たり前の白は、不吉な色として最近まで花嫁さんにはタブーだったんですって。国が変わると本当に面白い!縁かつぎなんて気持ちの問題なのかナァ?ふふふ。
王さんはさっきまで日本の登山団体を、空港へ見送りに行っていてチョットお疲れ気味。申し訳ないナァと思いつつ、「成都ZOO」へ連れていってもらう。入場料は8元。日本円で大体120円くらい。そこではパンダが3頭寝ていた。その日はあいにくの雨。だから、パンダ達もつまらなそうだった。四角い窓みたいなところにシッカリはまって、「四角パンダ」になってたのにはおどろいた!!
面白かったのは、金魚のコーナーがとても大きかった事。何種類もの金魚の水槽がもうコンクリの壁にはまっていて、覗くと見たことあるようなナイような色とりどりの金魚達がゆらゆらぁんと泳いでいた。お土産コーナーも金魚グッズ(水槽に入れる石とか)は
結構充実してたよ。
次に連れて行ってもらった所は
、「大熊猫繁殖基地」 。ここは,本当にいい所だったぁ!!静かで自然に近い広い緑の場所で、パンダ達がゆったりとご飯を食べていた。「こんな所だったら何時間いてもいいね♪」となりにいる王さんにそう言ったら、心なしか彼の顔はこわばって見えた。デヘ。
パンダ達はのびのびと笹を食べたり お昼寝したり、木に登ってカイイノ〜をしたり楽しそうだった。
オリの所では、子供パンダが何頭かでじゃれながら遊んでいた。鉄製のジャングルジムで大暴れ!人間の子供とちっとも変わらない。上にいるパンダを追いかけ引っつかんで、「僕が先だい!」とばかりに上にのしかかって、結局みんな一緒に転がり落ちる。私はその様子を鉄格子によじ登って必死で見ていた。後ろで王さんも必死に私を支えていた。スマナイ!!王さん〜!!デヘデヘヘ☆
子パンダがじゃれてる姿はまさにぬいぐるみが遊んでるみたいで、メチャクチャかわいかったよぉ♪
さて、パンダツアー(?)も終わり、現地の旅行会社の社長さん、すなわち王さんのお友達
(中国では朋友〜ポンヨウ〜という) と3人でお食事をした。王さんがわたし達の分をおごってくださった。
そしてホテルへ戻る。ちょっとロビーのバーで一服しようということになり、「じゃ、あとでね〜!!」と王さんといったん別れた。部屋に戻った私はちょっと疲れてベッドにひっくり返っていた。
そこへ!!! コンコン。ノックの音。 覗いてみると昨日の女の子じゃん!「新聞を持ってきた」という。私は部屋を替わったので、私だとは知らずに来たんだろう。ドアを開けて「こんにちは」というとなんと、
「メイ アイ カム イン」 と言って、ずかずかと部屋の奥へ入ってきた。そしてまた「アイ ウォント ジャパネズ フレンデ」と繰り返して、「マイ イングリシュ ネム」とまた書き出した。「スージ」
って、
…昨日とちがうじゃん!!!
私はメチャ不安になった。なんじゃい???どうしてこの子はこんなにあつかましく部屋に入ってきて、勝手に人の部屋のメモにでたらめ書くんだろう…。
なんだか怖くなって、貴重品の置いてある所にチラチラ目をやってしまった。そして彼女はおもむろに言った。「あなたの写真がほしい。」
はぁっ?!
「そんなん、持ってないよぉ〜!」 とブンブンと手を振ってナイナイをすると彼女は、 ここで撮ってくれといわんばかりの情熱で何回も言う。ナンデ私の写真がほしいんだろう…。ハッと私は気付いて言った。
「そうだ!8時になったらロビーに中国の友達が来るから、 その時一緒に撮ってもらおう!」すると彼女は「えっ?!」とした顔をして言った。
「ヒー イズ ヨア ボイフレンデ?」
ショックを受けてる表情である。「違うよ!!彼じゃないよ。友達です。」
「ヨオ ハバ ジャパネズ ボイフレンデ?」
なんだか、メチャ目の端が引きつってる。怒ってるんだかショック受けてるのかスゴイ顔をしている。
私は思いきってこう言った。
「イエス!イエッス!!ア ロット! ロット!!!」
そう言うと、なんだかとてもがっかりした顔をして、またモジモジしながら手紙がほしいだの、写真がどうこう言ってる。私は雰囲気的に絶えられなくなってきて、しかも約束の時間にあとちょっとになってしまったので、「もう、準備しなくちゃ」といったら彼女は、
「絶対手紙くれるよねっ!!!」
とかわいい顔を引きつらせながら、すごんで言った時はビックらこいた。そんなに日本の友達がほしいのかな−?ナゼニ??王さんに話してみたら、やはりとても不思議がっていた。彼女はもしやレズ?節まで出た。結構女の子に好かれる私はあの雰囲気はそれもありえたとうなずいてしまった…うぅ…。
その日はバーで王さんと2人してジュースを飲んで、すぐに部屋へ戻っていつものように爆睡いたしました。つづく☆
次回はやっと曄曄登場!!
*その4*へ続く
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