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*その4* 8月○日(水曜日ぃ)
「いよいよ曄*曄とご対面?
♪しかし驚くべきその姿!!の巻き〜」

今日はいよいよ曄曄に会いに、臥龍大熊猫センターへ行く日です♪

朝、6時に起きて7時に王さんとホテルの朝食です。 今日は早くに行ったのでバイキングの内容も結構充実…。しかし王さんは「マズイ!」『サービス悪い!』とおかんむり。荷物(本)をテーブルにおいてバイキング料理を取りに行ってるのに、帰ってくると必ず私達のテーブルに知らない中国人たちが座っている。他はガラガラなのにである。 そして、「ま、相席でもいいけどナ」と近づくと慌てて無言で逃げていく。なんだか感じ悪いなぁ…。 やはりEXCUSE MEを教えたいぞ! ムムム。

しかし、ここで思い出した。ヨーロッパとかに旅行に行って日本へ帰ってくると、なんだかすごく悲しく感じてたこと。突然、ゆずりの精神やあいさつがなくなっちゃって。海外では笑顔でお互いできていたコミュニケーションが ここ日本でも、 やはり欠けている人が多くてそれがとても悲しかったんだった、うーむ…。中国の方たちは、朋友?ポンヨウ?(友達)をとても大事にする。王さんやパンダセンターの皆さんもそうなんだけれど、「仲間」を本当に大切にするんだなぁって思う。道中出会う行き違っていく中国人の行動に、 解せない部分は多々あるけどよく知り合ってお話すると、また違った中国の方の心が見えてきて、嬉しくなったりもする。

さて、話はホテルに戻ってチェックアウトです。デポジットもなかなか返してくれず、王さんが怒って何やら話してくれてやっと戻ってきた。デポは100元だ。私一人じゃ返してもらえなかったかもしれない。

大金じゃん!有り難う、王さん!!

彼は『このホテルダメ?!』を目を三角にして連発していた。私も横でブンブンうなずいてしまった…。

さて!!いよいよ出発!時刻は7時30分!!今日は本来なら王さんは臥龍に泊まってくれることになっていたんだけど、お仕事が夕方から入ったという事でとんぼ返りしなくてはならなくなってしまった。 本当に申し訳ない…。そしてちょっと心細かったけど、明日Uさん達と合流するまでの1日半、
3ヶ月習った中国語で…、頑張ってみようと思っています。ドキドキ。

数年前は片道にガタガタ道を8時間もかかったという臥龍。去年は凸凹の舗装されていないものすごい道を、土煙を上げながら5時間かけて行った。それが今年は道は舗装され、高速道路が短いながらもできていた。なんて快適!?途中でトイレに行きたくなってガソリンスタンド、(日本のを想像してはいけ ません。畑の隣。土の上になんか立っててかろうじて、「加油」という文字で それだとわかりました。(^?^))

そこについている石のホコラ。それがトイレでした。そして「ここはまだキレイだよ」と王さんは教えてくれました。覗くと虫がぴらぴら?んと飛んでいて、 穴が彫ってあるだけのトイレが やぁ!といいました。

ひ、ひえ?!!

でももっとスゴイトイレに前回行ったのでだいじょうぶ!!虫さんがオシリに止まりませんようにと、祈りながら入りました。そして出てきてからトイレと記念撮影をしたざます?!ヘン?王さんは車の中で笑ってた。

そして車に乗ることナント3時間でもう、臥龍の標識が見えてきました!!なんてハヤイの!!うれしすぎる?♪ 久々の臥龍!!!懐かしい!!この景色!この匂い!この空気!! パンダ山荘の、前と変わらぬかわいいパンダのイラストと 赤い屋根が出迎えてくれた。部屋に荷物を置いてさっそくパンダ小屋ゾーンへ小橋を渡っていく。 エントランスのむろに染み込ませてある消毒液の匂いが懐かしい!笹の生えているちょっとした坂を登っていくと、改装のための工事をしていた。工事の人が沢山いる中を通りぬけて、「曄曄」の表示のあるネームプレートを探しにいく。

奥へと入っていくと、あった!!「曄曄」とキラキラの本名が刻まれているゴールドプレートだ!!あ!?!この中に曄曄がいるんだ!ドキドキする!!どんなくらいの大きさになっているんだろうか?
一緒に遊べるんだろうか!? 心臓が高鳴るなか、 おそるおそるおりの中を覗く…。

いない。

その先につながる運動場…。

いたっ!!!! ハッ?! ガ…ガビ=========ン!!!

そこには… とっても大きなパンダちゃんが後ろを向いて寝転んでいた。

い、曄曄????!!!

後ろにいる王さんにスットンキョウな声で聞く私。

「イエース!曄曄」

ゴールドプレートとパンダを交互に見ながら王さんは言い放った。      

「い…曄曄…お、おおきくなっちゃって…。1年もたってないと言うのに…。 も、もうだ、抱けないよネッ!?」

目はもうそこに寝そべってるパンダちゃんに釘づけである。王さんは何回も「イエス。曄曄。ビッグ。」を繰り返している。元気にこんなに育ったんだという嬉しさと、あまりに早い成長に母は複雑である…。 抱っこしたかったのに…。これじゃ、反対にハグされてしまう…。 そうしていると、曄曄はおりのほうへ戻ってきた。おりを覗きながら母キラキラは、 「曄*曄、お母さんだよ。元気してた? 大きくなったね」と 語りかけた。彼女はこちらを優しい目でチラリと見た。

「ああ。。。曄曄!わかってるんだね、わかってるんだ…ママのこと!!」

感無量で叫んだその時。王さんの背後にいたセンターのヒトが 王さんに何やら伝えた。
王さんはつぶやいた…。

「曄*曄ジャ、ナアイ!」

「エッ?!曄曄じゃないっ?!」

とたんにビデオの録画がストップしたのは言うまでもない。 しかし、「ああ、わかってるんだね!!」と身震いした私って…(? ?)そのセンターのヒトはハンさんといった。こからハンさんは本物の曄曄のいるおりの方へと案内してくれた。曄曄は研究所のそばのおりの中にいた!!コンクリートの滑り台の上に、 白と黒のコロコロした小さな固まりが眠っていた。

「曄曄!!」 小さい…う、嬉しい!!!

なんてかわいいのだろう。 コロッコロのパンダちゃん♪魔法使いサリーのエンディング曲がアタマに響く。里親だからということで、特別におりの中へ入れてもらった。

そっと近づく。すると、曄曄は小さな黒い手を差し伸べてきた。手をつないだ。ところが曄曄は寝ぼけマナコでその手を口に入れようとするのでビックリした。 そして私の服を引っ張った。なんだか今触られるのはイヤなのと言ってるみたいで、 私はあまり触るのをやめてじっと見た。彼女もしきりにこっちを見ている。おもむろにコロコロ転がってきて滑り台から落ちそうになった。でもクタッとしていて眠そうだったので、すぐにおりを出た。

少し歩くと入り口のところのおりの中に、 奥から子パンダが出てきて じゃれあっていた。 くるくるともつれ合いながらおりの中を所せましと動き回っている。トテモ楽しそうだ。その隣りのおりに一人ぼっちの子がいた。プレートには「古古(クークー)」と書いてある。日本のパンダのHPの所長さんの子供である。でもなんだか顔が違うぞ?成長したから?んー?去年ワタシはこの子も抱いたから、ちょっと不思議な感覚だった。彼女はとても寂しそう。 だって隣りでは2匹のパンダが楽しそうにじゃれあっているのに1匹だけでいる。枯れた笹をおもちゃにしてチョコンと座って一人遊び。でも目は遊んでる2匹を追っている。かわいそう…。そのうち悲しそうに奥の部屋へと消えていった。

その後、王さんを見送って一人でお昼ご飯に挑んだ。そう、文字通り、挑んだ!!パンダセンターは九塞溝が世界遺産に認定されたことで、 観光バスの途中経由地になってしまっていた。わらわらと中国人がレストランにむらがる。食べ方は壮絶である。中国では食べ散らかしたほうが美味しいという礼儀だと聞いたことがあるけれど、ホントかな?食べ散らかす、わめく、つばを吐くで、そのテーブル席にとても一人なんかじゃ入っていけない。オロオロしながらオーダーはどうにか、 ラーメンの絵を描いてわかってもらった。 でも座る席がない。席は空いてるけれど、一人だから無理だったんだろう。でもその時はその説明もなくただスミッコに追いやられ、 どうなるかもわからず不安だった。見世物みたいになってしまってイヤだったので、再び言いに行くと後で来いと言われた。こりゃ、だめだ…。そう思ったワタシはもういいですと言って、部屋へ戻り、母がくれた日本から持ってきたビスコを食べた。

そして1時間位してから曄曄に会いに行こうとしたら、レストランから女のヒトがこっちを見て叫んでる。モシヤ? とイヤな予感のまま行ってみると、ヤハリ!!伸びきったラーメンが私を待っていた…。おまけにそのラーメン君は一人で食べるにはデカカッタ。中国では一人で食べてはイケナイのね…、そう確信したのであった。

その後 再びパンダ小屋へ見にいった。曄曄は眠っている。時間は3時。そして4時、もう一度行ってみた。 やはり彼女は眠っている。他の子パンダたちは楽しそうにじゃれて遊んでいる。1匹の子パンダも寂しそうだけどチャンと起きて一人遊びしている。 なんで曄曄は遊ばないんだろう…。どこか悪いのかなぁ?だんだん心配になっていると、去年会った飼育委員のヒトが来たので 聞いてみた。すると…、曄曄は5月くらいから病気だったと言う。「キッドナップ」が悪いといって右腰をさす。

…。ショックだった… 。だから、寝ていたんだ…。

生まれつきかもしれないし、原因はよくわからないということだった。そんなことさっきは言ってくれなかったよ…。さっき触りに行った時、それを知っていたら…。 痛いのをガマンして、曄曄は戦っていたんだ。「キッドナップ」ってどこだろう?内臓のどこのことなんだろう?知りたい。5月と言ったら、私が一人で臥竜へ行こうかとしていた時期だ。行ったら遊べるかとセンターのヒトとも話をしたのに、 誰も教えてくれなかった。もしもはるばるここに来ても、曄曄に会えなかったんだ。なぜかというとその時、彼女は入院してたから…。 どうして、そんな大切なこと隠していたんだろう…。少しセンターの人達に不信感をもってしまった。心配かけないという配慮かもしれないけど、チャンと報告してほしかった。 治療費だって送れたのに…。私は曄曄がかわいそうでならなかった。体がしんどいことのつらさを、生まれつきやはり丈夫でない私は痛いほど知っている。

そこへ、ハンさんたちが来た。 英語で話してくれる。 でもわからない。 発音が違っていて聴き取れない。すると、みんなでわからない私のことを囲んであざ笑う。悲しくなった。なんか、孤独な気分になる…。そうだ!なんとかコミュニケーションだぞ☆と、 去年の写真(曄曄が赤ちゃんの時)を見せたら、みんなが寄ってきた。去年生まれた時 弱かった双子の兄弟の弟くんはどうなったか? って聞くと、 みんながそれは「古古だ」という。違うよ! 古古は曄曄の弟じゃないよぉ!って言っても誰も信じない。え?!チョット、待ってよ。 みんな、どのパンダがどういう名前で、 生後何ヶ月かも把握してないの? 大丈夫なの?!心配になる。古古の写真を見せて 「ホラ、これが古古だから弟じゃないデショ」と説明してあげると、みんなは把握はしたけれど困った顔をして、 じゃあ、どの子が曄曄の弟かわからないという…。このルーズさ! ビックリした。曄曄は本当に曄曄なんだろうねぇ…?

部屋へトボトボと帰る。部屋から外を見るとパンダ小屋への道と水墨画のような山が見える。パンダの模様のレースのカーテンから、ぼんやり外を見る。

「曄曄…」

涙が出てきた。私は自分が体が弱いので、 わが里子のパンダには自分の名前をつけたくなかった。里親になる人の大半は自分の本名からとるんだけれど、私はそんな理由でイヤだった。 あえて、違う名前。でもキラキラという名前にちなんで、「キラキラしてる」 という意味の “曄く〜かがやく〜”という漢字を選んで付けた。 なのに…。私が親になったから、曄曄は病気になったんではないか…。なんて、弱気なことを考えてしまった。曄曄がかわいそうで仕方がなかった…。 あんなに小さくて無邪気なのに、つらい病気と頑張って戦っているなんて…。 たまたま囲まれたフレンドリーではないセンターの人の態度に、悲しくなってショボンとしてた矢先のこのつらい現実に、ちょっと参ってしまったのかなぁ…。とっても悲しくなって胸が痛くなって、いっぱい泣いた。自分がお腹をいためて産んだ子ではないけれど、曄曄のことを本当の自分の子供のように愛しく、大切に大切に想った。 そして、つらかった…。

次は、母の心配をよそにフィーバーしまくるおてんば曄曄の巻!乞うご期待♪♪

*その5*へ続く

 
 
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