3,持っていれば、カードBを試す。


実験区画で手に入れたカードBを投入する。

一拍おいて、画面が明るくなり、何かが表示される。何かの報告書か、論文か…アイリーンも、専門外らしく、ただ、首を振るだけだ。

「詳しくは、分からないけど…バイオドールへの精神的な影響に関する論文と言うか、まとめだと思うわ。バイオドールに、知識や記憶を植え付けるのが、所長の研究だったはずだから。」

そう言ってアイリーンは、唇を噛む。生まれ落ちたバイオドールは、白紙の状態だ。それに敵味方を教え、戦闘技術を教える。まるで、コンピューターにデータをコピーするように、バイオドールに記憶を植え込むのだという。

ブリフィーングでの説明を必死で思い出す。たしかフォーロンバスのバイオドールは、一個体を完成させるのに、三年を要するとあった。数を揃えたい軍にとっては、ジェネラル・オーガニックのバイオドールの方が使いやすい。と言う事か…

「そうね…彼らは、哀れな戦闘機械だわ…」

GESSO
GENE 03-OCT-0075 CONFIRM-Z
TEST252:B TEST253:A CLEAR GGG7355

VERMILION
HUGE 10-AUG-0076 CONFIRM-Z
TEST252:A TEST253:A CLEAR GGG8432

SCARLET
IRIS 25-FEB-0077 CONFIRM-Z
TEST252:B TEST:B CLEAR GGG9864

CARMINE
SUPPLEMENTARY PROCESS-S
PSYCHOLGOCAL EFFECT N205.G,V,S


アイリーンの呟きに呼応するように、モニターの中に、どこかで見た内容が映し出される。エフェクトナンバー205。アイリーンに悟られぬように、No205を捜す。No205 Suspicion mind。つまり猜疑心。疑う心。

バイオドールはおろか、軍人でさえ必要ない。と言うよりも持っていてはならない要素だとも思える。だが、必要とも言える。相手の撤退を疑うことなく追撃すれば、反撃に遭うだろう。だがそれは、疑うのではなく、反撃の可能性を考慮する事ではないのか?。可能性を考慮する事と猜疑心の違いは俺には分からない。

所長の植え込んだ、この効果が、今回の発端だと言う事は直感できた。

記録シートに、No205猜疑心を記録する事

1,ケストナー博士の遺体を調べる
2,博士の私室へ向かう
3,先へ進む



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