空手バカボン ナゴムコレクション (DDCH-2503→2504)05年8月24日発売。  トップ>ナゴムコレクション

ナゴムコレクション
※注 歌詞は不掲載。作詞・作曲クレジットをクリックしてもなんの表示も・・・


 内容的には既に掲載済みの曲・コントと大幅に重複してしまうため、相違点のみ指摘しておく。

 『空手バカボン ベスト』リリース時のデジタル・マスターをコンピュータに取り込み、手動によるノイズ除去作業で、あろうことか二週間以上を費やしたという。「聴こえないでいい音まで聴こえるよ」とは内田雄一郎の弁。

2-8 おおもうけバカボン(Live at Nylon100% May '83 / Bonus Track)

2-9 わたしはアイちゃん(Live at Nylon100% May '83 / Bonus Track)

2-10 ヨーデルコント(Live at Nylon100% Sep '83 / Bonus Track)

2-11 バカが戦車でやってくる(Live at Nylon100% Sep '83 / Bonus Track)

2-12 おおもうけバカボン(Live at Shiodome PIT May '89 / Bonus Track)

2-13 パヤパヤ(Live at Shiodome PIT May '89 / Bonus Track)


 大きな変更点として、「バカが戦車でやってくる」に追加されたシンセ(エレクトーンか?)・パートと、「福耳の子供」に追加されたハイハット・パターンがある。実際には本来入って然るべきだったパートがアナログ盤プレス時になぜか欠落してしまったのだそうで、つまりこちらのレストアされたトラックが20年越しの完全版となる。内田所有のカセットテープより該当トラックを抽出、補正しマスター音源に加算したとのこと。「バカが・・・」のほうは2枚目に収録のライブ・ヴァージョンでも同じフレーズが使われており、一聴してすぐにそれと判る変貌ぶりだが、「福耳の子供」は微妙な違いなので気づくまで時間がかかった。

 あと、『はじまり-ナゴムオムニバス2』収録の「のんきな兄さん」の曲順が、『孤島の檻』の「2人と5人」とリューベンのコント(「空手バカボンの大脱走」の直前)の間という奇妙なポジションに収まっている。

 それと「バカボンと戦慄 -Staress & バカボンBlack」「来たるべき世界」「バカボンと戦慄 partU -Staress & バカボンBlack partU」の3曲に関しては、著作権者からの使用許可が下りず、残念なことに収録が見送られた。その代わり、2枚目ボーナストラックの「パヤパヤ」終了直後に「バカボンと戦慄」が、そして10分以上もの無音部分を挟んだCD終了間際に「来たるべき世界」が、最期の悪あがきのように回転数を変えながら、一瞬だけいびつに再生される。

 2000年5月刊行「ナゴムの話」第6章のナゴム全作品カタログを見てみると、その中のいくつかに『本作は新生ナゴムより二○○○年のうちにCD化の予定あり』と記されているものがある。結局というか当然というか、その年にこれらのリリースは実現されなかったのだが、「ナゴム・アゲイン」シリーズ以来となるCDリリースの噂は以後も久しく絶えなかったようで、それが俄かに現実味を帯びてきたのが2004年12月初頭、ナイロン100℃の公演のチラシにあったという『ナゴムレコード全作CD化 UKプロジェクトより来春順次リリース』というもの。

 やがてナイロン100℃の公式サイトにも同様のコメントが記載され、2005年春のザ・シンセサイザーズのブログには『第一弾はケラソロや空手バカボン、順調に行けば12月頃に有頂天がリリースされそう』と、次々と続報が届いた。

 極めつけが7月14日に開設された、ケラ&ザ・シンセサイザーズのスタッフを中心とした組織「ナゴム再生委員会」によるブログ。15日付の日記では第1弾の5タイトルと発売日・収録曲・曲順が公開され、CDJournal.comといった音楽ニュースサイトにも記事として取り上げられた。

 機は熟し、8月24日、ナゴムコレクション第1弾5タイトルの一つとして『空手バカボン ナゴムコレクション』リリース。

 『空手バカボン ベスト』には未収録だった、アナログ盤の曲間コントが全て収録されたのに加え、ボーナストラックとしてライブ音源が6曲も収録され、2枚組で税込4200円。ケラのコメント、内田"世界で一番空バカに詳しい男"雄一郎による解説、全活動記録(ライブスケジュール)、秘蔵写真等を含む36頁に及ぶ豪華ブックレット付き。そのためか、同時発売で同じく2枚組の『ケラ ナゴムコレクション』よりも若干ケースが厚くなっている。残りのイカ天系3タイトル(たま、ミンカ・パノピカ、マサ子さん)と比べても、空手バカボンのほうに制作サイドの比重が傾いているのは明らかで、少々値は張るが得した感が強い。それだけ期待が大きかったということの証左だろうか。あるいは内田雄一郎の物持ちがよすぎるだけなのかも知れない(当時のライブ風景に混じって、内田所有の手帳・カセットテープ等様々な資料の写真がブックレットに多数掲載されている)。

 また余談として、発売日当日のHMVのJ-POPチャートに、ケラと空手バカボンのナゴムコレクションがそれぞれ4位・5位にランク・インするという快挙が。当然ながら翌日には跡形もなく消えていたが・・・

 なお、CD帯には「伝説の底が今、抜けた!」という大槻ケンヂによるキャッチコピーが記されている。

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