基礎知識 1 基礎知識 2 基礎知識 3 星座の歴史 実践編 用語集

 星のいろいろ 1 星座を構成する星は、太陽の仲間−

 星空を見上げると、明るい星、暗い星、ぎらぎら輝く星、ぱっとしない星?
 明るさが変わる星、赤い星、青い星、黄色い星・・・
 など、よく見ると星にもいろいろ表情があることに気が付きます。

 一口に“星”と言っても、星にはいろいろな種類があります。
 肉眼で見える星を大きく分けると
 
恒星(こうせい)
 
惑星(わくせい)の2つに分けることができます。

 恒星は、一般に言う“星”のことで、星座を構成している星々のことです。
 その名の通り「恒に変わらない星」という意味で、数多くの星の配列や間隔が変わることはありません。

 星座を構成する恒星(←つっこまないでね!)は、太陽の仲間で
 太陽のように核融合反応によってエネルギーを放出して輝いています。
 その中には、太陽の何百倍もある巨大な星や、何万倍もの強烈な輝きを放っている星もあります。
 しかし恒星までの距離が、光の速さ(秒速約30万q)で
 数年、数十年、数百年…しまいには何十億年以上という遙か彼方…
 もう想像も付かないほど遠くに離れています。

 ちなみに、太陽から一番近い恒星は
 ケンタウルス座にある“プロキシマ・ケンタウリウス”という星で
 その距離は4.1光年(光の速さで約4年1ヶ月かかる距離)です。
 そのため、あの程度の明るさにしか見えないのです。

 今地球で見えている星の光は、その星が数年前、数百年前に発した光だと思うと
 凄いロマンを感じませんか?

太陽 1億4959万7870km 地球方最も近い恒星
プロキシマ・ケンタウリウス
(ケンタウルス座α星の連星)
4.1光年
(太陽に最も近い恒星。太陽と地球の間の距離の約27万倍)
シリウス(おおいぬ座α星) 8.7光年(全天でもっとも明るい恒星。太陽に7番目に近い)
アンドロメダ大星雲 230万光年
1光年=9,460,000,000,000km(9兆4600憶km)。簡単に言えば、想像も付かない途方もない距離…

 

 さて
 『恒星は地球から数光年〜数百光年以上も離れた宇宙空間で輝いている』
 ということを話しました。
 同じ方向に見えている恒星でも
 それぞれの星までの距離は“光年”という単位でしか表せないほど離れています。

 しかし
 星空を見上げてみて、実際にその星までの距離感を実感することはまずないでしょう。
 例えば、木星とおとめ座の1等星“スピカ”がならんで夜空に輝いていたとします。

 太陽と木星の距離(木星の軌道半径)は約7億8千万q
 スピカまでの距離は350光年です。

 どう比べても木星の方が地球に近いですね。
 しかし、実際に星空に輝く木星とスピカを見比べて
 「木星の方が近くで輝いている」
 と見た目で判断することは難しいとおもいます。
 (知識として天体までの距離を知っていれば、イメージすることは可能ですが)

 木星とスピカだけでなく、地球から見える全ての天体は
 プラネタリウムのような丸天井のスクリーンに
 外側から投影されて輝いているような格好になります。
 この仮想的な丸天井のスクリーンのことを

 天球(てんきゅう)と呼んでいます。

 私たちは地平の上に立っているので、天球の半分を見ていることになるのです。

 


 星のいろいろ 2 −星の明るさについて−

 天体の明るさをあらわすのに

 等級(とうきゅう)
 
等星(とうせい)”という単位を使います。

 昔は、もっとも明るい星を1等星、肉眼でやっと見える星を6等星として
 星の明るさを単純に6つの等級にわけてあらわしていました。

 近年になって、1等星が6等星の100倍の明るさであることが解りました。
 そこで、1等級で約2.5倍光量が違うと定義し
 現在使われている「等級」であらわすようになったのです。
 1等級より明るい天体は、0等級(0等星)、−1等級(−1等星)、−2等級(−2等星)…というようにマイナス符号で
 6等星より暗い天体は7等級(7等星)、8等星級(8等星)…というようにあらわしています。

 ちょっとピンとこない(私が)ようなので、身近にある物・・・例えば、豆電球に置き換えてみましょう。
 豆電球1個の明るさを、6等星の明るさだとして、その明るさを基準にして下に表してみました。

6等星…豆電球 1個ぶんの明るさ

5等星…豆電球 2.5個の明るさ

4等星…豆電球 約6個ぶんの明るさ

3等星…豆電球 約16個ぶんの明るさ

2等星…豆電球 約39個ぶんの明るさ

1等星…豆電球 約100個ぶんの明るさ ※5等星以外は、小数点以下四捨五入して端数を省いています

 


 星のいろいろ 3 −星の色について−

 星空をよーく見ると、赤い星、青い星、黄色い星、白い星・・・など
 星にもいろいろな色があるのに気が付くと思います。
 これらの色の違いは、恒星の表面温度の違いによるもので

 表面温度が高い星は青っぽく
 表面温度が低い恒星は赤く見えています。

 さらに、色の違いから“星の年齢”を知ることもできます。星の色を人間の年齢にあてはめてみる…

星の色 人間でいうと… 表面温度 主な恒星
幼児期の星 50000-29000  
青白 少年期の星 29000-9600 リゲル スピカ
青年期の星 9600-7200 シリウス 
中年期の星 6000-5300 太陽 カペラ 
オレンジ 更年期の星 5300-3900 アルデバラン ポルックス
老年期の星 3900↓ アンタレス ベテルギウス

といった感じです。 

 


 星のいろいろ 4 −地球の兄弟星 惑星について−

 さて、“基礎知識2”の最後に
 私たちが住む地球の兄弟星、惑星を紹介したいと思います。

 実は、惑星も肉眼で見ることができるんですよ。
 肉眼で見ることができる惑星は
 水星、金星、火星、木星、土星の5つの惑星なのですが
 さすがに肉眼では点にしか見えません…。

 惑星は時がたつにつれ、どんどん星座の間を行ったり来たりして
 見える位置を変えていきます。
 この様子が私たちの目を惑わすようにみえるため、惑星と呼ばれるようになりました。

惑星が星座の間を移動する様子
1ヶ月後↓
さらに1ヶ月後↓
星座を構成する恒星の配置は変わりませんが、惑星たちは星座の中を移動していく様子がわかると思います。

 なぜ、惑星が惑い歩きをするのか?というと
 地球も他の惑星もそれぞれの周期で
 (水星=約88.97日、金星=約224.7日、地球=1年日、火星=686.98日、木星=11.86年、土星=29.46年、天王星=84.02年)
 太陽のまわりを公転しているので
 おたがいの見かけの方向がどんどん変わってゆくからなのです。

惑星についてふれたついでに、太陽系の惑星について簡単に紹介したいと思います。

※06年8月24日、国際天文学連合(IAU)の総会で、「太陽系の惑星の定義」が決定されました。
 その結果、太陽系の惑星は、水星〜海王星までの8個となり、冥王星は惑星ではなく"dwarf planet"という新しい天体の分類に入ることが決まりました

水星
画像準備中

 太陽系第1惑星で、太陽に一番近い軌道を公転しています。
 大気はなく、表面は月のようなクレーターに覆われています。
 地球から見て、太陽から18゜〜28゜程度しか離れないので
 肉眼では日の出前あるいは日没後のわずかな時間しか見ることができません。

 公転周期=87.97日 自転周期=58.65日 赤道半径=2440q 極大光度=−2.4等星

 

金星

 太陽系第3惑星で、地球の内側の軌道を公転している惑星です。
 主に二酸化炭素で構成されている厚い大気に覆われています。
 地表の表面温度は470℃、気圧は90気圧にも達しています。

 金星は、“明けの明星”“宵の明星”という呼び名で親しまれていて
 夕方あるいは明け方の比較的限られた時間にしか見ることができません。

 公転周期=224.70日 自転周期=243.0日(逆回り) 赤道半径=6052q 極大光度=-4.7等星

 

地球
 太陽系第3惑星で、私たちが住んでいる多くの問題を抱えている惑星です。

 公転周期=1年 自転周期=0.9973日  赤道半径=6378q

火星

 太陽系大4惑星で、地球のひとつ外側の軌道を公転しています。
 大きさは地球の約半分です。
 主に二酸化炭素からなる薄い大気(地球の約1/170)があり
 雲が発生するなど気象条件も観測され、太陽系惑星の中で地球にもっとも近い環境を持つ惑星です。

 約2年2ヶ月ごとに地球に接近するのですが、火星の軌道がいびつな楕円をしているため接近距離は
 約15年の周期で変化します。
 接近した時は、小さな望遠鏡でも火星表面の模様を見ることができます。

 公転周期=686.98日  自転周期=1.026日  赤道半径=3397q  極大光度=-3.0等星

 

木星

 太陽系第5惑星で、太陽系最大の惑星で、地球の約11倍もの大きさです。
 アンモニアやメタンの厚い雲に覆われていて、赤道に平行な何本もの帯線が走っています。
 南半球には、地球2個分に匹敵する大きさを持った「大赤斑」という巨大な渦巻きがあります。

 木星には61個の衛星が発見されていますが
 その中でも1610年にガリレオ・ガリレイが発見した
 イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4個の衛星は
 ガリレオ衛星と呼ばれています。
 ガリレオ衛星が木星の周りを公転している様子は小さな望遠鏡でも楽しむことができます。

 公転周期=11.86年  自転周期=0.141日  赤道半径=71492q  極大光度=-2.8等星

 

土星

 太陽系第6惑星で、環があることでも有名な惑星です。
 大きさは地球の約9.4倍あち、太陽系では木星に次いで2番目に大きな惑星で
 地球から肉眼で見ることができる最も遠い惑星です。

 土星の最大の特徴である環は、ひじょうに薄く、厚さはせいぜい200m程度で
 数cm〜数十cmの氷や岩石から成る1000本以上の細いすじが
 まるでレコード盤のように並んで形成されています。
 土星の環がどうしてできたのかは、まだ解明されていませんが
 有力説として、『太陽系が誕生して間もない頃に
 土星の衛星に衝突した小天体が粉々に砕け
 やがて土星の赤道面に集まって環となった』というものが考えられています。

 公転周期=29.46日  自転周期=0.444日  赤道半径=60269q  極大光度=-0.5等星

 

天王星

 太陽系第7惑星で、1781年に天文学者“ウイリアム・ハーシェル”によって発見されました。
 大きさは地球の約4倍あり、太陽系では土星に次いで大きな惑星です。

 天王星の最大の特徴は、自転軸が公転面いたいして98度も傾いていることで
 横倒しの状態で公転してしています。
 その原因は、天王星が形成された初期の段階に大規模な衝突がおきて自転軸が傾いたからと考えられています。
 望遠鏡で見ると、やや緑がかった青色のをしていて、とても綺麗です。

 公転周期=84.02年  自転周期=0.718日  赤道半径=25559q  極大光度=5.3等星

 

海王星

 太陽系第8惑星で、1846年にドイツの天文学者“ガレ”によって発見されました。
 大きさは地球の約3.9倍あります。

  公転周期=164.77年  自転周期=0.671日  赤道半径=24764q  極大光度=7.8等星

冥王星

 1930年に発見された冥王星は、太陽系の第9惑星として、太陽系の最も外側を公転している惑星だとされていました。

 しかし、観測技術の進歩と共に、大きさや軌道が他の惑星と比べてかなり特異な存在であることがわかってきました。

 さらに、1992年以降、冥王星が存在する領域に、同じような軌道を持つ小天体
 “エッジワース・カイパーベルト天体”が次々と発見され
 冥王星をこれらの小天体の仲間とする考えが浮上してきました。
 2005年には冥王星よりも大きな天体が発見され、第10惑星か!?、と話題になりました。

 その他にも冥王星より大きな天体が発見され、今後も増えていく可能性がることから
 2006年8月24日国際天文学連合(IAU)の総会で、「太陽系の惑星の定義」が決定されました。

 その結果、太陽系の惑星は、水星〜海王星までの8個となり
 冥王星は惑星ではなく"dwarf planet"という新しい天体の分類に入ることが決まりました。

 惑星の定義についてはこちらをご覧ください

 



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