実践編?
 まずは身支度をしっかりと!

 当然のことですが、星を観に行くのは夜間です。
真夏でも晴れた夜間は意外と冷え込むので、しっかりとした防寒が必要となります。
私の経験から、少々大げさな服装をしたほうが良いでしょう。暑ければ脱いで調節することもできます。
また、夜露が衣服につくと、湿った感じで不快となるので
できればナイロン素材で撥水効果がある上着があれば良いかもしれません。

 夏はそれほど厳重な防寒対策は必要ではないのですが
晩秋から春先、特に冬場の防寒対策は特に重要になります。
一番外側だけに高価なジャケットなどを着ていても
体を動かすことが少ない星観の時は、じわじわと外気の寒さが身にしみてくるようになります。

 防寒対策は、空気の層をつくることがポイントとなるので
毛糸のセーターやフリースなどが有効でしょう。
 そして、防寒対策として重要なのがアンダーウエアーです。
最近は化学繊維を使った発熱するアンダーシャツをが話題を呼んでいます。
これは肌から発生する湿気を吸湿して発熱する優れもので、アウトドアショップの店頭でも見かけるようになりました。
実は私も上下で購入しました。しかも、極寒対応版!。
使ってみた感想としては、これ、良いです!。
少々値段は高めですが、無駄に厚着する必要が無くなりました。
オススメです!。

 足下の防寒対策もしっかりしましょう。
私の経験上、冷えは足からくるようです。
厚手の靴下、冬期間はインナー付きの冬用長靴がベストです。

 その他、使い捨てカイロなどを効果的に利用して、快適な星空散歩を楽しんでください。

 星空散歩を楽しんで、風邪をひいた…なんてことにはならないように気をつけてください。

 

 星空散歩に必要なアイテム

懐中電灯

夜間の暗いところで行動するのですから、足下や手元を照らす必需品です。
しかし、暗さに目が慣れてしまうと、小さな懐中電灯の明るさでさえ眩しく感じます。
できれば、赤いフィルターやセロハンなどでライトの部分を覆っておくと、眩しくありません。
懐中電灯とペンライトと二つ用意すると良いかもしれません。
また、頭にベルトで固定するヘッドライトがあれば、両手が使えるようになるので便利です。
もちろん、赤いフィルターやセロハンなどでライトの部分を覆っておくことをお忘れ無く。

 

毛布・タオルケット

防寒対策はぬかりなく行ったつもりでも、予想以上に冷え込んだりすることもあります。
そんな時は毛布やタオルケットなどを1枚身にまとうだけでもけっこう暖かくなります。

 

飲み物・食べ物

これが意外と重要なアイテム。
これが有るか無いかでは大違い!。
温かい飲み物やおにぎり、サンドイッチなどの軽食、話題のお菓子などがあると、一段と楽しい星見が楽しめます。
また、適度なアルコールも体を温めてくれますが
アルコールを口にした後は、自動車等の運転は厳禁です!!。
そして、出たゴミは必ず持ち帰るようにしましょう!。

 

星座早見版

星座を辿るときにはこれが便利です。本屋などで入手できます。

 

方位磁石

方角を知るにはこれが一番です。方角がわからないと星座早見版の威力も半減します。

 

椅子・敷物

長時間にわたって星空を見続けるのは、けっこう疲れます。上を見続けると首も痛くなってきます。
そんな時は無理せず休憩しましょう。
アウトドア用の椅子や腰掛けるためのビニールシートがあれば便利ですね。
ビニールシートだと寝ころんで星空を見ることもできますよ!。
ビニールシートの下に段ボールを敷くのがポイントです。背中がゴツゴツしないで快適ですよ!。

 

ラジオ・音楽再生機

私は一人で星を観に行く機会が多いので、ラジオやポータブルの音楽再生機が必需品です。
お気に入りの音楽を聴きながらの星空散歩は格別です。
ただし、大音量での再生はNGです。できればヘッドホーンで聴くようにしましょう。

 

トイレ…?

これは準備するというより、トイレの場所を確認しておくということです。
出かける前に済ませておくことも大切なことです。
特に女性の方はトイレの場所を確認しておく必要があるでしょう。

 

その他  夏の季節は虫除けが必要です。スプレー式より、身に付けるタイプがオススメです。

 


 マナーを守りましょう!

 自宅の庭やベランダなどで星空を楽しむ程度であれば、あまり気にすることではないのですが
公園や河川敷、駐車場などの公共の場を利用する場合は、一般常識的なマナーは必ず守りましょう。
ゴミは必ず持ち帰りましょう。
また、私有地や立ち入り禁止区域には、絶対に立ち入らないで下さい!

 しかし、天文誌でやwebサイト等で紹介されている「星が綺麗に見えるオススメの観望スポット」等に出かけるときは、
一般常識的なマナー+“星を観る時のマナー”を守る必要があります。

 

 星を観る時のマナーとは?

 星を観る時の一番の敵は「光」です。
ただでさえ弱い星の光を楽しむのですから、無用な光は邪魔になります。

 周囲に誰もいない場合はそれほど神経質になる必要はないのでしょうが
周囲に星を観ている人がいる場合、懐中電灯などでむやみやたらに辺りを照らすのは厳禁です。
懐中電灯は、赤いフィルターやセロハンなどでライトの部分を覆っておくと眩しさが抑えることができるので
周囲へ迷惑をかけることも少なくなります。

 星を観る場所まで自動車で出かけることもあると思われます。
暗闇での自動車のヘッドライトは強烈に眩しいものです。
もし、先に来て星を観ている方が居たら、睨み付けられたりするかもしれません。天体写真を撮影中なら最悪・・・。

 しかしそこは公共の場。
非常識なことをしたわけでもないので文句を言われる筋合いはない!のでしょうが
星好きのマナーとして、素直に「すみませんでした」と謝り、即座にヘッドライトを消しましょう。
できれば、敷地内に入ったらスモールランプに切り替えてもらいたいのですが、安全第一でお願いします。

 こんなトラブルを避けたい方は、まだ明るいうちに到着することをオススメします。
太陽が沈んで、夕焼けがしだいに漆黒に染まっていく光景は、ものすごく綺麗ですよ!!。

 ちょっと、難しく思われた方もいるかと思いますが、星が好きな人に悪人はあまりいないと思います。
たぶん、私が知っている限りでは…。
 ですので、とにかく「明かり」にだけ注意していただければ、そんなに神経質になることは無いと思われます。


 双眼鏡のススメ

 星好きであれば、しだいに天体望遠鏡が欲しくなってきます。
しかし、天体望遠鏡って高額なんですよね。
せっかく買った天体望遠鏡も、星に冷めてしまったら…最悪です。
それに、買ったら買ったで、三脚をセットして、架台を組んで、望遠鏡をのせて…ってのが面倒な場面もあります。
ぶっちゃけ、私も「今夜は晴れているけど、疲れてるし…明日も仕事だし…」と望遠鏡を組むのが億劫になることがあります。

 そんな時の強い見方が双眼鏡です。

 双眼鏡も魅力は、なんといっても手軽さです。
両手でヒョイと持てば良いのですから。
それに星空をグルグル見わたすこともできます。
望遠鏡と違って両目で見ることができるので、いわば簡易肉眼強化装置(笑)といったところでしょうか。
それにコンパクトなので、持ち運びも容易にできます。
値段も1万円台からありますので、天体望遠鏡より安価です。
万が一、星好きが冷めたとしても、バードウオッチングなど別な用途もあります。

 双眼鏡でそんなに星空が楽しめるのか?
と思われる方もいるかと思われますが、それが十分に楽しめるんですよ〜。

 まず、肉眼より集光力(※1))があるので、肉眼では見えなかった暗い星が観られるようになります。
それに分解能(※2)が高くなるので、肉眼では光のシミのようにしか見えていなかったものが
じつは無数の星の集まりだったことに気が付くようになります。

 その良い例が、M45・プレアデス星団(すばる)です。
肉眼では、6〜7個の星の集まりにしか見えないのですが
双眼鏡を使うとこれが60〜70個もの星の集まりだということがわかります。

また、天の川に向けてみると、天の川に点在する散開星団が次々と視野に入ってくるのですごく綺麗です。

 倍率こそ6〜10倍程度なので惑星を楽しむことは難しいのですが
肉眼だけで見ていた星空より10倍は楽しめちゃいます。

 では、どのような双眼鏡がよいのか?という話になる訳なのですが…
双眼鏡もピンキリです。
もし、ご家庭に双眼鏡があれば、まずはその双眼鏡をお使い下さい。
スポーツ観戦用の小さな双眼鏡でも、手始めとしては十分楽しめると思います。

 ここを読んで初めての双眼鏡購入を考えている方も、まずは小さな双眼鏡で試してみましょう。
一流メーカーの高性能双眼鏡をいきなり買うのも、ひとつの方法ですが
まずは、ホームセンターなどで売られている安価(1万円以下で買えちゃいます!)な双眼鏡も入門用としては良いかもしれません。

 それで、もう少しランクが上の双眼鏡が欲しくなったのであれば…以下を参考にしてみてください。

※1:集光力 望遠鏡や双眼鏡の性能の表し方の1つで、肉眼の何倍の光を集める力があるかを表したもの。
※2:分解力 どのくらい細かなところまで見えるかを表したもの。

口径

双眼鏡は対物レンズの口径が大きいほど集光力があるので、天体を明るく見る事ができます。
初めて手にする双眼鏡は口径が50mm、倍率が7倍(7×50と表示されています)程度の物が使いやすいでしょう。

 

重さ

両手で持つことが多いので、持っているうちに腕が疲れてくるようでは、せっかくの星空散歩も疲労感がたまってしまいます。
両手で持て重さを感じない、自分にあった大きさの双眼鏡を選びましょう。腕力に自信がない方は、軽めの物を選んでください

 また購入の際は、写真用三脚に取り付けができるものを選びましょう。
 双眼鏡を三脚に固定すると、手ぶれの影響がなくなるので天体の細部がクリアに見ることができます。
 もし、使っている双眼鏡が三脚に固定できない場合は、腕や体、頭部を、ささえになるものに固定して、手ぶれを防ぐようにすると良いでしょう
 最近は、手ぶれ防止機能を備えた便利な双眼鏡が発売されていますが、値段は高額になってしまいます。

 ちなみに、私が使っている双眼鏡は
 ビクセンのアスコットSW10×50という双眼鏡です。
 この双眼鏡は、10倍もの倍率でありながら、一般的な7倍(実視界約7°)の双眼鏡よりも広い8.5°の実視界があります。
 しかも、見かけ視界が85°もありますので、覗いた時の視界の広がりが大きくなるのが魅力です。、


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