乗り物

「どうしてそうなるんだ?。それが分からなければ、分かるまで旅を続けるまでだ。言っていることが分かるか?」
−ロバート・M・パーシング「禅とオートバイ修理技術」


モーターサイクルと言うモノは、とてもじゃないけど便利な乗り物とは言えない代物です。それでも乗っている人は、その不便さを越えた楽しみに、取り憑かれた人でしょう。

本当に好きならば、最終的に二輪に戻ってきてしまいますし、嫌いな人は、免許を取っても乗らないことが多いです。一概には、言い切れませんが、バイク乗り(心から好きで乗っている人)は、社会生活不適合者が多い。もちろん、折り合いを付けている人もいますけど。それというのも、バイクの利点の一つに「すり抜け」が有ります。もちろん褒められた行為ではありませんが、バイク乗りのほとんどは、渋滞を嫌います。かといって、車で路肩を抜けるような、厚顔無恥の傍若無人なことは出来ない人たちなのです。

ここで言う、渋滞とは、社会ルールの比喩とする事が出来ます。誰に決められたわけでも、強要されたわけでもない。ただ、流れに合わせ、渋滞に不平をこぼすだけで、どうにかしようともせず、かと言って、他人に甚大な迷惑をかける車で路肩抜けをするほど、傍若無人ではない。

ただ、自分のペースで、自分を殺すことなく、自分らしくありたい。

私の知る、バイク乗りには、そんな人が多いです。むろん、伊達や酔狂で乗っている人、車に乗りたいけど、歳や金銭が足りない人、格好つけるために乗っている人、色々です。でも、そんな人は、いつかバイクに乗らなくなります。逆に、本当に好きな人は、齢50を越えて、再びバイクにまたがります。

旅先で話した粋な老夫婦は、ハーレーのサイドカーで旅をしていました。長距離トラックの運転手という人は、休日になるとバイクで旅をしていると言いました。まわりに流されることなく、自分というモノがある。そんな真の意味で、クールでハードボイルドな乗り物なのでしょうかね。


さて、前置きが長くなりました。これまで述べたように、バイクは不便な乗り物です。駐輪場に行けば、原付まで。と言われ、駐車場に行けば、バイクはダメ。と言われ、路上駐車をすれば、警官たちが切符を切ってくれます。

雨に弱く、路面が傾いていると止めるだけで一苦労です。荷物もろくに載せられません。

それでも、なぜ乗り続けるのか?。それは、です。いや、ホント。

どんなに専門誌や、知人、ショップの人から酷評を受けたとしても、当人が気に入っていれば、必ずカタログスペック以上の性能を叩き出してくれます。逆に、対して愛情もなく、愛着のないマシンを選ぶと、マシンの方から愛想を尽かすのか、長続きしません。

私の大学時代、やはり自然とバイク乗りが集まって、友人グループとなっていました。無論、中にはバイクにはほとんど興味がない人もいます。そんな人が、話を合わせるため、仲間にはいるため、大して気に入っているわけでもないバイクを購入しました。結果は、数十キロも走らないウチに、売ってしまいました。そんなものです。

ですから、妥協することなく、自分が惹かれるマシンとの出会いを待ちましょう。私がインスピレーションマンだからかも知れませんが、第一印象で気に入ったものならば、どんなに酷評されていても、期待以上の性能を発揮してくれますから。

私の愛車、もうカタログ落ちしてしまったのですが、ホンダのゼルビス。と言うバイクです。最初に見たのは、中3か高1ぐらいでしたでしょうか。ちょっと大人ぶって、バイク雑誌を立ち読みをしたとき、新車紹介のコーナーで見たのが最初でした。なぜか目に留まったのを憶えています。

それから、免許を取って、さあ何にしよう。と思ったとき、近所のバイク屋の折り込み広告があり、なんとゼルビスの新車の特売をやっているではないですか。早速、とは言っても二、三日悩んでから、バイク屋に行ったところ「(四種のカラーのウチ)黒だけ残っているそうですよ」と、私の希望色が折良く残っていたのです。

もう十年になりますが、未だに現役ですし、未だにワイヤー類は一度も切れたことがありません。三度盗まれましたが、三度生還しています。大阪で盗まれたとき、絶対に出てこない。と思ったのですが、出てきましたしね。

マシンとの赤い糸を自分の最も信頼できる感覚で捜しましょう。私の場合、霊覚でしたが。


と、よく分からない話で、終わっても仕方ないので、買い方ガイドでも入れましょう。

購入ガイド:役立つかどうかは、不明。

盗難対策:購入後に気を付けること

盗まれたら:盗難時、警察に行くとき必要なもの

整備:日常点検は大事です。


特徴

とは言っても、ヤマハはコーナリングが良い。とか、直線のパワーはホンダだ。と言う事ではありません。ちょっとした、機能の違いを書いてみようかなと、思います。

ミラー:バックミラーです。通常、カウルに直接付いているか、ハンドルに付いているかです。

視界は、カウルマウントの方が断然広いです。ハンドルマウントだと、どう調整しても、ミラーの1/3は、自分の腕や肩が入ってしまいます。カウルマウントだと、ほぼミラーの全面を使って、後方確認が出来ます。

ライト:ヘッドライトも、フレームマウントか、ハンドルマウントです。カウルマウントの方が、ハンドルが軽い。と言う利点がありますが、車体が完全に進行方向を向くまで、ライトが機能しないと言う致命的欠陥が生じます。

いくら、バイクはハンドルで曲がらない。とは言っても、少しはハンドルを曲げているわけで、この数度の差が明暗を分けることは多々あります。

例えば、深夜の山道で、ヘアピンカーブを曲がるときに、ライトはずっと正面を照らしたままですが、ライダーは進行方向を見ているわけですから、真っ暗なカーブの出口をただ見つめているだけになるのです。山道のヘアピンカーブは、ガードレールのない水路をまたいでいるときが多く、私は、何度も落ちかけました。

フルもしくはハーフカウルの付いたバイクは、例外なくフレームマウントで、ネイキッドやオフローダーは、例外なくハンドルマウントです…族車はフレームマウントのネイキッドありますけど…これはもう、特性として諦めて、危険な状況と言うモノを常に認識しておくべきでしょう。

カウルのあるなしもまた、高速道路や、風の強い日に影響を及ぼします。高速道路でのカウルの有無は、体力消費量に甚大な影響を及ぼします。あと、雨の日も。もちろん、カウルがある方が、風にも雨にも強いのです。



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