ピアノ練習法・上達法〜誰も教えてくれなかった上達の方法 | |
〜要因その3・楽譜が覚えられない(暗譜できない)〜
「楽譜を覚える」の意味について
普通、1曲を自分のものにする課程では、次のような段階を踏むのが一般的ですね。
0. ピアノに向かう前に一度楽譜を眺めてできる限りの情報を仕入れる
段階0の作業の意義
「楽譜を覚える」とは? ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、この辺で本題に移りたいと思います。 皆さんは今習っている、または学習している曲の中で暗譜で弾く必要がある曲はどれほどあるでしょうか? 発表会等、公の場、人前で演奏する場合は、もちろん暗譜の必要はありますよね。でもそれ以外、 例えば、皆さんが散々やらされているツェルニーの練習曲などはどうですか? 原則として暗譜でなくてもOK、ですよね。つまり、実際に手を付ける曲のうち、暗譜を強要されない曲が かなりの割合を占める、という事実を再認識するべきです。この場合、段階4までいければ、 その曲は合格、となりますね。すなわち、できるだけ短い時間で段階4まで持っていくことこそが最も重要で、ここでは、 その状態にまで持っていくことを「楽譜を覚える」と言いたいわけです。 但し、ツェルニーの練習曲は、指示テンポが非常に速いですから、 楽譜を見ながら弾いているうちはまだ完成からは程遠く、テンポを上げるための弾き込みをしているうちに 自然に暗譜してしまう、という人もいるでしょうね。ツェルニーの練習曲を弾き込みの対象に使うのは、 個人的にはあまりおすすめしたくないのですが、指の訓練にはいい方法ではありますよね。 この良し悪しは別として、ピアノでは、楽譜を見ながらでもよいから一応弾ける状態にまで持っていく能力が 非常に大切になります。
楽譜の覚え方(暗譜も含めて) 但し、楽譜の覚え方のコツが全くないわけでもないので、少しだけ僕の持論を書いておきたいと思います。 よく、「繰り返し弾いているうちに指が覚えてしまう」とか「楽譜を見なくても、何も考えずに指が勝手に動いてしまう 状態になるまで繰り返し弾いていればいいんでしょう?」などと言う人がいますが、これほど頼りない記憶法はない と思いませんか?このような場合、一度暗譜が飛びそうになった場合、そこから立て直すことができるでしょうか? 怖いのは、前の部分との流れで記憶している場合です。この場合、途中から弾こうとすると、訳が分からなくなってしまう という危険が大きいのですが、これは皆さんも経験的によく知っていることと思います。 このようなことも含めて、楽譜を記憶する上で注意すべきポイントを以下に列記しておきます。
1. 曲の中の途中、色々な部分から弾き始める練習をする 1は、上で説明した通りです。2は、絶対音感があれば、かなり頼りになる記憶方法です。 3は、指の動きではなく、どの鍵盤を押さえればよいかを1つ1つ丹念に記憶していく方法です。 指の動きは、流れで覚えるという、いわば「線的な」記憶方法ですが、鍵盤の位置は、 それ自体1つ1つが「点」であるため、記憶の信頼度は抜群です。これは重要な記憶法です。 4は、楽譜を写真のように記憶してしまう方法です。記憶力がずば抜けている人の場合、 この方法が意外に役に立つようですが、残念ながら僕にはそれほどの記憶力はないです。 楽譜についているコーヒーやしょうゆのしみの色や形まで覚えてしまう、というツワモノもいるようですが、 その精度の高い記憶力には呆れるほかないです。 5は、誰もがやっている方法ですが、念のため一応挙げておきました。例えばショパンのワルツ7番の場合、 曲の構成は、ABCBABですが、三度登場するBの中で今どの部分を弾いているのか、ということを 常に意識しながら弾く、ということです。これは当たり前すぎましたかね。 上記の暗譜法の中では、特に1と3が重要だと思います。皆さんも是非、実践してみてください。
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