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ピアノ練習法・上達法〜誰も教えてくれなかった上達の方法

〜ピアノ上達が頭打ちになる様々な原因〜

ピアノで上達したいと誰もが思っているが・・・

皆さんは自ら進んでピアノを習いたいと言い始めて習い始めたのでしょうか。それとも母親などから勧められて 気が付いたら音楽教室通いが始まっていたという状況でしょうか。

ピアノを始めるまでのいきさつは様々だと思いますが、ピアノを習う皆さんそれぞれピアノが上手くなりたいという思いは共通していると思います。 しかしピアノというのはそう簡単に上達するものではないということは皆さんも身をもって痛感していることと思います。 ピアノの出だしからつまずいてしまう人、片手ずつではある程度弾けていたが両手を使わなければならなくなった途端、 急に進みが止まってしまった人、ヘ音記号が出てきた途端、譜読みが急にできなくなった人、などなど、 つまずくポイントは人それぞれのようです。

あるいはもっと先まで上達し、中級から上級にステップアップできないという「壁」を感じている人も結構多いようです。

ここではそのような、ピアノの上達の速度が急激にダウンしてしまう、頭打ちになってしまう様々な要因と、それに対する対処法について 僕自身の経験や見聞をもとに述べたいと思います。

ピアノ上達が頭打ちになる様々な原因

まず初めにピアノ上達速度がダウンしてしまう、または上達できない要因を思いつく限り挙げてみます。 あ、それそれ、と思い当たる人も結構多いと思います。

<<本人の性格>>
・落ち着きがない
・飽きっぽい・集中力がない
・難しく考えすぎてしまう

<<本人のやる気の問題>>
・練習しない
・練習が嫌い
・ピアノが好きではない
・ピアノを弾くことに意義を感じない(モチベーションが低い)
・他にやりたいことが多い

<<本人の適性・素質>>
・指が動かない
・音感がない
・リズム感がない
・記憶力が悪い
・練習の仕方が悪い・要領が悪い
・手が小さい
・指が短い

<<本人以外の問題>>
・ピアノの先生が厳しすぎる(なかなかマルをもらえない)
・ピアノの先生の能力の問題:課題のレベルが不適切
・ピアノの先生との相性の問題
・使っているピアノが悪い

こんなところでしょうか。これらについて対処法がある場合にはその対処法も含めて詳しく見ていきたいと思います。

<<本人の性格の問題>>

・落ち着きがない
子供というのは意外に落ち着きがないものです。ピアノの椅子に5分と座っていられない子にはピアノは全く不向きです。 成長に伴って徐々に落ち着いてくるものですが、小学校高学年になっても落ち着きがなければ、ピアノには向いていないと考えて、 諦めるという決断も時には必要になります。

・飽きっぽい・集中力がない
ピアノを練習しようとする気には一応なるのに、少し練習するとすぐに放り投げてピアノから離れてしまう飽きっぽい人、 集中力が続かない人は、ピアノの才能以前に性格的にピアノには向かない人です。

・難しく考えすぎてしまう
「難しく考えすぎてしまう」ってどういうこと?と思う方が大半だと思いますが、僕がまさにこれでした。 練習して上達して何でも弾ける腕前になっても音楽性がなければピアノを弾いていても無意味だ、と考えてやる気を失いかけたことも 一度や二度ではありませんでした。その時何も考えずにひたすら練習していればよかったのに、と思うのですが・・・ 僕はそれが原因で本来上達できるポテンシャルを秘めていながら一時期まであまり上達できませんでした。皆さんも思い当たる節があれば、 是非ご一考下さい。あまり考えずに練習する方が良い結果に結びつきます。

<<本人のやる気の問題>>

・練習が嫌い・好きではない
ピアノというのは日々の練習の積み重ねがものを言う楽器です。だから練習が好きで積極的に練習する人の方が上達するに決まっています。 しかしこれはやや理想論のような気もします。僕自身、根っからのピアノ好きということは当サイトのあらゆるページで公言していて、 確かにピアノは好きだったのですが、ピアノを始めて数年間は練習そのものは好きではありませんでした。 それでも目標の曲があり毎週ピアノのレッスンがあったため、最低限の進度を保つことができました。 才能が開花した中学校2年生の春以降は「練習の鬼」と化して、少しでも時間があればピアノに向かわずにはいられない、 という状態となり、大変身したわけですが・・・。

・ピアノが好きではない
そもそもピアノが好きではないのに親に嫌々習わせられているという人もいるようですが、これでは上達するはずがないです。 ピアノは最終的には練習を自主的にどれだけしたかが重要ですから、自主的にピアノに向かう気持ちになれない人は いずれ遅かれ早かれピアノをやめてしまうようです。

・ピアノを弾くことに意義を感じない(モチベーションが低い)
そもそも本人が何のためにピアノを習っているのか分からないという、言ってみれば目的意識のない人は、 ピアノ上達のモチベーションが低い状態です。何でもよいからピアノで上達するとこういうメリットがあるという モチベーションを自分なりに見つけることが大事です。例えば学校でクラス代表、学年代表、学校代表のピアノ伴奏を務める、 数年後にこの曲を弾きたいという憧れの曲を見つけることなどです。 僕は小学生の頃、そのような目的や目標が自然にできたことで、ピアノに向かう高いモチベーションを維持し続けられたのだと思います。

・他にやりたいことが多い
小中学生を取り巻く環境の中には楽しいことがたくさんありますよね。スポーツ、ゲーム、インターネット、テレビ、娯楽など、 一般的な子供にとってピアノよりも楽しいと思えることが無数にあります。 その楽しみを犠牲にして、ピアノの前に座って面白くない単調な練習を続ける、弾けるようにならないストレスと闘いながら ピアノと格闘する、というのはそれ相応の強い気持ちと精神力が必要になります。 この時、ゲームやインターネット、テレビなど楽しいことをして過ごした時間、果たして何が身に付くだろうか、 それを我慢してピアノに向かえば、素晴らしい作品を演奏できる特殊技能を手に入れられる、果たしてどちらの方が 有意義だろうかと考えて、ピアノに向かう方を選ぶ賢明な小中学生もいて、そのような人が将来「ピアノの達人」となって、 周囲の人たちから崇められ尊敬されるピアノ弾きとなります。皆さんはどちらを選びますか?

<<本人の適性・素質>>

・指が動かない
僕たちは当然のように左右5本の指をコントロールしてピアノを弾きますが、中には信じられないくらい指が動かない人というのが一定割合でいるようです。 指そのものが動かない人、右手が左手につられてしまう人、左右両手が対称な動きしかできない人など・・・。 やはり指の運動神経は生まれ持った素質の部分も大きく、指が動かない人、コントロールできない人は残念ながらピアノには不向きということになります。 それでもピアノというのはレベルに合った楽しみ方ができますので、中級・上級を目指すのは不可能でも、 その人なりの楽しみ方はできると思います。

・音感がない
音感は大きく分けて絶対音感と相対音感がありますが、ピアノ演奏においてはそのどちらもある程度必要と僕は考えています。 音程を作り出す必要がある声楽やヴァイオリンなどの弦楽器と違って、ピアノは楽譜に書いてある通りの正しい位置の鍵盤を押せば必ずその音を鳴らすことができる という意味で、音感の必要性が軽視されがちですが、決してそんなことはありません。 音感がない人は楽譜に書いてある音と違う音を弾いてしまったときの違和感を感じる感度が低いことが多く、 先生に直されない限り、間違いだらけの音を「正しい」と思い込んで弾いてしまうようです。 やはりある程度の音感はピアノにおいても必要不可欠で、これがない人は見込みがない場合がほとんどです。

・リズム感がない
リズム感もピアノ演奏において非常に重要ですが、音感ほどではないかもしれません。 ただ上級レベルになってテンポルバートを利かせた音楽性豊かな演奏をするためには、その基礎になる正確なリズムが必要不可欠になります。 リズム感が今一つな人がさらにテンポを無理に動かそうとすると、その演奏で何を主張したいのか分からない、 酩酊状態のような演奏になってしまう危険が高いです。 リズム感がないというだけでピアノを諦める必要はないと思いますが、これが弱点となっている人はいずれ克服する必要があると思います。

・記憶力が悪い
何度弾いてもなかなか覚えられない、運よく正しく弾けたとしてもその感覚を覚えられない、暗譜が全くできない、 というのはピアノ弾きの多くが抱える悩みです。これはあくまで程度問題なのですが、繰り返し繰り返し根気強く 続けて、何とか記憶が定着できる人はまだ望みはあります。しかし中には、いくら繰り返し練習し続けても、全く覚えられない、 間違ったところを修正してもそれが定着しない、楽譜が全く覚えられないという人もいるようです。 ピアノ演奏には記憶力も非常に重要となります。

・練習の仕方が悪い・要領が悪い
すぐに何でも弾けてしまうような例外的な天才を除き、皆、練習と工夫を重ねて、ある程度自分の納得を得られるような演奏に仕上げています。 その練習の工夫がどの程度できるかどうか、要領よく練習できるかどうかで、その結果は大きく変わってきます。 子供の弾くピアノの練習の音が近所の家から聴こえてくることがありますが、同じ曲を繰り返し弾いて、毎回同じところで 決まったようにつっかえて止まる、ということがあり、「何故つっかえて止まったところを集中的に練習しないのだろう」 と僕は不思議で仕方ありませんし、「これでは上手くならないのも当然だ」と思ったものです。 この場合はつっかえるところだけを取り出して集中的に丹念に練習して克服することが何よりも重要です。 自分でその都度、今の状況に応じて弱点補強できる要領の良い練習ができるかどうかも 上達の速度を大きく左右します。

・手が小さい
手が小さいとピアノを弾く上で非常に不利です。具体的には白鍵のオクターブが上からつかめないのであれば「手が小さい」 ということになると思うのですが、手が小さいと弾ける曲が限られてしまうばかりか、何とか弾けていても苦しい部分が多くなります。 手が小さいことがネックとなり、それ以上の上達が望めなくなったという人たちは大勢います。 手が小さいからと言って諦めるのは早いと思いますが、どうしても上達しない場合、手の大きさは大丈夫かどうか、 先生に相談してみてもよいと思います。

・指が短い
指が短いのも、手が小さいのと同様、ピアノを弾く上では不利になりますが、指が短くても、ある程度手が大きければカバーできる場合も多々あります。 その意味で指が短い人は、手が小さい人よりはまだ救いようがあるわけですが、それでも指が長いに越したことはないと僕は常々感じています。

<<本人以外の問題>>

・ピアノの先生が厳しすぎる(なかなかマルをもらえない)
ピアノ講師によって、生徒にマルをあげる(レッスン中の曲を合格させて次に進める)基準が大きく違うようで、非常に甘い先生もいれば 非常に厳しい先生もいます。これは程度問題で甘すぎるのも厳しすぎるのも問題で、程よいのが理想です。 特に生徒のやる気をそぐのは先生が厳しい場合です。いくら上手に弾いても一か所でも気に入らないところがあると、 マルをあげずにその部分を修正してくるように言って、毎回合格させてもらえない、これでば生徒もやる気をなくしてしまいます。 そうしているうちに同じような能力を持つ他の生徒は他の先生の指導の下でどんどん先に進んでしまう・・・ これでは結果的にはマルをあげる基準が甘い先生の方がピアノ講師としては良い仕事をしていることになってしまいます。 何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。このような先生についている場合には先生に進言してみるか、 先生を変えてしまうのも1つの方法だと思います。

・ピアノの先生の能力の問題:課題のレベルが不適切
ピアノの先生が生徒の現時点での実力を把握できていない、今のその生徒に合った教材や課題の与え方が不適切 といった例もかなり多いようです。生徒の能力は同じでも指導者の能力によって差が出てしまうわけです。 このようなピアノの先生の適性の問題をその生徒が見抜くのは難しいと思いますが、 そのような視点で先生の指導法を冷静に見てみることをおすすめします。 「この先生で大丈夫だろうか」と疑問に思うことがあれば、相談できる人に相談することをお勧めします。

・ピアノの先生との相性の問題
以上はピアノの先生の能力や態度の問題でしたが、ピアノの先生も生徒もどちらも人間ですから、相性の問題は常にあります。 これはピアノの先生の人間性・性格の良し悪しという単純なものではなく、生徒の皆さん1人1人との相性の問題で、 他の人たちは良い先生と言っていても、自分にとってはどうも合わない、というケースがかなり多くあると思います。 その場合には先生を変えるというのも1つの有力な選択肢になります。

・使っているピアノが悪い
使っているピアノが悪いために上達できないというケースは当然あり得ると思います。 特に最近は電子ピアノも選択肢に加わり、費用面や住宅事情から本物のピアノを家に置くことができず電子ピアノで妥協している方も 結構多いと思いますが、特に性能の悪い電子ピアノを使っていると、それが原因で上達が頭打ちになることもあると思います。 上達が頭打ちになった原因が、使っているピアノに問題があるからだということが認識できていればそれはまだ救いようがありますが、 中には「なんだかよく分からないけど上達しない」と頭を抱えて悩んでいて、実は使っているピアノが良くないのが原因だったという ことを知らないまま無駄な時間を過ごしてしまったという人もいますので気を付けて下さい。 もし皆さんが最近上達が遅くなってきたと感じているのであれば、使っているピアノに原因がないかも考えてみて下さい。

以上、ピアノの上達の頭打ちになる原因について考えられる限り挙げて僕自身の考えを述べてきました。 このページは「ピアノが上達する子・長続きする子の特徴・共通点」と似たようなページで、コインの表裏の関係にあるとも言えますが、 そのような観点から、皆さんの現在のピアノの上達度と上達を阻んでいる要素を洗い出すヒントになれば幸いです。

初稿:2017年6月29日

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