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MAINTENANCE

クランクオーバーホール
樹脂製軸受タイプの例です。 6mmのアーレンキーで写真のボルト(クランクを軸方向にずれないように固定している)を緩めます。
8mmのアーレンキーで写真のボルト(クランク を軸方向に押し付け、軸受のガタを規制している)。を外します。組み付ける時にスピンドルの位置を設定する必要があるので、 このボルトを外した状態でスピンドル端部の深さがクランクのどの辺りの位置にあるかを大まかに把握しておいた方が 良いかも知れません。
スピンドルとクランクは四角の軸で連結されています。 最初に外したクランク固定ボルトでクランクの四角穴が締まって固定されます。
このBMXはユーロBBで、ユーロBBの内径に 切られためねじ部にハウジングが圧入されていて、そのハウジングの内径に樹脂製軸受(白い部品)が挿入されています。 更に外側にあるカバーで軸受を塞ぐような構造になっています。
スプロケット側も同様に外します。スピンドルが 付いている方とは部品構成が違っていますが、外し方は同じです。
スプロケットが外せないのでチェーンを外します。 一番最初にチェーンを外しておいても良いです。リアペグを緩めるとチェーンが緩みます。スプロケットから チェーンを外す時は、写真のように左手でスプロケットを写真左方向に回転させながら、スプロケットからチェーンをずらして、 右手を使ってずらした辺りのチェーンを持って写真左方向に送り出すように動かすと良いです(デジカメを持っているので右手は写せませんが)。 ボール盤を使ったことがある人はわかると思いますが、ベルトをプーリーから動かすやり方と同じです。回転とずらしを同時に 進めるイメージです。取り付ける時も逆の動きをさせると良いです。
スプロケット側の部品構成です。左下にあるボルトでクランクに スプロケットが固定されています。わかりにくいですが、スピンドルには3つのリング状の部品があり、一番スプロケット側に あるのは22mm軸でも使えるスプロケットを19mm軸用に変換するアダプターです。残り2つはワッシャーです。 チェーンラインを出すためのスペーサーになっており、厚さや枚数はフレームや使用してる部品により異なります。
全体の構成部品を大まかに並べてみました。整備をすることに 抵抗のある人は、難しく考え過ぎているかもしれません。だいたいこんな構造だと理解してやってみると意外と難しくないと 思えるかもしれません。
古いグリス等で汚れているので、パーツクリーナーやウエスを 使って洗浄します。他の部品も洗浄します。
摺動(しゅうどう)する部分だけでなく、ボルト等にもグリスを 塗って部品を順番に組み付けていきます。何も考えずに組んでいくとクランクの四角穴の中から見えるスピンドル端部の位置(深さ) が左右で異なることがあります。写真では随分奥になってしまっています。2番目の写真のところで書いたように最初にだいたいの 位置を把握しておいてから組み付けた方が良いかもしれませんが、ここでは意識せず組んでみました。
位置の調整は、クランク固定ボルトを緩めた状態で、写真のように 人差し指でスピンドルの先端を押してずらすことで左右の位置を調整します。当然のことながら左右のクランクはフレーム側に押し当てた 状態になっていないとダメです。スケールを使って位置を出して組めば間違いないとは思いますが、あまり神経質になるよりは アバウトでもクランクのオーバーホール頻度を上げた方が良いと思います。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、だいたいこの位の位置です。 位置が決まったらクランク固定ボルトをひとまず軽く締めておきます。チェーンも取り付けておきます。
一度締めたクランク固定ボルトをもう一度緩めます。そうするとクランクが 軸方向に動くようになるので、軸受のガタを規制するボルトを締めます。加減が難しいですが、ガタが出ないように、かつ動きがしぶく ならない程度に締めます。尚、このボルトのアーレンキーとの嵌合(かんごう)穴は浅くてなめ易いし、強く締める必要はない箇所なので、 アーレンキーのポールジョイント側を使っています。
最後にクランク固定ボルトを締めて完成です。 しっかり締めないとクランクが緩みやすくなりますが、強く締めすぎないようにした方が良いです。