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MAINTENANCE

Fブレーキ調整
ブレーキタッチを良くするコツあくまでも個人的意見です。
(1)引き回しを重視する。抵抗がないように良く考えて引き回す。
(2)「バネの戻り、タッチ」と「遊び」にはちょっとした関係がある
  のですが、「バネの戻り、タッチ」はブレーキ本体のスプリング
  の強さで、「遊び」はインナーワイヤーの引き具合で調整と
  個別に考えた方がわかりやすい。
(3) 「遊び」の調整はインナーの引きで行い、ブレーキ関係パーツ
  についている「アジャスター」は使わない。アジャスターは直線
  にしか動かないので最適な引き回しを得るための妨げになるし、
  アジャスターが飛び出し過ぎていると転倒した時に折れやすく
  なります。アジャスターはちょっと使ってみて伸びがでた時の
  「微調整用」と捉えた方が良いでしょう。
(4)ワイヤーやシューの材質、ケミカルの潤滑性のように材料に
  頼らない。これらはあくまでもベストな調整ができてあと一歩
  欲しい時と考えるべきです。基本的な調整もできずに材料に
  頼ると材料の良さを活かせません(お金もかかる)。
フロントブレーキ調整は慣れないと難しいと思いますが、頻度の高い作業ですから覚えましょう。 失敗を恐れずやりましょう。失敗が怖い人はスペアを用意しておけばすむことです。今回はホームセンターで売っているワイヤーを使います。 組み付け前にインナー、アウターに潤滑剤を吹きつけます。CRCでもいいですが乾くとベタベタするので、ここではシリコン系(ミシン油でも可)を使いました。
最も重要なのが「引き回し」です。抵抗にならないように適度な長さにします。 短いと抵抗になりますが、フロントの場合、長いとタイヤに当たります。経験をつめばわかりますが慣れない内は迷ったら長め(ダメなら切ればいいから)が無難。 FLEXIEを使うといいでしょう。ここでは引き回しを見ながら長さを決めるのでインナーワイヤーは入れておかない方がいいです。
最初のところにも書いたようにアジャスターは 調整には使いませんから最適な引き回しができるようにアジャスターは押し込んだ状態にしておきます。こうすることでリーチが長い状態で引き回せます。
アウターの内側とインナーに潤滑剤を吹き付けてからインナーを挿入して仮止めします。 ネジを手で強く締め付けてスパナ等でほんのちょっと増し締めします。このインナーの「引き」で遊びが変わりますが仮止めなので気にしなくていいです。 バネ調整した後レバーをカチカチ動かせればいいです。
自分の好みに合わせてブレーキ本体のバネを調節します。この時13mmのスパナを使うのですが スパナを当てる二面部の角度を見ておくことで角度と強さとの関係を理解しておくと良いです。しかし同時にスパナを回していくとバネの抵抗が強くなっていくのを手で しっかり感じとっておいて下さい(初心者にとってとても重要なことです)。またバネを強くするとシューがリムから離れる(遊びが大きくなる)、反対側のシューは 逆にリムに近づくという関係があることも理解しておきます。アーレンキー(六角レンチ)で強く締めすぎてはいけません。フォークに付いている台座の頭がつぶれてしまいます。
おおよそ調整できたらブレーキレバーを操作してみます。自分の欲しいタッチ(これは経験をつんだり 他の人のタッチを参考にしていくしかないでしょう)になったか確認します。最初に書いたようにここではまだバネの強さしか調整していませんから遊びが大きいとか小さい とかは気にしなくていいです。
タッチ確認の作業と同時にインナーワイヤーの「初期伸び」を取ります。これをやっておかないと 使っているうちに遊びが大きくなっていきます。両手でガッチリ握って伸びを取って下さい。握った後にもう一度追加でグッと握る感じです。
次に遊びを調整します。インナーワイヤーを止めているネジを緩めて引きを変えて遊びを調整します。 初期伸びのおかげでここではワイヤーを引いて遊びを小さくする方向に調整すると思います。バネを強くしている場合、インナーが引きづらかったらラジオペンチ等でインナー をつかんで引くと良いでしょう。ブレーキレバーを引いて遊びを確認すると共にタッチを再確認します。遊びの大きさが変わるとタッチも変わったように思われるので、 前に書いた関係を思い出しながら最終調整を行います。片効きになっていないかも確認します。調整できたら余分なインナーを切ってインナーキャップを付けて完成です。
補足私が記載した方法で作業した場合、最後の作業でインナーを引くと初期伸びを取るために仮止めしてつぶれたインナーが露出することになります。 これがカッコ悪いという人はインナーキャップで隠すかアジャスターも使って調整するといいでしょう。初心者にとっては私が記載した方法の方がアジャスター を使うより引き回しが最適にできる他、それぞれの機能、関係がわかりやすいと思っています。実際にやってみて自分のタッチが得られればどのような方法でもいいと思います。