知っておきたい婦人科の知識
癌検診 | 川崎市癌検診 | 更年期障害 | 子宮内膜症 | 子宮筋腫 |
帯下(おりもの) | 事後ピル | 不正性器出血 | 卵巣癌 | クラミジア |
淋病 | エイズ | 梅毒 |
子宮筋腫
1) 頻度
子宮筋腫は子宮の筋肉に出来る腫瘍で約20%の女性の方が一生の間には経験する腫瘍(おでき)です。ただし、そのうち手術が必要な人は約25%です。つまり、全体の約5%の方が手術することになります。
2) 原因
なぜ、子宮筋腫が出来るかはわかっていませんが、女性ホルモン(卵胞ホルモン)に影響されることは間違いないようです。閉経を迎えた女性の子宮筋腫は女性ホルモンの低下により大きさが変わらないか、小さくなっていきます。また、女性ホルモンが大量に作られる妊娠中は、約半分の子宮筋腫はその大きさが増大します。
3) 症状
一番頻度の高いのは過多月経(生理の量が多いこと)による貧血です。生理の時、血液のかたまりがあると生理の量が人より多いと考えて良いと思います。正常な生理の量は1周期で50~70mlと考えられています。献血する血液量が1回200~400mlですから、正常な場合貧血にはなりませんが、生理の量が多くなると貧血(鉄欠乏性貧血)をきたすことになります。
そのほか、子宮筋腫が大きくなると、膀胱を圧迫して頻尿をきたしたり、直腸を圧迫して便秘に傾いたりします。また、筋腫の中にばい菌が進入して感染を起こし、筋腫の部分に感染を起こしたりします。
4) 経過、治療
子宮筋腫と診断されても、約500人に一人は子宮肉腫といわれる悪性の腫瘍の場合があります。始めて子宮筋腫の診断がついた場合、最初の経過には注意が必要です。
子宮筋腫そのものは良性腫瘍ですからどのように経過を見るか、治療を進めるかは年齢、妊娠を希望するか、症状などで、かなり幅があります。
たとえば、47~8歳で閉経が近い人の場合は、そのまま経過を見たり、大きさや症状によっては、女性ホルモンを抑える薬を使って、何とか閉経まで手術をしないで経過を見ることもあります。
個人、個人でかなり違うので、治療の方針などはよく相談しながら進めていきたいと思います。