知っておきたい婦人科の知識

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子宮内膜症


 近年非常に増加している病気で、20歳前半にもみられる病気です。
 子宮内膜とは子宮の一番内側にある膜で、生理があるたびに剥がれて血液と一緒に外にでてくる膜のことです。

1)原因

 子宮内膜症の原因はいろいろ言われていますが、わかりやすい説明としては、女性はお腹のなかと卵管が通じているため生理の血液と一緒に子宮内膜がお腹の中へ逆流して、そこであたかも雑草が増えていくのと同じように腹膜や大腸や子宮、卵管、卵巣の周りに子宮内膜が増えていくという説明です。

2)増加の原因

 では何故最近子宮内膜症が増加しているのでしょうか。
 これもいろいろ言われていますが、一番の原因は女性が子供を産む機会が減って、一生の間に生理を迎える回数が増加していることがあります。
 生理の回数が多いということは、子宮内膜がお腹の中に逆流する可能性が高いということです。
 また、このことはずいぶん昔からわかっていたことですが、妊娠することによって子宮内膜症が改善されることがわかっています。妊娠の回数が減少していることも関係していると思われます。

3)診断

 子宮内膜症は、診断的にはお腹の中をみなければ(腹腔鏡などで)最終的な診断はつきません。一般的にはひどい生理痛や腰痛などの症状や医師による診察、子宮内膜症の時に血液中に増加する「CA-125」などを測定して判断します。

4)症状

 子宮内膜症を放っておくと、不妊症の原因になったり、腰痛や下腹痛が生理の時だけではなく、ほかの時期にも続く様になります。また、卵巣に内膜症が広がると(血液がたまって色がちょうどチョコレート色をしているのでチョコレート嚢腫と呼ばれています)ますます周りの組織と癒着して治癒が難しくなります。

5)治療

 一番効果があるのは、女性ホルモン(卵胞ホルモン)を押さえる(下げる)方法です。女性ホルモンが下がると、子宮内膜がふえるのを押さえたり、生理も止まることから、生理痛などで苦しむこともなくなります。
 しかし、この方法の欠点は、擬閉経療法といわれているように、あたかも閉経の時と同じようなホルモンの状態にしてしまいます。そのため、いらいら、頭痛、冷や汗など、更年期の症状と同じような症状がでてしまいます。
 このような症状が強く現れてこの薬が使えない人には、効果は少し劣りますが、いわゆる、ピルを飲んでもらい今度はあたかも妊娠しているような状態(擬妊娠療法)にします。この方法は、女性ホルモンを押さえる薬が登場する前はよく行われていた方法で、妊娠すると子宮内膜症がよくなることを利用した方法です。
 また現在では低容量ピルを使う方法や、黄体ホルモンを使う方法なども多く行われています。
 治療の原則は、閉経の時期まで根気よく治療することです。

 

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