かしこく過ごすマタニティーライフ

○妊婦さんの体重はなぜ増える?

知っておきたい妊娠中の体のメカニズム

 妊娠すると体重が増えますがこれはあたりまえのことです。
 ただ、これには、少し複雑なメカニズムが働いているのです。

 その事について少しお話しましょう。

 まず、脂肪がつきやすくなるのは、胎盤からhPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)という、成長ホルモンに近い種類のホルモンが分泌されるようになるからです。このホルモンは、体内に脂肪を貯える働きを持っているのです。
 昔、食料が乏しかった時代に、母親が栄養を摂れなくても胎児に栄養を供給できるようにと人間に備わった、動物本来の自然な力と言えるでしょう。特に妊娠4~6ヶ月は、もっとも多く脂肪が蓄積されやすいようです。

 また、お産のときの出血に備え、体内の血液の量が、それまでの約1.4倍(約7,000cc)にまで増加します。これも、妊娠によるホルモンの働きで自然に起こることです。

 加えて、増えていく羊水や大きくなる赤ちゃんなど、物理的な理由でも体重は増加していきます。妊婦さんの体重増加は、子宮1kg、胎児3kg、羊水500g、胎盤500g、血液増加分2kg、脂肪分1kgで、合計するとおよそ8kg。個人差もあるので、一般的には10kgぐらいは必要量と考えていいでしょう。ただし、これは妊娠前の体重によっても違ってきます。

  

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