かしこく過ごすマタニティーライフ
- ○妊婦さんの体重はなぜ増える?
- ○妊婦の理想の体重増加量は?
- ○太り過ぎはなぜいけないの?
- ○妊娠中の腹帯について
- ○妊娠中の安定期とは
- ○妊娠中のお酒について
- ○妊娠高血圧症候群について
- ○妊娠と喫煙について
- ○妊娠と貧血について
- ○妊娠中のむくみについて
- ○妊娠中の胎動について
○太りすぎはなぜいけないの?
腰痛がひどくなる妊娠線が出やすくなる
疲れやすくなる
産後、体形・体重が戻りにくい
妊娠糖尿病になりやすい
妊娠高血圧症候群になりやすい
難産になる
腰痛がひどくなる
妊娠の後半期になると、ただでも大きくなったおなかを支えなくてはならないため、腰に負担がかかり、腰痛に苦しむ方が多くなります。
体重が増えすぎてしまうと、余分についた脂肪分や大きくなりすぎた赤ちゃんによって、余計に腰痛が悪化する可能性があります。
妊娠線が出やすくなる
妊娠線とは、妊娠中(特に中・末期、おなかが大きくなってから)皮下組織が断裂し、皮膚にひび割れたように出る線のことで、出産後に残る場合もあります。
おなかがあまり大きくなくても出る方もいますし、おなかがとても大きくなっても出ない方もいて、かなり個人差があります。
特に、短期間に急激に太った場合には、要注意です。
疲れやすくなる
妊娠中は、ただでさえだるく疲れやすいものです。太りすぎてしまうと、体重が増えた分、余計に疲れやすく動きにくくなりがちですが、 それで、一日中だらだら過ごして体内のエネルギーが消費されず、ますます太ってしまうという悪循環は避けたいものです。
産後、体形・体重が戻りにくい
妊娠中に分泌されていた脂肪を蓄積させる働きを持つホルモンは、産後2週間ぐらいのうちに、ほとんど妊娠前の量に戻ります。
ですから、本来は元の体重に戻るはずなのですが、実際には全体の約3割の方は、産後も10Kg以上体重が増えたまま戻らないと言うのが現状です。
その原因に考えられるのは、妊娠中に、必要以上に太り過ぎて体質が変ってしまった場合とか、妊娠中に陥った、悪い食習慣をそのまま引きずってしまうことが考えられ、その悪しき食習慣からさらに太り続ける事も考えられます。
妊娠中こそ、食生活、食習慣には充分に気をつけて、適正体重を維持することが大事です。また、肥満は重大な生活習慣病にもつながりますので、特に注意したいものです。
妊娠糖尿病になりやすい
糖尿病とは、体内の血糖値を下げる、インスリンというホルモンの働きが悪くなることによって起こる病気です。
妊娠すると、体内のホルモンの多くは血糖値を上げる働きをし、インスリンの働きを妨げます。これは、いざという時、例えば食料が不足した場合、妊娠を継続させるために働く体内の自然な作用ですが、このため妊娠中は糖尿病になりやすいと言われます。
特に、体内の脂肪量が増えると、インスリンに抵抗する力が増大します。
糖尿病は、奇形児や巨大児の原因になる危険性もあるので、妊娠前に糖尿病を患ったことのある方や、身内に糖尿病の人がいる場合は、一層のカロリー制限を心がけ、注意が必要です。
妊娠高血圧症候群になりやすい
妊娠高血圧症候群とは、妊娠によって腎臓に負担がかかるために起こる病気です。
いちばんの原因は、塩分の取りすぎと言われていますが、太りすぎの方がかかりやすい事も事実です。
難産になる
お産とは、
①子宮の出口が開こうとする働き、
②胎児が回旋して出ようとする働き、
③それを助ける子宮収縮(陣痛)
と言う3つの働きの相互作用によって進みます。
しかし、太りすぎは、この相互作用に悪影響を及ぼすことになります。
産道に脂肪が付き狭くなるため、回旋異常や、微弱陣痛が起きて、遷延分娩になり、最終的には吸引分娩や、帝王切開に至る危険性もあるのです。
遷延分娩
お産が長引くこと。初産婦で30時間、経産婦で15時間以上たっても生まれない場合をいいます。