──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
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「ゆきだるまくんのひみつ」販売期間終了!
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2021年 春
2021年・夏のおはなし 嘘から出たまこと
明日は、行きたくない会議だ。
このご時世、リモートにすりゃあいいのに・・・
仕事自体、嫌なんだよな〜
俺は、仮病を使って会議を休んだ。
「腹痛がひどくて病院へ行ってきます」
この小さな嘘がとんでもないことになるなんて・・・この時は思いもよらなかった。
会議とはいえ、一応仕事だ。会社から受診した領収証を提出するよう言われた。
仕方なく、俺は近くの内科へ行ってきた。
原因がわからないので(って、当たり前だよな〜、俺、どこも悪くないし)大学病院での検査を勧められた。
二週間後、検査結果を聞きに行った。
原因が分からず、隣の県の大学病院を勧められた。
二週間後、ここでも検査結果は分からなかった。
だから、当然なのに・・・俺はどこも悪くないんだってば・・・!
今度はもっと大きな内科専門病院へ勧められた。
いやいや、俺はどこも悪くないんだけど・・・
ここでも原因がわからないということで、検査入院をすることになった。
通院している間は会社は行かなくてもいいし、給料に響くわけじゃないし・・・
まあ、いいやって思ってたけど、入院となるとちょっと・・・・・・・・
しかし入院して検査しても原因不明。
だから、そもそも俺はどこも悪くないんだが・・・
しかし医者たちは俺の言うことを信じない。
医者は俺に決定的なことを宣告してきた。
「すみません、非情に珍しい事例です。治験に協力していただきます!」
俺は、一生仕事しなくてもいい生活になったが、と同時に病院から出ることもできなくなってしまった。
おしまい