2018年・春のおはなし 「守護神」
偶然、街で見かけたショップで買ったストラップ。
私は引き寄せられるように、鈴付きの猫のストラップに足が向いたの。
いつもなら、買うなんてことないのに、なぜかその日は買ってしまった。
可愛いからいつも一緒にいたくて、かばんにつけました。
しばらくしてから私は、このストラップをつけてから、何度も危険から救われているような気がします。
ある日、信号待ちで青になるのを待っていた時のことです。
信号が変わったので進もうとしたら、何故かストラップが、チリンチリンと音を立てながらカバンから落ちたんです。
私は拾い上げるためにその場にしゃがみ込みました。
その時です。交差点で、自動車と単車が正面衝突事故を起こしたのです。
あのまま進んでいたら、私は間に挟まれていたかもしれません。
忘れたころ、また不思議な出来事がありました。
私は出勤のために出かけたのですが、猫のストラップをカバンにつけていないことに気がつき、家に戻ったんです。
電車の時間には間に合わないかもしれないけど、猫のストラップはやっぱりつけておきたい!
その気持ちの方が強くて家に戻りました。
家に戻ってびっくりです。
なんと、カギをかけずに家を出ていたのでした。
また、しばらくして猫のストラップに救われたことが起こりました。
猫の首についていた鈴が取れてしまい、私は新しくつけてあげようと思い、雑貨店に立ち寄ろうとしたときです。
ニャ〜って鳴き声がしたんです。
? ? ? どこにも猫の姿はない。でも確かに聞こえたんです。
えっ、もしかしてこのストラップ? そんなバカな・・・
と思いながら、カバンを肩にかけ直した時です。
猛スピードで走ってきた軽自動車が曲がり切れずお店にぶつかって、ドアを突き破って止まったのです。
あの時、鳴き声に気を取られていなかったら、私はお店に入っていたところでした。
その後も、私は危険から救われるようなことが続いています。
これは偶然の出来事なのか、なんなのか未だに分かっていませんが、守護神は本当に存在しているのかもしれません。
おしまい
──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
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