──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
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「ゆきだるまくんのひみつ」販売期間終了!
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2022年・春のおはなし 闇・・・電・・・車
今、あなたが乗車している電車は、本当に大丈夫ですか?
何がって?
その電車、現実の世界の電車ですか?って事ですよ。
あなたは電車の中で眠ったことありますよね?
誰だって眠ってしまった経験はあると思います。目が覚めた時、いつもと違う違和感を感じたことってありませんか?
思い過ごし? 勘違い? 本当にそうでしょうか?
長い車両編成の電車では、ある駅から別れて進むことってよくありますが、誤って闇電車に乗ってしまっては大変です。
新入社員のAさんは、その日慣れない勤務ですっかり遅くなり、とても疲れていてつい電車の中で眠ってしまったのです。
闇電車だとは知らずに・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どれくらい眠ったでしょうか、目が覚めた時自分だけしかいないことに違和感を覚えました。
Aさん宅の最寄り駅は終着駅。
だから眠っていても乗り過ごすことはありません。
しかしその日は違ったのです。終着駅の先にあるはずのない線路が見えたのです。
電車は、駅なのに停車することもなく、ドアが開くこともなくそのまま通過したのです。
Aさんは、この電車がおかしいことに気が付きました。
車掌さんがいません。運転席には誰もいません。運転手がいないのです。
電車はどんどん進んでいきます。夜だからなのか、灯りのない外は真っ暗で窓から見える景色は漆黒の闇です。
Aさんは焦りました。いったい何処へ向かっているのか・・・
喉の渇きを感じたAさんは席について、鞄から飲みかけのペットボトルのお茶を出しました。
Aさんがお茶を飲もうとした時です。何人、いや何十人もの人がAさんのところに詰め寄ってきたのです。
今まで人なんかいなかったのに、この人達は何なの?
その人達は見る見る間に、骸骨へと変わって行きました。
Aさんは恐怖のあまりその場で気を失ってしまいました。
次にAさんが目を覚ましたのは駅のベンチでした。もう朝でした。
Aさんは急いで自宅へ帰りました。
家に戻ってから飲みかけのペットボトルのお茶がない事に気が付きました。
でも、そんなことはどうでもいい。あの恐怖は絶対忘れられません。
このことがあってから、Aさんは電車で眠ることができなくなったのです。
皆さん、闇電車にはお気を付けください。
次なるターゲットはあなたかも知れません。
おしまい