──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
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2021年・春のおはなし 断・捨・離
私はとても奇麗好き。
無駄の物、いらないものはどんどん処分して、スッキリした部屋にしたいの。
私は彼氏と二人暮らしなんですが、彼がすぐに散らかすのが悩みの種。
ある日、またお酒に酔った彼が、汚れた服を脱ぎ散らかしてお風呂にも入らず、ソファーで寝たのです。
テーブルに足を乗せて、もう本当にあきれます。
私はテーブルの上に大切な自分の仕事の書類を置いていたので、片づけなくちゃって思っていたのですが、時すでに遅し。
テーブルに乗せていた彼の足が動いたひょうしに、その書類が破れててしまったのです。
慌てて、彼を起こしたのですが、酔っていた彼は事もあろうにその書類を、わめきながらびりびりに破いたのです。
そして、そのまままた眠ってしまったのです。
私はこの時、頭の中で何かがキレた音がしました。 「ブチッ!」
私の大切な物を壊されたんだ。もう彼とはやっていけない。
彼が眠っている間に、私は彼の物をどんどんゴミ箱へぶち込みました。
目覚めた彼は、相当怒っていましたが、私の大切な仕事の書類を破いたのが元々の原因だったためか、すぐに大人しくなりましたが、
私には謝罪の一言もありませんでした。
大切な仕事の契約書類でした。お客様と少しずつ信頼関係を築き、やっと契約できた書類でした。
明日、上司に提出するために、整理をしようとしていた書類だったのに・・・・・・・・・
ただすねているだけの彼に、私はまた、頭の中で何かがキレた音がしました。「バキッ!」
私は、彼の荷物を彼の実家へ全部送りました。
私も自分の荷物を片づけて新しいマンションに引っ越す準備をしました。
私は、彼に置手紙を残しました。
「片づけられないあなたとは、もうやっていけません。あなたの荷物はご実家へ全て送らせていただきました。
大切な私の仕事の書類を破いても、謝罪一つないあなたとはもうお別れです。
あなたを断・捨・離します。」
おしまい