2009年・秋のおはなし じゃんけんむすめ
ねぇねぇ、じゃんけんむすめって知ってる？
なぁんだ、知らないんだ。じゃ、教えたげる。
あなたは、放課後遅くまで学校に残ってたことってある？
夕方、薄暗くなりかけた、ちょうど今ごろ。
ふと、運動場の片すみにいつの間にか、小学３年生くらいの女の子が一人で遊んでることがあるの。
その子と目が会ったら、その子は言うの。
「じゃんけんしよう！」
って。
じゃんけんなんてしたくないなって、思っていても手が勝手に動いちゃうの。
でね、その子はじゃんけんに勝つまでやめないの。
それで、じゃんけんむすめに負けてしまうと、たましいが入れ替わっちゃうんだって・・・・・
むかしむかし、この学校の生徒で、放課後一人で遊んでた女の子が、変質者に
「じゃんけんしよう」
って誘われて、殺されてしまったらしいの。その子が今でもさまよってるらしいのよ。
･･･････････････････････････････････････････････
うふふ、じゃんけんしましょ
「じゃんけんぽん あいこでしょ じゃんけん○○？？？」
うふふ、私の勝ちね。うふふ
･･･････････････････････････････・・・・・・・・・・・・・・・
これでやっと私は、元の人間に戻れたわ。
───────入れ替わってしまったそこのあなた───────
早く次の人を見つけて、じゃんけんをして勝たないと、いつまでたってもここから抜け出せないわよ。
おしまい
──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
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