絵本の扉

2015年・冬のおはなし　　　　　　　　　　　　　　　　　「小さなクリスマス」

小さな、あなぐらにねずみ一家がすんでいました。

さいきん、外にいる、人間たちがとてもさわがしくしているので、子ねずみはお母さんねずみにきいてみました。
「ねぇ、お母さん、どうして人間たちはあんなにいそがしくしているの？」

するとお母さんねずみはこう答えてくれました。
「うふふ、人間たちはクリスマスのじゅんびを始めたのね。」

「クリスマス？」
「そうよ、人間たちは12月になると、かみさまのおたんじょう日を祝うためにじゅんびをするのよ。」

「で、どんなことするの？」
「ツリーに色々なかざりをかざったり、ごちそうをつくっておいわいのパーティをするのよ。」

「へぇー、たのしそうだなぁ～・・・
ねぇ、お母さん、ぼくたちもやってみようよ！」

ほかの子ねずみも、みんな言いました。
「クリスマスパーティー、しようしよう！」

「そうね。わたしたちもパーティーしましよう。」

みんなは、今まで町であつめてきたものをたしかめてみました。

木のえだ、赤い木の実、黄色の木の実、チーズ、パンくず、ミルク・・・

たくさんの材料がそろっています。

お父さんねずみと子ねずみたちは木のえだを、形よくととのえて、　クリスマスツリーをつくりました。

お母さんねずみは、チーズとパンくずをこまかく切ってからミルクを入れてこねました。
これをこんがりやくと、とてもいいにおいがしてきました。
チーズケーキのできあがりです。

やき上がったチーズケーキに木の実をかざって、クリスマスケーキにはや変わり。

お父さんねずみは、いざかやでお酒をもらってきました。子ねずみたちにはあまいジュースをもらってきました。

さぁ、今夜はごちそうです。

みんなそろって、ねずみ一家の小さなクリスマスパーティーの始まりです。

「メリー・クリスマス」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい