2017年・冬のおはなし 「サンタさんにプレゼント」
それは、クリスマスの夜のことでした。
クリスマスパーティをしてたのしい夜ををすごした、あるおうちのおはなしです。
よるもおそくなり、子どもたちは、サンタさんからもらったプレゼントをかかえて、それぞれじぶんのベッドのもどりました。
「おやすみなさい」
しばらくすると家の外から
「ぐー、ぐー、ぐー」
とヘンな音がきこえてきました。
こわくなった子どもたちは、ベッドからおりてパパとママのところへ行きました。
「ねえ、パパ、ママ。家の外でなにかヘンな音がしているよ!」
どろぼうかしら?パパとママはおそるおそる、げんかんのドアをあけました。
あらまぁ、ビックリ!
そりゃぁ、ビックリしますよ。だってサンタさんが、げんかんの前で、ソリにのったままねむってるんですから。
よこにいるトナカイさんも、ぐっすりねむっています。
きっと、つかれたのでしょうね。
だって、クリスマスですもの、サンタさんはよい子にプレゼントをくばるのでおおいそがしですものね。
あらあら、サンタさん。こんなところでねむっていては、かぜをひいてしまいますよ。
ビックリしたのは、ここのおうちの人だけではありません。
おこされた、サンタさんもトナカイさんもビックリです。
「こんなところでねむってしまっていたなんて・・・いや、もうしわけない・・・プレゼントのはいたつは、もう終わっているんです。
では、しつれいします。」
と、立ち上がろうとしたサンタさんでしたが、おなかがグーっとなってしまいました。
「サンタさん、今夜はうちで休んでくださいな。」
パパとママと子どもたちみんなにそう言われて、サンタさんは休ませてもらうことにしました。
あさはやく、まだ、こどもたちがおきないうちに、サンタさんはしゅっぱつです。
「パパさん、ママさん。休ませてもらったおかげで、すっかりげんきになりました。
すてきなプレゼントでした。どうもありがとう!」
こどもたちに、そっとわかれをつげて、トナカイといっしょに出かけて行きました。
おしまい
──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。