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日本には二種類のクマがいる。北海道にいるヒグマと本州、四国、九州(絶滅?)にいるツキノワグマである。体格はヒグマの方がツキノワグマより一回り大きく、気性も荒い。春先から初夏にかけて子グマをつれているメスは子クマを守ろうとする本能から気性が荒くなる。

ツキノワグマは雑食性だが、主に植物を食べる。秋にはドングリを食べ、脂肪を蓄え、冬の備えとする。冬は冬眠し、翌春は前年のドングリや山菜などを食べる。この時期は人間も山菜取りで山に入ることが多くなるのでツキノワグマと出くわしやすい。お互いに山菜取りに夢中になって出会いがしらに衝突し、襲われることになる。クマはタケノコ、フキノトウ、ウド・シシウドなどセリ科草本、アザミ、テンナンショウ、ウワバミソウなどを食べる。初夏にはキイチゴ類やヤマグワ、グミ、秋にはサルナシ、ヤマブドウ、アケビなど人と競合するものを食べる。動物の死骸やアリやハチなども食べる。ツキノワグマの体毛は黒く、首下の胸に白い三日月型の模様(無い個体もいる)がある。全長100〜150cm、体重は季節による変動も大きいが40〜120kg程度で、クマ類の中では比較的小型の種類である。相対的にオスのほうが大型になる。縄張りはないので食べ物が豊富な場所ではクマの生息密度も高くなる。通常12月頃から4月頃まで冬眠する。ツキノワグマは開放的な空間を嫌う傾向があり、畑などに出没する場合も藪など隠れやすい場所を通って近づく。

ツキノワグマは本来臆病な動物で人間を怖がる。また、クマはにおいや音に敏感で人間が気づく前にクマの方が人間の存在に気づいて逃げていくのが普通だが、春先の山菜シーズンはクマも腹をすかしているので夢中に食べ、人間に気づくのが遅れるのか、あるいは人間がいても動じないのかもしれない。人間でも空腹時はイラつくくらいだからクマも同じなのだろう。こうしたときに出会いがしらに衝突するとクマが驚いて襲ってくる。また子育て時期はその本能から母グマは子グマを守ろうとして襲ってくる。

万が一クマと遭遇した場合、クマは逃げるものを追うという習性があるので安全な場所にすぐに到達できる場合を除いては走って逃げない方がよい。遠くにいる場合はクマに人間の存在を気づかせながら落ち着いてその場を離れる。威嚇された場合も同様だ。出会いがしらの場合は手持ちのナタやクマ撃退スプレーなどで反撃しながらその場から遠ざかる。クマの弱点は鼻面だから鼻や目をめがけて反撃するとよい。が、クマの前足の一撃は顔をそがれるくらい強力なものだからきっと反撃するにも度胸がいることだろう。もし子グマが目に入った場合は不用意に近づかないようにする。近くには母グマがいて、異変に気づけば間違いなく襲ってくる。

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ヒグマは雑食性でツキノワグマと生態的に似てはいるが、ツキノワグマに比べればはるかに強暴で、肉食性も強く、日本国内では最も恐るべき動物である。ヒグマに対する基本的な対応はツキノワグマと同じだ。しかし、体が大きく凶暴なのでツキノワグマ以上に出会わない対策を講じるのがよいだろう。ヒグマの体長はオスで76〜230cm、メスで87〜160cm。出合うクマは平均的にメスの方が大きめらしい。体重はオスで平均130キロ、メスで110キロ。ヒグマで実際に体重を計った最大のものは390キロもあったそうだ。

ツキノワグマには何度か出合ったことはあるが、ヒグマと出合ったことはまだない。アメリカのウィルダネスエリアでは、キャンプ時食料はロープを使って木に吊るす。これは自分がクマに襲われないようにするためであると同時に、あとからこの地を訪れる人がクマに襲われないようにするための厳格なルールだ。不幸にしてクマと出合ったときは体を大きく見せながら、騒がず、クマに語りかけるように後ずさりしてその場を離れるるのがよいと何かの本に書いてあったが、ヒグマには出合ったことがないのでその効果のほどはわからない。一般的に動物は北に行くほど体が大きくなる。シロクマの大きさは尋常ではない。ヒグマには手を挙げて振りながら語りかけると言うものもあった。いずれにしても体を大きく見せる工夫だろう。

クマは木に登るのが上手だから木に登るというのは現実的ではないし、走るのも時速50キロくらいで走ることができるから逃げてもすぐに追いつかれる。語りかけながら後ずさりして離れるのがよいようだが、腹をすかせたクマだったらアウトだなと思う。グリズリーにはこれが通用するらしいが、おそらくシロクマ(ホッキョクグマ)には通用しないだろう。ヤツはクマの中でももっとも大きくて凶暴なクマで、人間を餌としか思わない動物だから。ヒグマやシロクマに関わらず、クマにはやはり合わないような手立てを講じるのがベストなのだろう。

ヒグマと事件(他サイトへつながります)

本:小説 「羆嵐」吉村昭著

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