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氷雪テクニック

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山と渓谷社発行の自著「氷雪テクニック」を書いているときは、山を登り始めたときにしっかり勉強したわけではないし、これと同様の内容を扱った参考にできる本が日本にはなく、自分が経験上必要に迫られて使っているこれらの技術を、どういうふうに表現したらいいのだろうか、と考えることから始めることが多かった。そのせいか、原稿を書いていても気が乗らず、いやになってしまうこともたびたびあった。その上、どう考えても『これは売れ筋の本とは違うなあ』という感覚が気持ちをいっそう暗くさせた。そのため、「氷雪テクニック」ができあがった当初は、この本を見るのさえいやになってしまったほどである。

しかし、出版されて一年以上たってから、何となくこの本を手に取り、読み返してみたところ、自分の経験を通して書き起こしたせいもあってか『けっこうよくできている本だな』という思いがした。もちろんこれは第三者的な立場で読んだ素直な感想である。何より技術的な表現をするのがけっこうたいへんだったのだが、そこで紹介したいくつかの言葉は現在普通に使われるようになっており、もちろん批判もあるが、技術書を書いた効果は確かにあったように思う。

この本を書いて思ったのは、人が作ったものを批評するのは易しいが、批評される対象となるものを作り出すのはとても難しいということである。そして批評できるものがあれば、そこからまた考えをあれこれ巡らし、発展させることができるということである。

この本が出来上がったのち、幾人かの方からこの本を参考にして山登りをしているという励ましの言葉を受け、実際に書いたことが役立っているんだなと思うと嬉しかったし、書いてよかったんだなとも思ったものである。本当は、この本に読み物をたくさん書きたかったのだが、値段とページ数の関係で、氷雪登山や登攀用具の変遷ぐらいしか載せることができなくなった。それでもこの本の文章を読んでアルパインクライミングに興味を持ち、さらに別の本を読んでみたという言葉をいただいたこともある。それを聞き、これから登山を始めるに当たってどんな本を読んだらよいのか「氷雪テクニック」に挙げておけばよかったかなと思ったが、後の祭りであった。もし、そんな人がほかにいたら、このホームページの文章がいくらかでも参考になるかもしれない。

 

これまでの30年近い登山を振り返ると、最先端をいく厳しいアルパインクライミングを行い続けながら今もなお生き続けていることは、身近に起きたあまりにも多い山での死を思い起こすと、長生きしていることそれ自体が価値あることのように思えてくる。実は今でも現役のアルパインクライマーなのだが、ときどき生きている化石にも等しいような言葉を耳にすることがある。しかし、そんな危なっかしい登山を行った人間を陰で支え続けてきたのが、あらゆる場面で使いこなしてきた僕の登山技術なのだから、それほど悪いものではないだろう。少なくとも、この本が発行されるまでは、ここに書いた技術を使って登っているのだし、これらの技術であわやという場面を何度も脱したことがあるのだから。もし、この本が発行されるまでにどんな登山をしていたか知りたければ、国内の登山記録海外の登山記録をクリックしてみればたちどころにわかるはずだ。

こう言えば言い過ぎになるかもしれないが、日々変わっていく登山技術の中でも、自分にあった最先端の登山技術を取り入れつつ今日まで登り続けているので、せっかく書いたこの本をもう一度見直し、もっとよいものに書き直してみようと思っている。自著を大切に使ってくれている数少ない読者であり、登山者でもある方々のためにもそうしたい。「氷雪テクニック」の数少ない読み物の中に書いたように、山の道具の発展が登山の質を変え、困難なルートに挑戦する環境を作り出し、困難なルートに対する挑戦がまた新たな道具を生むことは事実である。

この例に値する最近の流れを示せば、シャルレのパルサーというアイスアックスが出現して以来氷壁の登り方が変わったばかりか、その登り方がアイスクライミングからミックス璧にも応用され、ドライツーリングの発達とともに、シャルレのクォークを生み、クォークの登場はフッキングの安定感を不動のものとし、アルパインクライミングの世界ではさらに劇的な変化を生んだ。さらにアイスクライミング競技の開催が軽さへの要求を突きつけ、シャルレのノッミクを生んだ。

今はこうした性能を持つ道具が5000〜8000メートルの高所で行われるアルパインスタイルの登攀に威力を発揮し始めて久しい。僕はそう思う。アイスクライミングはフリークライミングの素養がなければ思い切った登攀ができないが、最早それを疑うものは誰もいないだろう。山岳が持ついちばんの弱点を攻める技術ともいえるアイスクライミングの登り方が長足の進歩を遂げ、その技術がミックス壁に応用されている以上、アルパインクライミングの登り方そのものも変化せざるをえない。このページではさまざまな場面で必要になる登山技術を考えてみたい。

登山技術や登攀技術は、いい道具を作る人とそれを使いこなす人の発想が混ざり合ってできる。登山技術や登攀技術には確かにいい悪いがあるが、どれがいい、どれが悪いと決め付けるべきものでもない。それは必要な状況であれば普段はだめとされていることでもやってみなければならないものである。そうしなければ登れないことがあるし、命を失うこともある。そうやって何通りもの技術が開発されるが、与えられた状況で適切な技術を選択するのは難しい。もし技術の選択を誤れば自分か自分の周りの人に累が及ぶ。そして、運がよければそれらのことについて反省できるが、運がわるければそのまま一生を終える。ただそれだけのことである。単純だがそれが山の掟だ。山で生き抜くためにはそんなところをしっかり押さえ、それについて考えておかなければならない。

「氷雪テクニック」山と渓谷社刊 ISBN4−635-04189-1 C-0375 \1456  もはや絶版状態です。中古本で¥4500もしていましたが、最近ようやく適正価格に落ち着いてきています。実はこの夏、出版社にわずかに残っていた在庫が、構造改革に伴う再販制度の弾力的運用による安売り圧力によって、バーゲンセールに出されたので新本在庫は本当になくなってしまい、現在市場に出回っている分しかありません。買うなら今がチャンスですが、お買いあげ下さり、ご利用いただいた方には心より御礼申し上げます。

[PDF] ― 1 ( )別ウィンドウ表示  技術書ぽいものがあった。あとで読んでみようと思ってここに残しておく

木本哲プロフィール(「白夜の大岩壁・オルカ初登頂」のページから)……公開を取りやめています
僕のビッグ・ウォール・クライミング小史……公開を取りやめています
「目次」を参照してください
しぶとい山ヤになるために=山岳雑誌「岳人」に好評連載中……登山開始から山学同志会在籍一年目までの山行で学んだこと感じたこと
自己紹介(木本哲登山および登攀歴)……山学同志会在籍一年目に培った技術を基礎として実行した初登攀〜第3登を中心にまとめた
Satoshi Kimoto's World(木本哲の登攀と登山の世界)……海外の山もさまざまなところへ登りに出かけました

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