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「自分の山、自分の岩を持つといいですよ」というのは僕がクライアントによくいう言葉だ。実際、自分自身の今の技術や体力がすぐに分かるような自前の山や岩を持つことは非常に有意義なことだ。だって、体調なんていつも変わるものだし、山は何らかの理由で長期間ご無沙汰になることがある。だから、今どれだけの力があるのか的確に測ることができる山や岩があればこれほどいいことはないのだ。そこに出かけていっただけで自分の技術や体力ばかりか自分の気持ちまでも分かる山や岩があれば何かの拍子に迷ったときは一度そこに出かけてみるといい。

人間というのは他人に対してはけっこう嘘をつくものだけど、人間ではなく、自然に対して嘘をつく人がいるとは思えない。そもそも自然に対して嘘をつくような人間なら山に行ってもほかの人とパーティーなど組めないだろうし、またそんな人間なら、僕なら何らかの理由でたとえ一度はパーティーを組んだとしても次は絶対に組むことはないだろう。だってそんな人と組んで登っても決して面白くはないもの。面白くはない山登りなどする意味がないし、してもしようがないと思ってしまう。そんな理由から僕は自分自身に自分自身をさらけ出すことができる山や岩を持つのは非常に大切なことだと思っているのである。

僕の最初の自分の山は筑波山だった。奥多摩や丹沢に比べるとはるかに低山だけど、家から奥多摩や丹沢に出かけるよりはるかに近かったし、そもそも低山が嫌いなわけではないのだ。むしろ北アルプスや南アルプスの三千メートル峰に出かけるよりははるかに手ごろでしっかり遊べ、楽しめるのだから、そこまで出かけていく必要がないのである。幸いなことにこの山には岩場があったし、その当時はまだその岩を攀じ登ることができたのだ。

筑波山は千年の歴史がある「源氏物語」よりはるかに古い歴史があるし、低山だけど頂上からの景色は案外いい。歩行時間も一時間から二時間もあればお釣りがくる。ゆっくり休んでも登山口と山頂を二往復できる余裕がある山である。そんな山を丹沢に置き換えたら大山や塔ノ岳ということになるのかもしれない。おそらくそれは奥多摩で言えば大岳山や川乗山や御前山や三頭山ということになるだろう。もちろん高水三山や戸倉三山でもいい。

これらの山の中で、僕にとっていちばんなじみがあるのは大岳山だ。そこから派生する尾根の一角にある越沢バットレスにはよく通ったものだし、その前衛の大塚山や御岳山にもよく登った。時には天狗岩やつづら岩にも行ったし、日の出山にも行った。日の出山北稜やサルギ尾根は僕の好きな尾根だし、大岳山というのは青梅線の奥多摩駅から日向和田駅までの各駅が利用できるし、武蔵五日市駅だって利用できるから駅から駅へという登山ができる。バスを使わずに登れる山というのは案外便利なものだ。そんなわけでこの欄で紹介する第一の山は大岳山にする。

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自分の山を持つ魅力はどこにあるのかといえば、地図など使わずとも自分の位置がすぐに分かることかもしれない。そんな場所でじっくり登山をすることによってやがて現在の自分の力というものが客観的に見えてくる。それは何らかの理由で何日か、あるいは何ヶ月か何年かブランクがあったとしても実に客観的に自分の技術や体力や精神状態がわかってしまう。それだけに便利な山なのである。

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近場の低山の魅力や楽しみは、頂上に立つことより、頂上に至るあらゆるコースをトレースすることにあるのかもしれない。というのは、同じ山に何度も出かけていると、さすがに山の素性がわかってきて、親近感が湧くと同時に、今度はちょっと違ったコースから、あるいは違った時期に登ってみようという気持ちが自然に芽生えてくるからである。力がついてくると同じコースでは飽き足らなくなるということも確かにあるのだろうが、コースを熟知することによって心に余裕ができ、視野が少し広くなることが実に大きい。幸いなことに、低山は植林や山葵田などとの関わりが深く、山中のいたるところに仕事道があるのが普通であるから、これをうまく利用すれば自分だけのオリジナリティ豊かな登山道を作ることもできる。上空に送電線が通っているところでは送電線の巡視路があり、それを登山道として利用することもできる。ちょっと変わったコースに行ってみようという思いが湧いたら、その前に知り尽くした山道を地形図を使ってよく調べ、地図なしでトレースしてみるのもいい。もちろん淡々と歩くのではなく頭に描いた地形図を頼りに歩くのだ。そんな行動からはまた違った山が見えてくる。

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奥多摩や奥秩父の山々は秩父多摩甲斐国立公園に属す。この国立公園は豊かな森林が持つ美しさそのものが売り物となっている。でも、案外植林地が多い。しかし、東京の都心ばかりか首都圏から近いだけあって、奥多摩や奥秩父の山々には年間を通して多くの登山者が訪れる。しかし、東京近郊の低山という意識が働きすぎて油断するのか、比較的遭難事故が多い山塊である。

実は、この山塊は、主稜線はいたってなだらかなのだが、尾根筋は豊かな木々に覆われて視界が利かず、そのうえいったん主稜線を外れると尾根の両側の斜面はけっこう急峻で、谷は意外に深い。だから、実は、この山塊は登山道のどこで滑落しても不思議ではないところばかりで、いったん谷に滑落したらどこで遭難したのかなかなか見当がつかない地域なのである。でも事故が起き易い場所はいくつかあり、事故と聞くと最初にそういった場所が思い浮かぶ。地形的な条件が大きく影響しているのか、一度道を誤るとなかなか迷路から抜け出せないというのが現実のようだ。でも、迷路から抜け出せないのは地形図を使えないからじゃない。間違ったと思ったときに今来た道を戻らないからだ。もし、道に迷ったと思ったら脇道から抜けようなどとは思わず今進んで来た道を忠実に戻ることが大切だ。

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奥多摩や奥秩父の山は東京近郊の低山というイメージがあるかもしれないが、決して低山と侮らず、しっかりした装備と体調で臨む必要がある。地形図とコンパスは必携だが、使い方を熟知している者は少ないどころか、駅前やバスの中でもらった概念図が描かれたパンフレットを片手に山道を登ってきては、頂上はどちらへ行ったらいいのでしょうか、と問う者がいる始末なのである。これでは遭難事故が起きない方が不思議で、起きて当たり前の状況だろう。

奥多摩や奥秩父は山塊が古いだけに稜線の木々より谷の木々の方がきれいにみえる。また、沢は長期にわたって水流に磨かれ、滑床が多く、なかなか魅力的だ。中間の滑滝とツメに現れる苔の絨毯は奥秩父を代表する渓相だが、沢登りを楽しむためにはもちろんしっかりした登山技術がなければならない。そうでなければ、入谷は大きな危険を伴う。山登りを楽しむにはそれなりの体力と知識と登山・登攀技術が必要になる。

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Satoshi Kimoto's World(木本哲の登攀と登山の世界)……海外の山もさまざまなところへ登りに出かけました
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