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警報フェロモンと餌場マークフェロモン

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スズメバチが巣に近づいた人を集団で襲うのは彼女らが持っている防衛本能で、それは巣の近くでなければまず機能することはない。スズメバチは巣を敵から守る手段として警報フェロモンによる情報伝達を行うガ、警報フェロモンは香りの組み合わせで警戒情報の伝達を行うシステムであり、それぞれの種ごとに異なっている。

一般的に、スズメバチは人などの大型動物が巣から5〜10mほどの距離に近づいてくると、その動きや振動をキャッチして、偵察バチを送る。最初はこれら2、3頭の偵察バチが近づいてきて、動物に纏わり付くように飛びながらアゴを咬み合わせて「キチッ、キチッ」と音を立てて威嚇する。この段階ではいきなり攻撃を始めることはない。スズメバチも、やはりなるべくなら攻撃などせず、体力を温存して楽をしたいと考えるのである。彼女らの仕事は攻撃ではなく養育なのだから餌集めに専念したいというのが本当なのだ。だからこそ、まずは「それ以上巣に近づくなよ」というサインを送ってくるのである。

この時、静かに後ずさりして、今来た道を戻ればよいが、それ以上巣に近づいたり偵察バチを追い払ったりすると、さすがに温厚なスズメバチも堪忍袋の緒が切れていきなり攻撃モードに切り替わる。これ以後は、刺すわ、毒液を飛ばすわの大乱闘になってしまう。この毒液の中には、毒の成分とともに、「敵が縄張りに入ってきたから全員で力をあわせて追い出さなきゃならないぞ」と言う合図を仲間に知らせる「警報フェロモン」という物質が含まれている。この物質が揮発して空中をただよって巣に届くと、大量の働きバチが、巣から飛び出してきて攻撃に加わるのだ。こうなっては多勢に無勢で僕たち人間でさえひとたまりもない。敵に加勢がきたらとにかくここは逃げ出すしか手がない。これはまた、警報フェロモンが巣に届く範囲から逃げ出せば何とかなるということでもある。スズメバチの中では最大のオオスズメバチが相手なら迷わず一刻も早く巣から遠ざかる選択をすべきである。

面白いことに、ミツバチの中でもトウヨウミツバチの亜種に当たる二ホンミツバチはオオスズメバチの弱点を知っていて、偵察バチが発する餌場マークフェロモンを察知すると、オオスズメバチを巣に引き寄せて大勢で囲い込んでミツバチ団子を作り、「布団蒸し殺法」で殺してしまう。このとき二ホンミツバチは警報フェロモンを発するようで、これガ集まって球を作れという合図になり、蜂球を作るらしい。これによってミツバチが作った球の中の温度は48℃にもなるのだという。オオスズメバチの上限致死温度が44〜46℃で、ニホンミツバチは48〜50℃である。このわずかな温度差を利用して、球の中のオオスズメバチを蒸し殺してしまうのだ。ここに餌があるという情報を発するオオスズメバチをやっつければ二ホンミツバチは自分たちの巣を守ることができるが、集団で襲われたらどうにもならないことを知っているらしく、早めに手を打つのである。二ホンミツバチが持つこの防衛能力はセイヨウミツバチにはないので、相手がセイヨウミツバチの場合はたいがい全滅する。4万頭もいるセイヨウミツバチが数十頭のオオスズメバチに全滅させられてしまうのだ。ということはみなしごハッチは二ホンミツバチかトウヨウミツバチということだな。

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