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新会長
2007年1月23日に臨時総会が開かれ、社団法人日本山岳ガイド協会の会長に谷垣禎一（たにがきさだかず）氏が選出された。
フォト＆エッセイ目次へ衆議院議員でもある谷垣禎一新会長の登山歴を見るとけっこういろんなルートに登っている。さすがに、橋本龍太郎前会長よりは登っていると思う、と言っていただけのことは確かにある。その中からいくつかの山行を紹介すると、剱岳〜薬師岳〜双六岳〜槍ヶ岳〜南岳〜横尾という記録があるし、青薙山〜笊ヶ岳〜転付峠〜白根三山という記録がある。また毛勝三山〜剱岳という記録や積雪期の剱岳赤谷尾根という記録もある。三つ峠岩登り訓練という記録もあれば剱岳熊ノ岩定着岩登りという記録も見える。大常木谷の遡行記録もあるから職能範囲の狭いガイドよりよほど広範囲に山を登っていることは間違いない。趣味が登山とサイクリングというだけあって山が本当に好きなようだし、はたから見ていてもそう感じる。会長としてふさわしい人選であったと思うのは僕だけではないだろう。
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国立公園を管轄する環境省所管の公益法人社団法人日本山岳ガイド協会は、社団法人日本山岳ガイド協会設立者でもあり首相経験者でもある橋本龍太郎前会長の遺志を受け継ぎ、自然溢れる里山や安易に人を寄せ付けない厳しい自然環境に分け入りたいと考えているクライアントが安心して依頼することができるガイドの創出に尽力するとともに、すでに自然ガイドや山岳ガイドとして活動している人間のクライアントに対する安全管理技術や登山技術のいっそうのレベルアップを図るシステムを構築するよう鋭意努力している国内唯一の社団法人格を持つ山岳ガイド組織である。現在社団法人日本山岳ガイド協会の認定ガイドはそのガイド技術に応じて職能範囲が定められており、またガイド資格取得後も３年ごとの更新研修によってガイド技術の維持・向上を図っている。しかしながら、以前から存在した二つのガイド組織の統合合併を受け、今はまだ同じガイド資格を持っていてもガイドによって登山技術や登攀技術にばらつきがあるのが現実だ。しかし、社団法人日本山岳ガイド協会は自然ガイドマニュアルや山岳ガイドマニュアルの構築、出版、あるいは更新研修の改革や自然ガイド・山岳ガイドの養成システムの確立によりガイド間の技術的・体力的なばらつきを解消する方向で努力している最中である。今後とも新会長の下でさまざまな課題を解決・克服し、よりよいガイドとガイド組織ができあがるよう努力することが必要だと僕自身も感じている。懸案だったある登山ルートや登攀ルートにガイドがクライアントを何人まで連れていくことができるのか、あるいはガイド１人がクライアントを何人まで面倒を見ることができるのかという割合であるガイドレシオはまもなく開示され、試行されるだろう。一つひとつ山積する問題を解決し、社団法人日本山岳ガイド協会所属ガイドのステイタスを確立しさらに向上していくことこそがクライアントの身の安全をも保障することになると信じて疑わない。新会長の就任とともにここにきて改革が急ピッチになってきたのは喜ばしいことである。
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