Explorer Spirit 木本哲の世界 雑記帳 植物 アルパインクライマー アルパインガイド Satoshi Kimoto's World
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植物
Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
植物は年に二回紅葉する。一つはすぐに思い浮かぶ秋の紅葉だ。秋の紅葉は、それまで緑濃かった葉が冷気に反応し、赤や黄色や茶色に変色する。彩りは華やかだが、何か物悲しさがある。透き通った光の中で、今にもはがれ落ちそうな木の葉に、散りゆくものが持つもののあわれを感じてしまうからだろうか。それともあの真紅の輝きに命の尊さを感じるからだろうか。紅葉に日が射せば色はいっそう鮮やかになる。朝日や夕日に輝く紅葉もまた美しい。
もう一つの紅葉は膨らんだ木の芽とほころび始めた若葉が織り成す芽吹きのときに見せる春の紅葉である。秋の紅葉は自分が持てる力をすべて出し切って彩を添える。そこにはある種の悲壮感が漂うが、春の紅葉に悲壮感はない。溢れんばかりの強まり始めた日差しの中に心がうきうきする躍動感がある。植物たちのそんな生を見つめ、植物の一生を楽しむのも悪くはない。登山にはそんな楽しみ方がある。
しかし、彼らの一生はへたをすれば人間よりはるかに長い。50年100年どころか1000年、2000年という齢さえざらにある。30年もすれば木にも風格が出てくる。50年、100年たてば周りの木々を圧して存在感が生まれる。厳しい条件、厳しい場所で育った植物の風格は人間よりはるかにどっしりとした落ち着きと重みを持っているように見える。そんな木々を見ながら自分の人生を省みるのもいいかもしれない。
クヌギやカツラ、ブナ、スギやヒノキなどの巨木には歳月を経た輝きがある。そんな木々を見上げていると年を経た自分にこんな重量感がそなわるだろうかと思ってしまう。
チングルマ クワガタソウ マルバタケブキ カタクリ 不老不死 ウォレマイパイン
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