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氷雪テクニック
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「氷雪テクニック Snow & Ice Climbing ▲ヤマケイ登山学校19 木本 哲著 山と渓谷社刊」
冬壁メインの内容であるが、生活技術や装備に関しても細かな記述があり、ともすれば間違った解釈や中途半端な経験者の教えによる間違った装備の選び方を正す程内容が濃い。確保はブタ鼻だったりとても古いように見えるが、アイゼンでフリー化されたルートは登るべきではないとか、アイゼンで5級で物足りない人はクライミングシューズに履き替えて5.11以上を登るべきだとか全然内容は古くはない。私のお奨めする最高の本。でも最近あまり見掛けない。
(文章引用 www.geocities.co.jp/Outdoors-Mountain/4748/etc/book.html )この書評のとおり今は絶版の状態だから市中にはあまり出回っていない。自分でも時々この本を読むことがあるのだけれど、ずいぶん攻撃的な本だと思う。名前もそうだが、内容が、というか著者の考え方が攻撃的でアルパインクライミングの教科書としてはなかなかいい。そんな気がするのである。
この本、原稿を書いているときはいやでいやでしようがなかった。一つにはこの本を書くのに参考にできる本がなく、すべて自分で考えなければならなかったからだ。それに加え、タイトルから考えると専門的過ぎて売れそうに思えないからだ。そんなことから、とりあえずヨーロッパアルプスでの登山を通して発達してたアイスクライミングギアの話から始めることにし、ウエアのことなども入れてこれ一冊あれば冬山からアイスクライミングやアルパインクライミング、海外登山まで使えるように画策した。
冒頭のヨーロッパアルプスの氷雪のクライミングギアの話は、道具は山遊びの内容とともに発展し、道具の発展とともに山遊びのスタイルそのものも変わっていくのだということを書いた。それはヨーロッパアルプスで登っていたときに感じたことで、それ以後常々考えていたことである。道具は作っても使いこなす人間がいなければ技術は発達しない。そんな人間が出てきて初めて道具が生かされ、さらに発展していくものなのだ。だから、あなたが遊び心を持っているならどんどん新しいことにチャレンジして欲しいと思う。
ヨーロッパアルプスで生まれた道具にもう一つ重要なものがある。それはクライミングシューズだ。最初はヨーロッパではなかなか受け入れられなくて、ヨーロッパのクライマーよりアメリカのヨセミテのクライマーの方が先に使いこなし始めた。でも、そのスタイルがヨーロッパに逆輸入され、ヨセミテのクラックルートに対して、フランスのボルトルートという具合に鮮明な対比を見せながら急速に発展した。もちろんそれに伴ってアルプスの登り方も変わった。この本はそんなことも踏まえて書いた。dからこそ今もなお使えるのだろう。
そういえばENSAでのガイド研修時にアイスクライミングギアの歴史の中に名を上げたクライマーに出合った。一時代を築く人はやはり面白い人間だ。僕はそう思った。どうせ山登りをするなら先端を走ってみるのも面白い。それには遊び心が欠かせない。
この本の構成は下記のとおりである。
第1部 氷雪の基礎
第1章 高峰登山の発展と用具の変遷;
第2章 氷雪の歩行技術;
第3章 露営とビバーク;第2部 氷雪のクライミング
第4章 氷雪の登攀用具;
第5章 氷雪登攀の基礎技術;
第6章 雪の登攀技術(スノークライミング);
第7章 氷の登攀技術(アイスクライミング);
第8章 氷雪におおわれた岩の登攀技術(ミックスクライミング);
第9章 雪山の危険雪山装備の使い方、氷雪の歩き方、ロープの結び方、、ピッケルとアイゼン等の使用方法など、雪山の基本技術から高所登山での氷雪テクニックまでコーチ。
題名はいかにも難しそうです。アイスクライミングまで解説していますが、初めて雪山に行く為の予備知識として良い。雪山装備の使い方、氷雪の歩き方、ロープの結び方、カラビナ・スリング等の使用方法など雪山以外でも十分この本だけで参考になっています。(文章引用 outdoorbook.21web-shop.com/Rock-climbing/
list/Rock-climbing_list3.html )トランゴ・タワー
グリーンランド・白夜の大岩壁 <オルカ初登頂>
白夜の大岩壁に挑む クライマー&クリエイター木本哲/木本哲