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体感温度

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身の回りの空気の温度すなわち気温は機械で計測した確かな数値データだが、人が感じる気温は人によってそれぞれ異なるのが普通である。これを体感温度というが、体感温度は体質や体格、そのときの体調や気の持ちよう、服装などによってさまざまな温度に感じるのが普通である。体感温度は日差しがあるかどうか、風があるかどうか、湿度が高いか低いかなど天気の現況によっても大きく変わってくる。冬、雨が降ったあとは気温が低くても何となく暖かいものである。これは湿度が関与しているのだが、湿度が高いと体からの蒸発が抑えられるため暖かく感じるのである。一方、日差しがあっても風が強ければ暖かさは大きく変わる。この場合は体の表面からの蒸発が風によって促進されるために体温が下がる。また、風が体の回りにまとわり着いた暖かい空気を持ち去るためにいっそう寒さを感じることになる。

一般に風速が1メートル増すごとに、体感温度は1度下がると言われている。風がないときに10度だとすると、風速10メートルで0度となり、風速15メートルで−5度、風速20メートルで−10度となるが、実際の気温が下がるわけではないから体感温度が−10度でも凍傷になるわけではない。だが低体温症にはなりやすくなる。夏の悪天時の死亡事故はこういった状況を介して起こる。高山に行くときは防寒着や雨具は必携である。また、以外に重宝するのが薄手の手袋である。寒さを感じたら一枚着込むということが大切である。あまり我慢しすぎると体が冷えすぎて手遅れになる。

人は体を動かせば筋肉の運動に伴って熱を発し、汗をかく。たとえ冬でもだいぶ汗をかく。その汗は蒸発するときに体の熱を奪う。これが体温を下げる働きをする。夏、たくさん汗をかくのはこういう理由による。一般に汗は空気が乾燥していればいるほどどんどん蒸発していく。そして蒸発が活発に起こると、体温が下がる。冬は特に空気が乾燥しているほか風が強いので、体からの蒸発が盛んになり寒さを感じることになる。一般に湿度が20%下がると体感温度が1度下がると言われている。北海道から出てきた人が東京は寒いという話をよく聞くが、これは湿度の違いによって体感温度が異なるからである。空っ風が吹き抜ける関東平野はどこよりも寒い。

体感温度の計算式

ミスナールの体感温度

体感温度T=t-¥frac{1}{2.3}(t-10)(0.8-¥frac{h}{100}) (無風のとき)
t=気温(℃)、h=相対湿度(%)。湿度を元に計算した体感温度。湿度が高いと耐え難く、乾燥していればわりあいしのぎやすい。

リンケの体感温度

体感温度=t-4¥sqrt{V} (日射がないとき)
t=気温(℃)、V=風速(m/s)。風が吹くと体表の熱が奪われるため、体感温度は低くなる。風が1m強くなると体感温度は1度下がる。

この二つの体感温度の数値をもとにして考えれば、同じ気温であっても「湿度が高く、風がない」ほど暑く感じるということになる。

ミスナールの体感温度

*

アメリカやカナダ、北欧などでは風速冷却指数(Wind Chill Temperature index: WCT)を使って天気予報時に 天気だけではなく、その日の体感温度も伝えているそうである。WCTの計算式は次の式から求められる。 下記の一覧表はこれを基にしたものである。風速冷却指数の一覧表の色分けは凍傷のなりやすさを表し、紺から青に向かって5分、10分、30分となっている。 基の資料は下記アドレスをクリックすればでてくる。風速と気温はそれぞれマイル・華氏表示 をメートル・摂氏に手直した。


 WCT(oF)=35.74+0.6215T-35.75(V0.16)+0.4275T(V0.16)
 T(oF): Air temperature、 V: Wind Speed (mph)
 

風速(mph)風速
(m/秒)
体感温度(℃)
  40F35F30F25F20F15F10F5F0F-5F-10F
00.0 4.4 1.7-1.1 -3.9-6.7 -9.4-12.2 -15.0-17.8-20.6-23.3
52.2 2.2-0.6-3.9-7.2-10.6-13.9-17.2-20.6-23.9-26.7-30.0
104.51.1-2.8-6.1 -9.4-12.8 -16.1 -20.0 -23.3-26.7-30.0-33.3
156.70.0-3.9-7.2-10.6-14.4-17.8 -21.7-25.0-28.3-32.2-35.6
208.9-1.1 -4.4-8.3 -11.7-15.6 -18.9-22.8 -26.1-30.0-33.9-37.2
2511.2-1.7-5.0-8.9 -12.8-16.1-20.0-23.9 -27.2-31.1-35.0-38.3
3013.4 -2.2-5.6-9.4 -13.3-17.2-20.6-24.4 -28.3-32.2-36.1-39.4
3515.6 -2.2-6.1-10.0-13.9-17.8-21.7-25.6-29.4-32.8-36.7-40.6
4017.9-2.8-6.7-10.6-14.4-18.3-22.2-26.1-30.0-33.9-37.8-41.7
4520.1-3.3-7.2-11.1-15.0-18.9-22.8-26.7-30.6-34.4-38.3-42.2
5022.3-3.3-7.2-11.1-15.6-19.4-23.3-27.2-31.1-35.0-38.9-42.8
5524.6-3.9-7.8-11.7-15.6-19.4-23.9-27.8-31.7-35.6-39.4-43.3
6026.8-3.9-8.3-12.2-16.1-20.0-23.9-28.3-32.2-36.1-40.0-44.4

http://www.weather.gov/os/windchill/index.shtml

 

体感温度(風速冷却指数:Wind Chill Temperature index: WCT)について
  体感温度は複雑な方程式で計算されるが、これは1940年Paul Simple とCharles Passelによってある特定状態に曝されたプラスチック容器内の水が凍るまでに要する時間を計測するという実験によって開発された。彼らは水から氷に変わる時間は初期の水の温度と、外部の気温と風速に関連していることを発見した。体感温度(風冷指数)を計算するのオリジナル計算式は:

       H=[10.45+10√V-V][33-t]

          H=熱損失(KiloCal/(mt-hr)^2)
          V=風速(m/s)
          T=温度(℃)

 体感温度の計算式に絶対的というものはない。それは風速によって如何に早く熱が奪われるかの目安として役立つものである。初期の実験がプラスチック容器に基づいていたため、体感温度のオリジナル計算式ははたして人体の場合にも正しく関連付けられるのだろうかという疑問がある。
 この方程式には如何に早く人体から熱が奪われるかに対し、実際に影響する多くの要素が加味されていないからである。この体感温度(風冷指数)にはどの程度の着衣があり、人は行動しているのか、座っているのか、日当たりが良いのか、曇っているのか、あるいは夜間なのかさえも考慮されていない。また、人はどの程度早く呼吸しているのかも考慮されていない。早くしかも深い呼吸は熱を下げる主原因になるのでどうしても考慮しなくてはならないものである。

 T[wc]=0.0817[3.71xVの0.5乗+5.81-0.25xV][T-91.4]+91.4

 この計算式はいぜんとして日射と呼吸のレベルは考慮されていないが、人は如何に風に影響されるかという点ではより精度の高い測定である。この方程式のベースは無着衣の人が静止空気内を時速4マイル(6.4km/h キビキビ歩く速さ)で移動するというものである。この方程式が4マイル/hの風速がベースとなっているため、実際は風速が殆ど0で人が静止して立っている場合には体温が周りを暖め、そして寒い雰囲気から隔離されているので人は事実暖かく感じるはず。

 上記一覧表の風速冷却指数(Wind Chill Temperature index: WCT)の計算式は

 WCT(oF)=35.74+0.6215T-35.75(V0.16)+0.4275T(V0.16)
 T(oF): Air temperature, V: Wind Speed (mph)

もともとはPaul Simple とCharles Passelによって提唱されたものを2001年に改良したもので、凍傷の閾値を調べるために12人のボランティアの協力を得ている。極地での寒冷評価に使うものだが登山ではこれが適しているのかもしれないということで採用した。

 

  <華氏・摂氏変換公式>
  華氏(F)から摂氏(C)への変換: C = (5/9) F - 32
  摂氏(C)から華氏(F)への変換: F = (9/5) C + 32

  華氏/摂氏温度変換  速度変換

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