Explorer Spirit 木本哲の世界 雑記帳 ロボット アルパインクライマー・木本哲 アルパインガイド・木本哲 Satoshi Kimoto's World
木本哲のホームページ“Explorer Spirit”へようこそ / Welcome to Kimoto Satoshi's website “Explorer Spirit”
ロボット
Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
鉄腕アトムや鉄人28号の世界は夢のような出来事に思えたSF世界だったが、科学の発達はいつのまにか夢を実現する力を蓄えていた。それが証拠にロボットは一本アームの単なる作業ロボットから人間の姿かたちに一歩も二歩も近づいたヒューマノイドになった。そういった技術を利用してアイボのような癒しをテーマとしたロボットも作られ、人間の生活に浸透しはじめている。
始めはぎこちない動きしかできなかった自立して二足歩行する人間型ロボットの歩き方は、コンピュータの小型化、高性能化に合わせるように、しだいに滑らかになってきた。いまや二足歩行する歩くだけのロボットでは飽き足らず、走るロボットやジャンプをするロボット、自力で立ち上がるロボット、人間の動作を介助するロボットなど人間の動きを忠実に真似することができる高性能のロボットまで作られ始めている。
その一方では人間の思考能力を研究し、それに近い働きができるような人工頭脳も研究されている。コンピュータの将棋の実力はコンピュータの計算処理能力の向上とともに確かに上がってきた 。しかし、よくよく考えてみれば人間の手で逐次データを入力してやらないことにはそれ自体も、それ以外のことも何もできないのが現実である。コンピュータの思考能力はまだまだ人間にははるかに及ばないが、コンピュータは「2001年宇宙の旅」で描かれていたハルのような思考能力をいつかある日持つのかもしれない。
科学の発達を見ていると、夢を夢で終わらせないところに人間のすごさ、力強さがあると思わせる。ある意味、人間はロボットに永遠の命を託し、入れ替わり立ち代り新たな頭脳を注入して科学技術を発展させるが、夢を育てる人間の方は齢を重ねるごとに一人ひとりやがて動きがぎこちなくなり、思考能力も鈍っていく。それが人間社会の現実の姿である。年をとるのはもちろん僕自身も例外ではない。実際のところ、未来がどう変わっていくのかこの目で見てみたいという思いがある。しかし、年はとりたくなくても、未来が近づけば近づくほど年をとり、身も心もぎこちなくなっていくのは避けられない。生身の人間の身体は、アシモがたどってきた発展の歴史に逆行するかのように、身も心も昔のアシモが持っていた程度の能力まで還っていくような気がしてならない。
Explorer Spirit 木本哲
Copyright ©2005