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先日大阪市の結婚情報サービス会社が行った今年成人式を迎える新成人に対するアンケートの結果が新聞記事になっているのを見つけた。それによると、この調査は、1986年4月2日から翌1987年4月1日生まれの人を対象にアンケートを実施したもので587人から回答を得たそうである。
このいじめに関するアンケートは昨今の相次ぐいじめによる自殺を受けて今回初めてなされたものだそうだが、若い彼らに学校生活を振り返ってどんな生活を送っていたかを問うことは、大人の自覚を持つべき彼らにとっても現在学校生活を送っている子どもにとっても有意義なものではないだろうか。なかなかタイムリーな質問である。回答は複数回答だが、結果は以下のようになっている。
いじめられたことがある人は47%で約半数である。このうち自殺を考えたことがある人が29%、いじめをしたことがあると答えた人が38%いた。いじめられる人もいじめる人も決して少数ではないようだ。また、自殺を考えたことがある人も決して少数ではない。さらに、いじめの仲間に誘われたら断れないが36%、いじめられる当人にも非があるが28%となっている。
職場や学校はいじめを助長する環境という回答が64%、周囲の大人は何もしてくれないという回答が76%である。この数字を見ると学校側は見て見ぬふりをしているという感じがしてしまう。彼らは助けを求めようにも職場や学校では信頼できる人間を探し出せずにいる。信頼されるべき教師陣がこの程度の人間に思われているようでははなからどうしようもない。それを示すかのように、今後も改善されるとは思わないとする回答は84%である。彼らは学校や教育委員会の対応は貧弱だと考えていることは間違いないだろう。実際にいじめられた場合、誰かに相談するとは思わないという回答が51%もあるからいじめ問題の根の深さがわかる。
だが、いじめの問題は一人で考えてもどうにもならないものである。一人で考えるからこそ自殺に追い込まれてしまうのだ。いじめられている人は少なくとも親に胸の内を打ち明けるべきだろうし、打ち明けられた親は周囲の人間を巻き込んで皆で解決を図る努力をしなければならないだろう。それにしてもこういうアンケートは政府が率先してやってみるべき性質のものではないのだろうか。もしかしたら政府や教育委員会はいじめの実態が明るみにでることを嫌っているのだろうか。
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国の調査・統計ではいじめが源とされる自殺者はこの数年間0人と発表されている。
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