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宇宙
Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
夜空にある星は肉眼では3000も見えるというのに、都会では数個の星を見つけることさえ難しい。それは喧騒とした町の明かりが星の明かりを包み込んでしまうことにもよるのだろうが、空を見上げても星が見えないという感覚がしだいに空を見上げること自体をもさせなくなるという悪循環による部分も多いに違いない。
しかし、星を見つけにくくなったのはそれだけが理由ではないだろう。今やどの家庭にもあるテレビとテレビゲームの普及が、屋外の様子を覗いてみるという風雅な習慣を喪失させてしまったことも大きいのではないだろうか。思い返せば、七夕や灯篭流しやお月見は夜空に目を向けさせる貴重な機会でもあった。夜市や春秋のお祭りもそうだった。
子どものころには星空を見る機会がたくさんあったが、大人になると星を見る機会が激減した。それはひとえに酒びたりの生活が原因だったように思う。仕事を終えると飲みに出かけ、いい気持ちになって家路についていたし、飲み継いで歌舞伎町なんぞに繰り出しでもしたら、歌舞伎町は賑やか過ぎて、夜空を見るなんてそんな風流なことをしている暇はない。そして、飲んで帰ろうとするころには白々と夜が明け、星を見るどころの騒ぎではなかった。そうやって大人が子どもと触れ合う機会を潰してしまうのも星を見る機会を減らす原因の一つかもしれない。
めったに見ることがなくなった星空を取り戻したのは登山を始めるようになってからだった。久々に見た澄んだ夜空には数え切れないほどの星があった。都会で見る夜空には星が少ない。それに比べると、山で見る夜空にはこんなにも星があったのかと思わせるほど瞬いていた。悲しいことに、都会の夜空に慣れているせいか、山で見る夜空には目に映る星の数が多すぎて、いったいどれがどれだかわからなくなる。そういえば、思いがけず登ることになったパキスタンのネイムレス・タワーの登攀中に眺めた星は、他人の命を救うために自分自身の命を失うことになるかもしれないという思いがよぎり、何だか心を締め付けられるものだった。星を眺めるという思い出一つにもさまざまな思いが交錯するが、星を眺めるという、そんな楽しみを享受できるのも登山が持っているすばらしい点である。
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