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  • アイスマンの死因
    『アルプスの氷河で1991年に発見された約5300年前の氷漬けのミイラ「アイスマン」は、左肩に矢を受けて動脈に傷を負い、間もなく死んだことが分かった。発見場所付近では斧も見つかっており、争いの犠牲になったとみられる。スイス・チューリヒ大などの研究チームが死因を解明し、16日までに考古学誌ジャーナル・オブ・アーキオロジカル・サイエンス電子版に発表した。アイスマンは、海抜3210メートルのイタリア・オーストリア国境のエッツ谷で、登山者によって発見された。40代ぐらいの男性とみられ、新石器時代の人類の身体状態や暮らしぶりを探る手掛かりとして、研究者の注目を集めてきた。死因をめぐっては、極度の疲れや心臓発作、脳卒中など、さまざまな見方があったが、オーストリアの研究チームが2001年、X線写真撮影で左肩内部に石でできた長さ約2センチのやじりがあるのを発見したと発表。今回、コンピューター断層撮影装置(CT)で動脈の傷が詳細に分析され、命取りになったことが確認された。』と時事通信が伝えている。

  • 冥王星の質量
    『昨年8月の国際天文学連合(IAU)総会で太陽系第9惑星の地位から準惑星に降格された冥王星の質量が、近年発見された準惑星「エリス」よりも小さいとの計算結果を米カリフォルニア工科大学の天文学者マイク・ブラウン教授らが発表した。米天文学協会が14日明らかにしたところによると、同教授らはハッブル宇宙望遠鏡などで観測したエリスの衛星ディスノミアの軌道上の動きから、エリスの質量は冥王星の1.27倍と計算。エリスの直径は冥王星よりやや大きいとされてきたが、質量も上回っていることを突き止めた。冥王星は質量の比較でも、準惑星グループのトップの座に立つことができないと判断されたわけで、「第二の降格」(ロイター通信)といわれている。ブラウン教授はエリスの発見者。その発見は冥王星が惑星なのかどうかの論争を巻き起こす引き金になった。』と時事通信が伝えている。ホルストの交響詩「惑星」は冥王星が発見される前の作だからもともと冥王星は入っていないのだが、これで交響詩「惑星」を見ても冥王星のことを思い出す機会はさらに減ることになるかもしれない。

  • 膝軟骨組織の培養精度
    膝の軟骨には50気圧もの圧力がかかっているらしい。これに着目して圧力をかけて軟骨細胞を培養したところ球状の正常軟骨(直径1ミリ)ができたという。従来、膝から採取した健康な軟骨細胞を培養した後、患部に注入する治療が試みられているが、培養中に病的なたんぱく質を持つ異常細胞ができる問題があったのだという。条件を同じにすることで正常細胞の増殖がよりうまく行くようになったことは膝痛患者には朗報だろう。老化の阻止はまた一歩新境地に踏み込んだ。

   

  • ダブルストックの効用
    ダブルストックは膝の負担を和らげる効用があるといわれている。運動生理学の大御所である山本正嘉さんがそのことについて調べたデータは確かそれを裏付ける値を示したという。しかし、物理学にはエネルギー保存という厳然とした法則がある。だからダブルストックによって膝の負担を和らげたそのエネルギーは別のところで吸収されることになる。もちろん膝の衝撃を和らげた分のエネルギーがどこで吸収されるかはちょっと考えればすぐに気がつくだろう。それはストックにかかる力を受け止める手首や肘や肩にかかってくるのは明らかである。ダブルストックは膝の負担を和らげるが新たに手首や肘や肩に負担を強いる。だからそれらの部位が鍛えられていなければダブルストックの効用を謳っても話にはならない。登山者にとってはダブルストックで登ることが登山の負担を軽減することにつながのるかどうかは直ちに判断しがたい。それによって膝とは違う別の部位を痛めることになればダブルストックの効用を唱えることはできないだろう。早い話が体力の増強を図らない限り膝の負担を減らす根本的な解決には至らないというのが現実なのである。体力のない登山者や全体的な体力が衰えていく老齢者にとってはダブルストックの効用を十分活用できるかどうかという問題はちょっと皮肉交じりの話になりそうである。

  • 慰労会
    久しぶりに大内邸で酒を飲んだ。20数年ぶりかもしれない。参加者は場所を提供している大内尚樹夫妻に加え、柏瀬祐之さん、海津正彦さん、神長幹雄さん、須田義信さん、渡辺斉さん。RCCUの代表の須田さんや大内さんは昔からこういった席の常連だったからなんとも思わないが、昔と違うのはそういった方がとうに還暦を過ぎたということだ。参加者の面々はもちろん還暦を過ぎた方が多いのだが、皆元気で若々しい。大内さんと柏瀬さんはこの夏中国に岩登りに行くらしい。写真を見るとなかなかよさそうな岩だ。登攀距離はあるが傾斜から言えばアルパインスタイルにうってつけな気がする。海津さんは反骨登山家ママリーの名著「アルプス・コーカサス登攀記」の出版を9月に控えているらしい。好きな本でもあるのでアルピニスト・ママリーの活躍を海津さんの新訳で読める日を楽しみにしているところだ。神長さんはヤマケイの展開に少々疲れ気味らしい。こちらも「アルプ」の編集に携わった人々が書き下ろした小文を編集した本がもうじきできあがるそうだ。社団法人日本山岳ガイド協会の評議員でもある須田さんとはガイド協会の公益事業の話などをしてしまった。渡辺さんとは初顔合わせだった。意外に気さくな人だったが、ミニヤコンカの隊員4人の遭難は今も心残りのできごとのようだ。初めての出会いなのに新茶をもらって恐縮至極である。こうした一見無駄なように思える時間が持てるのが山登りで得た最大のもののような気がするという大内さんには誰もが同感だろう。山仲間が集まって気さくに意見交換ができるのはとてもいいことだと思うし、楽しいことである。大内さんに中国四川省の山々の写真を見せてもらってそこの岩山にちょっと興味が湧いた。山の高さも登攀距離も遠征にかかる金額も手ごろな場所かもしれない。ある意味とてもいい山塊だと思った。

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