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Kimoto Satoshi Alpine Climbing School天 王 岩(涅 槃 岩)
■天王岩は1991年から小林敏、名取冬男らによって開拓された岩場です。その後、木本哲、小林敏らによって残されていた空間にルートが拓かれ、今日に至っています。 また、休憩にも利用されている大岩の裏のオーバーハング帯に原田祐介らによってボルダリングルートが開かれ、現在整備中です。
■開拓されているルートは、中には確かに隣のルートとの距離が近過ぎるものがあるのですが、ムーブを優先させて創っているので、ボルトラインに沿って限定的に登れば、ホールドの共用そのものを少なくしたり、なくすことができ、小さな岩場ながらさまざまなムーブを楽しむことができます。利用法はクライマーがこれまで積み重ねてきた技術と発想しだいということになるでしょうが、ボルトラインから外れたホールドを使うとたいがい易しくなるとともに、つまらなくなってしまいます。実をとるか名をとるかはまさにクライマーしだいです。
■仲間内ではホールドの利用制限を設定して登っているルートが少なからずありますが、これらは個人的な範囲の制限で、第三者に対して制限を加えるものは何もありません。どのルートもボルトラインを体の正面に据えて登ると自然な形でクリップができるように設定されています。技術とパワーがあれば問題ないのですが、中には支点の打ち変えによってクリップ時の不安定さが増したルートもあるので注意してください。なお支点の位置の変更は設定者本人によるもので、第三者ではありません。
■「日本の岩場 A関東」に掲載のルート図は2000年頃の内容で、僕が原稿やルート図を作り、名取冬男が監修したものです。しかし、すでに古い資料です。ルートの追加・改廃・ボルトの打ち変え、終了点の打ち替え・新設、整地、切り株の切除などにより、ボルトの配置や支点・終了点の位置が、掲載当時のルート図とは異なっています。さらにこれまでの岩のほかに南東面から南西面の岩、上下の中間に位置する岩などが開拓され、20本あまりの新ルートが追加されている現状ですが、すでにすべてリードして登られています。初登攀後、一部ルートを除いてハンガーが外されていましたが、最近、ハンガーなしで登っていたところや南面の岩、中間の岩が井川和行氏のグループによって再整備されています。このほか彼らによっていくつかの新ルートが追加されたり、追加されようとしていましたが、南面の岩場に開かれたルートについては、地主から「クライマーの入山によって植林地の林床が荒れ、土壌が流出している」というクレームが寄せられ、現在は入山禁止措置がとられています。南面への入山は控えてください。
■「日本の岩場 A関東」発売以来、岩場利用者が急増しましたが、同時に低マナーのクライマーも増加しています。ルートファインディングの悪さや未熟な登攀技術によるルートの独占も目立ちます。また、タバコの吸殻の放置、ゴミの放置、マス釣り場駐車場での無断駐車など、あげていけばきりがありません。事故が多発したり、周辺住民や地主との友好関係が悪化すると、岩場の使用そのものに制限が加えられる怖れがあります。この岩場が登攀禁止にならないよう利用者各自責任を持って行動してください。
■奥多摩グレードはどの岩場に行っても幾分辛めです。ルート図に表示されているグレードが余裕で登れないとリードをするのが辛いというのが実際のところです。天王岩に限らず奥多摩周辺で上記開拓者たちが設定したルートは総じてボルト1本目が高く、ランナー割愛時・クリップ失敗時の墜落は側壁激突やグラウンドフォールの危険が高くなります。中には2本目、3本目のクリップ時も危険を伴うルートがあります。実際、時折それが原因と思われる事故が起きていますので、クライマーもビレイヤーもこれらの点を十分認識し、安全を考慮したうえで登ったり、確保したりしてください。
■終了点の残置カラビナはロアリング専用です。当然持ち去りは厳禁ですが、残念ながら、フリークライミングの登攀能力やフリークライミングに対する認識が低いアルパイン系クライマーによる残置カラビナの持ち去りが目立ちます。その一方、人気ルートでは残置カラビナの磨耗による支点強度の劣化が激しい状態です。クライマー各自は利用する前に必ずロアリングの支点の磨耗度合いを確認してください。終了点のカラビナの破損は大きな事故に繋がります。
■岩場の残置タオルは結露して水滴がついた時や雨後の水滴除去用です。雨後の染み出しが少ないこの岩場特有のアイテムですが、役立っています。残置のタオルを足拭きマット代わりに使用する人がいますが、目的外使用は禁止です。また、残置のマットやタオルを使用後そのまま放置している例が見られます。使用後はしっかり後始末をするようにお願いいたします。岩場周辺の踏み跡は地元の方も利用します。不要な荷物は、通行する人や、クライマー、ビレイヤーの邪魔にならないよう配慮してください。
■ルートの独占は厳禁です。トップロープの掛けっ放しは、アンカーを別に設けるなど、リードして登ろうとするクライマーの妨げにならないよう十分配慮してセットするよう心がけてください。また、掛けっ放しのヌンチャクは断りなく利用可能です。利用拒否なら登るたびにヌンチャクを回収するようにしてください。岩場が上下左右に分かれているので、ヌンチャクの所有者を特定できない状況が生じます。これらの解消と限りあるルートの有効利用に理解と協力をお願いいたします。
■使用済みティッシュの山林内放置は厳禁です。トイレはマス釣り場駐車場の付属トイレが利用可能です。しかし、マス釣り場駐車場管理者から『マス釣り場駐車場に管理人がいる場合は必ず一声かけるように』との要請を受けていますので、利用者はそのように振舞ってください。また、マス釣り場駐車場でクライマーによる無断駐車が発覚しており、マス釣り場駐車場管理者から苦情を受けています。駐車場に管理人がいないときは、必ずマス釣り場事務所に出向いて駐車料金を支払うようにしてください。料金は1日500円。駐車場は16時に閉鎖します。
■路上駐車は周辺住民の迷惑にならないよう配慮してください。十里木駐車場に止め、利用台数を減らしたり、車を十里木駐車場に止め、そこから歩くのも効果的です。
■岩場周辺では車上荒らしが横行しています。貴重品は必ず手元に携行してください。
■岩場は武蔵五日市駅から比較的近いのでバスやタクシーの利用もお勧めです。西東京バスの養沢行きバスに乗り、曾利郷橋で下車します。バス停留所から徒歩2〜3分で岩場です。バス停脇には公衆電話があり、帰りはここからタクシーを呼ぶこともできます。また、少し歩いて桧原街道に出れば、信号右手に桧原街道を通るバスのための十里木バス停留所があり、秋川上流の数馬、藤倉、払沢の滝方面からくる武蔵五日市行きバスに乗ることができます。上養沢からくるバスのためのバス停留所が桧原街道手前にあるので間違えないように注意してください。
■岩場は私有地かつ植林地の中にあります。当然ながら植林地は火災の発生を嫌います。焚き火、タバコの吸殻の放置は厳禁です。また、ゴミの放置、立木の無断伐採等も厳禁です。岩場に持ち込んだ物は、ゴミも含め、すべて持ち帰るのが岩場利用者としての礼儀です。周辺の目につくゴミは極力拾って原状維持にご協力ください。南面の岩場のように北面の岩場が入山禁止とならないよう皆様のご協力をお願いいたします。また、余計な木を切ると古賀志山のように登攀禁止に追い込まれることも考えられます。岩場が私有地にあることを夢々忘れないようにお願いいたします。
■休憩に使われている岩の裏側のハング帯が再整備され、ボルダーエリアとして生まれ変わっています。その昔は使用済みティッシュが放置されていたことを思うと喜ばしい限りです。岩場を守るのは顔を知らない一人ひとりが同じ方向を向いて努力するしかありません。ご協力をお願いいたします。
■日本の岩場 関東編(山と渓谷社)にはルート名にミスプリントがあります。正しいルート名は下記の通りです。
鬼太郎音頭 ⇒ 勉太郎音頭
ニルバーナ ⇒ ビルバーナ
◆バス時刻表
武蔵五日市駅発上養沢・曽利郷橋行(青字は曽利郷橋止り)
時刻
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
平日
54
05
19
35
40
49
05
33
35
01
10
土曜
56
05
20
44
40
35
41
56
02
00
10
日曜
49
15
26
37
16
31
36
20
26
07
24
曽利郷橋発武蔵五日市駅行 (青字は曽利郷橋始発)
時刻
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
平日
40
50
05
21
27
27
51
24
26/46
33
土曜
41
53
06
30
36
23
38
46
52
45
35
日曜
34
01
12
24
04
20
24
11
14
56
50
平日の19時台は19:26発のほか19:46発もある
雑誌、単行本、インターネット等各種メディアへの無断内容を掲載、コピー等禁止
資料提供 名取冬男・小林 敏・木本 哲/解説・ルート図作成 木本 哲
木本哲プロフィール(「白夜の大岩壁・オルカ初登頂」のページから)……公開を取りやめています
僕のビッグ・ウォール・クライミング小史……公開を取りやめています。「目次」を参照してください
しぶとい山ヤになるために=山岳雑誌「岳人」に好評連載中……登山開始から山学同志会在籍一年目までの山行で学んだこと感じたこと
自己紹介(木本哲登山および登攀歴)……山学同志会在籍一年目に培った技術を基礎として実行した初登攀〜第3登を中心にまとめた
Satoshi Kimoto's World(木本哲の登攀と登山の世界)……海外の山もさまざまなところへ登りに出かけました
Explorer Spirit 木本哲
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