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個人山行・ガイド山行に必要な基本用具と専門用具
登山に必要な用具にはどんな登山にも必要な基本用具とその時期のその登山にだけ必要な専門用具とがあります。基本用具はいわば何があっても山で生き抜くために必要な用具です。これらの基本用具はなくては困るものばかりです。登山中の安全確保をどう考えるかで多少中身が異なるかもしれませんが、そう大きく変わることはありません。独りで出かけるときは当然ながら個人と共同両方の用具が必要です。冬は特に防寒に注意が必要です。手袋などは不用意に扱うとすぐに風に飛ばされ失くしてしまいます。失くせば凍傷の危険が高まります。万が一の場合に備え替えを持っていることが必要ですが、まずは風に飛ばされない工夫をしましょう。 衣服は夏と同じで動きやすい服装がいいことはいうまでもありません。それプラス防寒です。
1.基本用具
積雪期の基本用具
チェック 個人 積雪期のどんな山行にも必要です
アウター ゴアテックス製の上下セパレートタイプ。防寒・防風衣の役割を担う。 ジャケット&パンツ 一般的にはハードシェル。乾燥した状況ならソフトシェルが動きやすい。 夏も冬も動きやすいことが重要です。特に微妙なクライミングをするときは重要です。 ヘッドランプ 予備電池、予備電球 。発光ダイオードは電球切れの心配がなく、電池も長持ち。 水筒 凍りやすいので注意が要る。一般的には魔法瓶(テルモス)を使う。 テルモス 0.5〜1ℓ。温かい飲み物を確保するのに必携です。 コンパス オロエンテーリング用。SHILVAコンパスなど。 だだっ広いところでガスに巻かれたときは必要になります。 地形図 国土地理院発行2万5千分の1地形図がベスト。計画にはエリアマップが便利。 市街地付近では1万分の1地形図も使える。 時計 バリゴ、スント、カシオ ナイフ 支点の構築、医療、炊事など山では多方面で利用する必需品。 ハサミは意外に便利。 呼子(笛) 声が通りにくいところでは効果絶大。沢や冬季登攀では有用です。 トイレットペーパー またはティッシュ。トイレから食器拭きまで幅広く使います。 行動食 山行日数分の行動食が必要。冬はカロリーの高いものがいい。飴玉。 非常食 もしものときの食料。軽くて力がでるもの。1日分 〜2日分。 救急・持病薬 持病薬、外傷薬、風邪薬、胃腸薬、幅25ミリほどのテーピングテープなど 。 ライター 非喫煙者は忘れがちなので注意が必要。 着火剤 焚き火の火種に有効です。 これがあれば雨の日も雪の日も楽勝です。 肌着 衣類は綿製品は不可。化繊か毛の動きやすいものが鉄則です。 寒いところで使うなら毛がいい。毛は濡れても汚れても暖かい。化繊ではなかなかこうはいかない。 長袖シャツ 綿製品は不可。薄手のものを重ね着するのが最も暖かく、効果がある。 ズボン 綿製品は不可。関節を自由に動かせるもの。軽くて暖かいもの。 防寒衣 夜は冷えます。軽羽毛服が何かと便利です。 靴下 毛製品。厚手。靴は大きめを選び、靴下で大きさを調節する。替えもいる。 登山靴 しっかりしたアイゼンがつく登山靴。保温性が重要。靴紐予備も忘れずに。 ロングスパッツ 足首から膝下までを包むことで足首から靴に雪や風が入るのを防ぎ、足元を保温する効果があります。 アイゼン 氷雪が硬くて手に負えない場面で使う。前爪があるものが 使いやすい。傾斜が出てきたら変に歩くより前爪を蹴り込んで登り下りした方が歩きやすい。 ピッケル 歩くときは杖、攀じ登るときはホールドとなって体を支える冬の必需品。 歩行と登攀はまったく別物と考えた方がいい。 帽子・目出帽 頭を冷やさない。風に対応できるものは目出し帽か高所帽しかない。 薄手手袋 毛または化繊。毛の手袋は濡れても暖かい。替えもいる。 オーバー手袋 防風、保温効果を上げる。脱ぐこともあるので飛ばされない工夫を。 サングラス 雪盲を防ぐ。日差しがなくても長時間雪に目をさらせば雪盲になります。 ゴーグル 風があるときはこれがいちばんです。サングラスでは睫毛に氷がつきます。 お風呂セット 温泉に入れるところはできるだけ温泉に入ります。 共同 ツエルト 2〜3人用の底割れ式がお勧め。ゴア製は重いが雨や雪の中でも快適。 コンロ ガスコンロが扱いやすくて便利。自動着火式がいい。万一に備えライターも忘れずに。 コンロ台 薄手のベニヤ板。各自にあればまな板にも使える。 燃料 ガスカートリッジ。 ガソリンコンロの場合はガソリン。ライターは必携。 小鍋 コッヘル。お湯を沸かします。 暖かいものを飲めば落ち着きます。 救急セット けがや病気に対応。レスキューシートも忘れずに。 携帯電話 最近は使用可能範囲が広がっています。 無線機 緊急時は誰でも使うことができます。 不特定多数の人と話すことができます。 登山計画書 捜索は登山計画書のチェックから始まります。
2。専門用具
積雪期の専門用具
チェック 個人 @トレッキング・登頂・縦走時に必要な用具です
クランポン アイゼンのこと。前爪がある10本、12本爪。前爪は平爪。 ピッケル 長めのものを杖として利用。手に持ってくるぶしから地面すれすれ。 オールラウンドに使うなら足首からくるぶしくらいの長さがいい。ピッケルバンド。 ストック 膝の負担を和らげます。2本使うと効果絶大。岩や雪には効果減。 リュックサック 45〜60リットル。テント山行は60〜80リットル。 サブザック ベースキャンプを作ってそこから往復する定着山行用に。 ハーネス 滑落しやすい場所で使います。レッグループタイプのサイズ調節式のもの。 ヘルメット 富士山に登るときは持ってきてください。天気によっては落石・落氷がひどい。 A岩登り(積雪期および残雪期)時に必要な用具です
ハーネス レッグループタイプのサイズ調節式のもの。 ヘルメット 落石・落氷発生時や墜落時に頭部を保護します。必携。 確保器 ルベルソキューブ、ATCガイド、ATC、ヨーヨーなど+安全環付きカラビナ。 これら二つをセットで用意します。 下降器 エイトリングなど+安全環付きカラビナ。これら二つをセットで用意します。 カラビナ 上記以外に安全環付き2、カラビナ2、クイックドロー1。リードする人はクイックドロー2。 スリング 60センチ×2、120センチ×1。 幅が広いものと幅が狭いものとは強度が同じです。幅が狭い物のほうが利用価値が高くお勧めです。 その他
アプローチに雪渓があれば登山靴やピッケルが必要です。@参照。 衣服 動きやすく、保温性があるもの。 手袋 手袋だけで登ることがあります。替えが必携です。 リュックサック 上記の荷物+αを入れます。 サブザック 定着形式の山行のとき。 ギアラック ピトン チョック カム、ナッツ。 あぶみ プレートあぶみ。 クランポン 前爪がある10本、12本爪のもの。前爪は平爪、縦爪どちらでも可。 アイスアックス 短めのものを利用。手に持ってくるぶしより短いもの。通常60センチ。 アイスハンマー バイル。アイスアックスと同じタイプ。ハンマーヘッドがあるもの。通常60センチ。 リーシュ リストバンドのこと。落とさないようにするためのもの。 Bアイスクライミング時に必要な用具です
ヘルメット 落石・落氷発生時や墜落時に頭部を保護します。必携。 ハーネス レッグループタイプのサイズ調節式のもの。 確保器 ルベルソキューブ、ATCガイド、ATC、ヨーヨーなど+安全環付きカラビナ。セットで。 下降器 エイトリングなど+安全環付きカラビナ。セットで。 カラビナ 上記以外に安全環付き2、カラビナ2、クイックドロー1。リードする人はクイックドロー2。 スリング 60センチ×2、120センチ×1。 その他 ウエットスーツ。雪しろが流れ込む沢は効果あり。 衣服 動きやすく、保温性があるもの。 リュックサック 上記の荷物+αを入れます。 サブザック 定着形式の山行のとき。 ギアラック クランポン 前爪がある10本、12本爪のもの。前爪は平爪、縦爪どちらでも可。 アイスアックス 短めのものを利用。手に持ってくるぶしより短いもの。通常60センチ。 アイスハンマー バイル。アイスアックスと同じタイプ。ハンマーヘッドがあるもの。通常60センチ。 氷壁専用に使うならアックスのブレード、ハンマーのハンマーヘッドはいらない。 リーシュ 落とさないようにするためのリストバンドこと。ない方が登りやすい。 アイススクリュー 16センチ〜21センチ。 ラチェット アイススクリューのヘッドにセットしてアイススクリューをねじ込む器具。 登山靴 アイスクライミング専用があればそれでも可。 手袋 アイスクライミング専用があればそれでも可。 捨て縄 Vスレッド(アバラコフ)用。 C雪稜・雪壁の登攀時に必要な用具です
ヘルメット 落石・落氷発生時や墜落時に頭部を保護します。必携。 ハーネス レッグループタイプのサイズ調節式のもの。 確保器 ルベルソキューブ、ATCガイド、ATC、ヨーヨーなど+安全環付きカラビナ。セットで。 下降器 エイトリングなど+安全環付きカラビナ。セットで。 カラビナ 上記以外に安全環付き2、カラビナ2、クイックドロー1。 スリング 60センチ×2、120センチ×1。 その他 ウエットスーツ。雪しろが流れ込む沢は効果あり。 衣服 動きやすく、保温性があるもの。 リュックサック 上記の荷物+αを入れます。 サブザック 定着形式の山行のとき。 ギアラック クランポン 前爪がある10本、12本爪のもの。前爪は平爪、縦爪どちらでも可。 アイスアックス 短めのものを利用。手に持ってくるぶしより短いもの。通常60センチ。 アイスハンマー バイル。アイスアックスと同じタイプ。ハンマーヘッドがあるもの。通常60センチ。 アックスやハンマーは雪に根元まで突き刺して登るのでシャフトの形状に注意。 リーシュ 落とさないようにするためのリストバンドこと。ない方が登りやすい。 スノーバー スノーピケット。棒状の確保用支点。 デッドマン お皿状の確保用支点。 スリング 立ち木用、やや多めに。 Cその他
入浴セット 山の帰りは温泉も楽しめます。 着替え 保険証 テント山行 マット、シュラフ、シュラフカバー。 ろうそく、食器、箸。 共同 ランタン、コッフェル、コンロ、燃料、コンロ台。 テント、ポール、ペフ、フライシート(または内張りか外張り)。 食料(夜と朝)×日数分。 ロープ アルパイン系クライミングなら9ミリダブル、フリー系クライミングなら10ミリシングル。 最近はこれより細い径のものが出回っています。自分の登攀用途にあわせて用意するといいでしょう。 クイックドロー 10〜15本、ルートによっては20本ほど。 カラビナ 安全環付き、ノーマルタイプ適宜。 スリング 各種適宜。岩登りでは奥まで入り込んだピトン用に細いものがいる。 捨て縄 適宜。 修理用具 レザーマン、針金、ガムテープ、リペアテープ
無雪期登山用具/積雪期登山用具/ビバーク&キャンプ用具/登山用具豆知識
木本哲プロフィール(「白夜の大岩壁・オルカ初登頂」のページから)……公開を取りやめています
僕のビッグ・ウォール・クライミング小史……公開を取りやめています。「目次」を参照してください
しぶとい山ヤになるために=山岳雑誌「岳人」に好評連載中……登山開始から山学同志会在籍一年目までの山行で学んだこと感じたこと
自己紹介(木本哲登山および登攀歴)……山学同志会在籍一年目に培った技術を基礎として実行した初登攀〜第3登を中心にまとめた
Satoshi Kimoto's World(木本哲の登攀と登山の世界)……海外の山もさまざまなところへ登りに出かけました
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