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◆上の岩 南東面

 

1  5.10

 

2  5.4

 

3  5.5

 

4  5.5

 

5  5.5

 

6  5.4

 

 

◆上の岩 北面〜北西面

 

1  5.12b  ホールドの細かい前傾壁。終了点は立木を利用。B3

 

2  5.9   Tr. 終了点は立木を利用。

 

3  5.9   スラブから小ハングを越え、フェースを直上する。B4

 

4  5.9   Tr. 終了点は3と共用。

 

5 冥土の土産 5.10d ★ 

手足のホールドはスラブ内に求める。クラックやエッジは使わない。細かい。B3

 

6 コーナークラック 5.7

NP★。F1.52.5。5のプロテクションを利用して登ることもできる(B3)。

 

7 八月革命 5.11b ★★★ 

核心部は2本目クリップ後から終了点まで。核心は3、4本目間の遠いホールドを取りにいくところ。かぶりが大きい上、ホールドが細かく、向きも悪い。そのホールドで身体を引きつけて一段登り、4本目にクリップすれば一息つけるが、終了点までもう一がんばり必要。クラックや冥土の土産側のスラブにフットホールドを求めない。3本目クリップ時の墜落はビレイヤーの姿勢によってはグラウンドフォールの危険が生じるので注意が必要だ。B4

 

8 パワーシフト 5.11/c ★★ 

核心部は2本目クリップ後から終了点まで。核心は2本目クリップ直後の細かいホールドで耐えることができるかどうか。登るにつれ徐々にホールドは大きくなるが、3本目のボルトにクリップできるかどうかが正念場。クリップ後の一手が決まれば、終了点は目と鼻の先。ホールドが細かいだけに手の負担を軽減する足捌きが重要になる。B3

 

9 エンデバー 5.11c ★★★ 

1本目真下から正対するフェース内の細かいホールドを拾って直上する。左のエッジをホールドとして使わない。中間部で自然にカンテラインに入るが、上部はカイーノに入らず、途中から左にトラバースしてパワーシフトに合流する。細かく、扱いにくいホールドばかりを選んで登る格好になるが、ムーブは自然。核心はボルト1本目前後なので、プリクリップして登った方が無難だ。最初から最後までかぶっている上、手数が多く、パワフル。B3

 

10 カイーノ 5.11a ★★ 

核心部は取付から2本目にクリップするまで。ホールドが細かく、バランスも微妙なので、ボルト1本目はプリクリップして登った方が無難。上部はホールドが大きくなるが、かぶりも大きく、最後まで気が抜けない。下部2本のクリップ失敗時にはグラウンドフォールの危険があり、3本目のクリップ失敗時には壁に激突する危険がある。すべてのクリップで注意が必要。B3

 

11 蜃気楼 5.10d (または5.10/c★★) ⇒12参照

取付からボルトラインを直上する(5.10)。または、『涅槃の風』寄りから取りついて、左上したのち、直上する(5.10/c★★)。最後はボルト3本目真下からハング帯中央を乗越す。B3

 

12 (廃止) 5.10a ⇒11参照

 『涅槃の風』寄りから登り、凹状部をたどる。最後はハング帯右端を乗越す。このハング帯右端を登って「蜃気楼」を登ったとしている人が多数見受けられるが、もともとこちらは別のルートで、残念ながらまったく別の名前がついていたところである。もし蜃気楼を登ったと言い張りたいのであれば、ハング帯を中央突破すべきだろう。

 

13 涅槃の風 5.10b ★★★ 

ホールドが大きく、手足の掛かりもよいが、持久力がないとクリップが辛い。核心部は2本目クリップ後からボルト3本目にクリップするまで。クリップ失敗時の墜落は危険大。岩が濡れているときや生乾きのときは特に滑りやすく、注意が必要。実際に事故が起きているので注意。B3

 

14 (廃止) 5.9  

涅槃の風を登り、1本目クリップ後右上して、蝉時雨に合流する。

 

15 蝉時雨 5.10/c ★★ 

1本目左下から登る。細かい上、2本目手前のホールドが遠く、見た目よりかなり悪い。ビレイヤーは取付から2本目にクリップするまで細心の注意が必要。B2

 

16 驪竜之珠(りりょうのたま) 5.10b/c ★ 

1本目真下から直上し、クリップ後、左上の遠いホールドを取りに行く。さらに右縦ホールドを使い、ボルト2本目先まで意識して前傾壁を登る。最後はホールドの乏しい小フェースを直上して終了点へ。右のクラックラインは使わない。出だしはかぶりが大きく、ホールドも細かく悪い。体を左右に振ることができればとくに難しいムーブではない。中間で15に合流するかのように前傾壁を登り続けることができれば、登攀価値を見出せる。怖さに負けて、右寄りの大きなホールドを掴んでしまった時点で本来のルートに戻る元気は失せるだろう。B3。ルートの名前は「危険を冒さなければ得られないもの」といった意味。わざと悪いところを選んで登るのだが、登ってみればそれなりに納得できる。

 

17 ローリングストーン 5.8 (または5.7) 

一抱えもある大きな浮石を落としてルート整備をしたことからこの名をつけた。1本目真下から直上(5.8)、あるいは右から大きく回り込んで(5.7)フェースを登り、クラックライン沿いに終了点へ向かう。B3またはB2NPF0.51.5)。

 

18 バブルの崩壊 5.11b 

 182117経由で登るとよい。ただし、ロープの流れを考慮してランナーをセットする必要あり。

 

19 ステルス 5.12b ★★

 

20 ブラックベレー 5.11c ★★ 

下部で縦ホールドからガバを取りにいく。B3

 

21 涅槃で待ってるぞ 5.11/

 

22 風太郎節 5.10c 

張り出しが一番大きいボルト2本目真下から小さな横ホールドと縦ホールドだけでハング帯中央を乗越し、勉太郎音に合流する。17や23とホールドを共用しない。ハング越えはヒールフックができればそう難しくない。B7。僕が1人で登るときに勉太郎音頭のヌンチャクを回収しやすくするため勉太郎音頭とセットで登っているルート。現在ボルトは撤去されている。こっちのボルトを利用して勉太郎音頭を登る人がいるので喜ばしい限りだが、独りで登るときはボルトを2本はセットしなくちゃならないから面倒だが、しょうがないな……。

 

23 勉太郎音頭 5.10/c ★★★ 

1本目真下からボルトラインを縫うように直上する。下部、上部共にハング越えが核心。下部ハング越えで力を消耗すれば上部ハング越えが厳しい。B6

 

24 ハット 5.11/c ★ 

勉太郎音頭から派生。23側に手を出さず、細かく悪いホールドだけで直上する。かぶりも大きいので引きつけがいる。B6

 

25 風見鶏 5.11/c ★ 

勉太郎音頭から派生。ボルトラインを直上。ホールドが悪い上、かぶりも大きい。細かいホールドで引き付ける。B6。勉太郎音頭は人気があり混むので、始祖鳥経由で登った方がいい。

 

26 始祖鳥 5.11a ★★ ⇒27参照

ドロボーカササギと違った登り方ができることに注目して拓いたルート。下部前傾壁はボルト2本目真下から薄かぶりのフェースを直上する。右寄りから回り込むとかぶりがなくなり面白くない。上部前傾壁は凹状部に沿って直上する。抜け口左上のレッジに立ち上がって終了。凹状部から逃げ出すことになるドロボーカササギ中間のガバ、上部のアンダー等、身体が凹状部の中心から左右に外れていくホールドは一切使わない。B6

 

27 ドロボーカササギ 5.11a ★★★ ⇒26参照

クラックジョイ1本目から派生。ボルト2本目まで距離が長いが、2本目真下を直上する方が面白い。1本目は横リスに打ち込まれたアングルピトンが利用できる。クラックに沿って中間垂壁を左上し、上部前傾壁を登る。核心部は4本目クリップ手前から出口まで。核心は縦ホールドの処理。頭上の縦ガバが取れれば一安心だが、パンプしていると5本目にクリップするのが辛い。最後は右上のアンダーを使って上に抜ける。手数が多くパワフル。B5。終了点直下の切り株を切除して以来、抜け口は始祖鳥のムーブで登られることが多くなったが、ドロボーカササギ本来のアンダーホールドを使って登るムーブで抜ける方が手数が多くなり充実する。4本目のボルトの設置位置が以前より高くなり、クリップが難しくなり、その分多少グレードも上がっている。クリップ時は細心の注意が必要。

 

28 ウォーミングアップ 5.11a ★★

29 ウォーミングアップ右Var. 5.10d ★★★ 

フェース内の細かいホールドを丁寧に拾って登る(28)。核心部は4本目クリップ手前から出口まで。右寄りの小フレークを使えば若干容易になる(29)。どちらの場合も右端のクラックまで手を伸ばさない。B5

 

30 クラックジョイ 5.9 ★★★★ 

中間テラスまでは5.7程度だがランナウト気味。上部フレークの登攀はかぶりが大きく、最後が辛い。B5。ボルト5本目クリップ後、そのまま直上することもできる。5.9★。

 

31 ブラックストーン 5.11/c ★★ 

クラックジョイから派生。4本目クリップはクラックジョイを一段登れば容易。クリップ後テラスから再スタートする。ホールドが細かい上、かぶりも大きいが、見た目より快適。核心部は4本目クリップ直後から5本目クリップまで。登るにつれ傾斜が落ち、ホールドもしだいに大きくなるが、少々甘い。B5。クラックジョイが混み合っているときは隣の『陽炎』から継続するとよい。陽炎はクラックジョイ下部よりホールドが細かく、難しいので、多少は登りがいのあるルートになる。B6

 

32 陽炎 5.10a ★★ 

手は左右にある大きなホールドを拾い、足は左右の壁に大きく広げて突っ張り、ステミングで高度を稼ぎつつ、三角ハング正面を越える。足が左右の壁に開脚できないようでは体が硬すぎる。下から見ると1本目までが遠く感じるが、足を左右の壁に開脚できれば1本目は決して遠くはない。2本目クリップ直後からホールドが細かくなるが、うまくしのいで直上後、一段右上する。さらにリップまたはハング下を左上して中段の終了点へ向かう。B4。クラックジョイ上部やブラックストーンに繋いで登ることも可能。B6。左右の壁に逃げなければ、短いが楽しめるルートだ。

 

33 アトミックハングU 5.10/c ★ 

前傾壁を直上し、テラスの縁をハンドトラバースする。ホールドは大きいが、かぶりも大きく、ハンドトラバースは手が滑りそうな感じがし、落ちそうな気がして怖い。ここがルートの核心。テラス右端のホールドで休むことができるが、休まなければけっこう厳しく面白い。B4クラックジョイ上部に継続させればルートが長くなり、充実する。B6

 

34 アトミックハングV 5.10c 

カンテラインを登り、テラスの縁をハンドトラバースする。テラス右端のホールドで休まない。下部カンテラインは意外にバランスが取りづらい。1本目クリップ時は特に注意が必要。B43334ともクラックジョイ経由で26終了点下までトラバースすればさらに充実する。B6

 

35 金竹小 5.12a ★ 

細かいピンチホールドで体を引き上げる。B3。テラスに続く易しいフェースを登り、2本目は残置スリングを利用していったんプリクリップし、テラスから登攀を再開する。

 

36 ジョローグモ 5.11/c 

短いがテクニカル。ランナウト。終了点が新設され、独立した。以前より取り付き易くはなったが、ボルト3本目の位置が以前よりさらに高くなったので注意が必要。B3

 

37 (廃止) 5.11

 

38 ビルバーナ 5.11b ★★★ 

ガバホールドで豪快に登る。核心部はボルト5本目から出口までだが、実は5本目のボルトにヌンチャクをクリップするのがいちばん難しい。2本目付近、オリジナルムーブは左ハンドトラバースからヒールフックをして斜上するクラックラインに入っていく。実際、そのムーブの方が面白い。B5

 

39 エスパー 5.12/b ★★ 

ボルトラインを直上する。外傾ホールドでの引きつけが厳しい。B3。アンダー左上、ビルバーナ寄り縦ホールド群は使わない。短いがストレニュアス。後ろの立ち木に注意。

 

40 ミンミン 5.10d ★★★ 

下部のハングは大きいがホールドは一手を除きガバの連続。しかし抜け口から先は一転して悪い。上部はカンテ右のラインを登る。B6。ホールドが欠け、2本目にクリップするのがやや難しくなったが、下のガバホールドからかけられる。上がり過ぎるとグラウンドフォールの危険を伴うことになるので注意が必要。意外にパワフル。終了点まで長い。

 

41 (廃止) 5.10d 

ミンミン上部に蜂の巣がある場合はこちらに抜ける。最後の右上は意外に悪い。

 

42 亀の子束子 5.10/c ★ 

取付からスラブに立ち上がるまでがけっこう悪く、1本目にクリップするまで気が抜けない。B4

 

43 ブラックボードT 5.11d ★★ 

一見スラブに見えるが、実は薄かぶり。左のルートに出て休まない。B3

 

44 (廃止) 5.12

 

45 ブラックボードU 5.11

 

46   〃  右Var. 5.10

 

 

 

◆中の岩

 

 

 

 

雑誌、単行本、インターネット等各種メディアへの無断内容を掲載、コピー等禁止

資料提供 名取冬男・小林 敏・木本 哲/解説・ルート図作成 木本 哲  

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自己紹介(木本哲登山および登攀歴)……山学同志会在籍一年目に培った技術を基礎として実行した初登攀〜第3登を中心にまとめた
木本哲プロフィール(「白夜の大岩壁・オルカ初登頂」のページから)……公開を取りやめています
僕のビッグ・ウォール・クライミング小史……公開を取りやめています
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Satoshi Kimoto's World(木本哲の登攀と登山の世界)……海外の山もさまざまなところへ登りに出かけました
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