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1978年 残雪期・尾瀬至仏山〜平が岳〜兎岳〜中ノ岳〜八海山縦走。三つ峠単独登攀。
奥利根の山から上越の山へ。どこまで行っても人家が見えず、ちょっと怖くなった。日本が山国だということを実感する登山だった。でも今となっては楽しい思い出だ。
自分はいったい何がやりたいのか。無雪期の岩登りがやりたかったのではないのか――。そんな思いが三つ峠単独行となって結実した。三つ峠駅からだるま石を経由してようやく岩場にたどりつく。生まれて初めて訪れた三つ峠屏風岩で、独りルート図を紐解いてそこに表されているグレードと実際の岩とを見比べて、手始めにどのルートを登るか決める。
僕が選んだのは地蔵左ルートだった。登り始めると、僕の様子をじっと見ている人がいた。近くで登っていた人のようだが、懸垂下降をして登山道に下りると話しかけてきた。その人も初めて三つ峠を訪れたということだが僕と同じく単独だった。彼が、一緒に登らないかと声をかけてきたので、僕はこの単独登山者の申し出を受け入れ、一緒に登ることにした。彼が山登りをしている経験年数は僕とたいして変わらないのに、彼の登り方は僕よりはるかに上手であり、彼と僕の岩登り技術はまったく天と地ほどの開きがあると認めざるをえなかった。見ず知らずの人から、フリークライミングに徹する意義を学び、登山靴でも使いこなせばかなり困難なルートが登れることを学んだ。だが、これには限界があることもわかった。クライミングシューズの使用はその限界をはるかに伸ばすものだということも学んだ。岩登りにはいろんな楽しみ方がある。この山行が本格的に岩登りを始める大きな転機となったことは否めない。僕は新たな気持ちで岩登りを中心に活動する山岳会を探すことを心に決めた。瑞牆山十一面岩に拓かれて間もないルートを登るため、増富温泉から岩場まで歩いて行ったことがある。道路から岩場までのアプローチにまだヤブコギがあったころの話だが、そのバイタリティには我ながら驚かされる。今歩けと言われたらやっぱりいやだな。でも、そうまでして登りに行ったそんな気持ちや行動が世界のあらゆる場所に向かわせたのは間違いないだろう。
写真 佐々木宣敬 クライマー 木本哲
=瑞牆山十一面岩ベルジュエールのワイドクラックで
楽しい登攀ルートだ。フリー化されオールフリーで登ることができる
=1ピッチ目のみ5.11b他は5.10b以下
Explorer Spirit 木本哲
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