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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

*関東・信越の雨雪判別

東京で初雪の予報になっている。実際に都心で初雪になったかどうかはわからないが、青梅では降り始めは雨だった。しだいに霙だったり、雪だったり、雨だったりと変化したが、降り積もる雪にはなっていない。でも、裏山の峠は間違いなく雪だろう。奥多摩の山々には雪がなかったのでこの天気でけっこう積もることだろう。昨日までの暖かな城山のクライミングとは打って変わって冬景色の町並みが見られるのかなと半ば期待しながら成り行きを見つめていたのだが、予報通り雪が降るには至らなかった。雪が降ると雪かきをしなくてはならないなあと思っていたから、僕にとっては幸いな展開であるのだが、雪景色が見られないとなるとちょっと残念に思う。寒さのピークもあと一月ほどだと思うとこれまた複雑な心境だな。やはり冬は冬らしい天気が続いてくれた方がいい。

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このところラッセルづいている。何だか雪山登山が楽しく思われるのだ。それもそのはずで、グリーンランドの未踏峰オルカ登攀出発直前に傷めた二箇所の骨折と筋挫傷の合計三箇所の傷のうち最後まで残っていた傷が、ようやく回復する気配を見せ始めたからである。グリーンランドで必要以上に酷使したからよけいに悪化したのだろうが、怪我というのは負うのは一瞬だが、回復には長い時間がかかる。歳も歳なんだから体は大切に扱わないとだめだな、と思う。そういう意味ではグリーンランドの登攀には行きたくなかったのだが、行かざるを得なかったのだからしようがない。でも、この怪我には人間の体の不思議さを見せつけられた。今となってはいい経験だった。もちろん体が回復してきた今だからこそ言えることだが……。そういえば薬をもらいに行かなければ。

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米子不動の氷瀑はやはりでかいなあ。天然氷でこれだけの氷瀑群ができるというのが信じられないくらいだが、実際に目の前にあるのだから疑いようがない。100mクラスの氷瀑がいったい何本あるのか。時期によっては氷の発達具合が異なるから氷瀑の傾斜や垂直部分の長さも変わってくる。身につけた登攀技術に応じては時期を変えて登るのも手だろうが、何度登っても完登するのに根性が必要なのは変わらないだろう。ここで根性が必要ないのはウラノ沢の小規模なというか、垂直部分がたいしてない滝だけだもの。米子不動はほとんどの氷柱を登ることができそうだが、黒滝はちと細い。奇妙の滝は左半分。十八幅滝は登りころ。アナコンダは下が薄いかも知れないがいつものことだろう。上は大丈夫だ。大沢も発達している。米子不動ではいちばん登りやすい滝も長いと言われりゃあそうかもしれないが50mしかない。易しくても誰も登っていなくて穴ぼこだらけの氷じゃないから面白い。

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麻生内閣:支持率また低下 「政策の説明が難しい」から? 麻生太郎首相は12日、フジテレビのニュース番組に出演し、同社などが行った世論調査で内閣支持率が18.2%に低下したことについて「世論調査の数字はきちんと真摯(しんし)に受け止める。景気、不況に世の中の最大の関心がある。不況対策をいかにするかが政治に与えられている大きな課題。それにまい進する」と語った。週末の報道各社の世論調査で、内閣支持率が朝日新聞19%、読売新聞20.4%に低下した。支持率低下の要因について首相は「国民にこういう政策なんだと説明しないといけないが、国際金融の説明はかなり難しくなる」と述べ、経済政策への国民の理解が進んでいないことが一因とした。また、与野党が衆院解散を条件に09年度予算案成立で協力する「話し合い解散」については「考えられない。予算が成立し解散したら景気が良くなるという話ではない」と否定的な考えを強調した。1/13毎日。どうコメントしたらいいのかわからない感じだな。衆議院の任期は9月まではあるから責任を全うするというのは任期いっぱいの9月まで解散などしないということなのだろうと僕は思っているのだけど、そのつもりでいるのではないのかな? この内閣支持率はいったいどこまで下がるのだろう。

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最近自分自身で判別する天気予報の精度が上がってきた。天気のために思わぬ危険に遭遇することがあることを知った時点から登山をするなら天気のことを考えねばならないと悟ったからである。そうしなければ死んでしまうのだからつべこべ言い訳をしている場合ではない。最近はもっと精度を上げるために気象の勉強しようと難しげな本を読むこともある。昔は高層天気図の情報を手に入れるのは大変だった。しかし、今時のコンピュータ時代は、地上天気図だけではなく、各種高層天気図など専門的な情報が簡単に手に入り、しかもそれを自由に使うことができるからすごくいい。登山は体力と技術と知識と経験が求められる。そうして培った知恵が安全を生む。登山は、危険がたくさんある場所へ入り込んで行く行為だから、実は体力や技術や知識や経験が不足している者が遭難するのは当たり前の世界なのである。そういえば年末年始もこの連休も遭難が多かった。とても残念なことだ。僕は山では死にたくないと思っている。昔から死んでも登りたいと思ったことはない。だから、自分は山で死んでもいいんだという言葉を聞くと不思議に思う。そんな人間でも登頂したあと死にたくないと思うのが面白い。新でもよかったんじゃないの?と思うのだが、実際のところは死にたい奴なんて一人もいない。今までの遭難に触れてそう思う。僕は山で死にたくないと思っているのだから、安全を勝ちうるために僕はもっともっと勉強しなければならない。

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気がつくと靴下に血がにじんでいる――。寒気が厳しくなる冬の風物詩のようなものだが、傷口が細菌に感染すると厄介なことになるのでおざなりにはできない。これが凍傷受傷後20年も過ぎてからのことだからたまらない。足は立ち続けていると誰でも浮腫むように大きさは日によって、使われ方によって違ってくる。これも傷口の解放に一役買うのだろう。手でも足でも凍傷だけにはならない方がいい。先日八ヶ岳赤岳地蔵尾根で低体温症になり意識不明の重体という遭難が報道されていた。結果的には亡くなったそうだが、寒気は決して甘く見てはならない。その寒気が続いているのであちこちでアイスクライミングができるようになりそうだ。 そう思っていたら急に暖かくなった。寒気が北に偏るというのはこういうことか。

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火星に暖かくなるとメタンガスが増える場所があるらしい。生命の存在か痕跡か――。はたまた地質学的なものか。細部は分からないが生命の存在に期待をもたせるものだ。

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八ヶ岳の感覚でバージンアイスを登ると打ちのめされそうになるよな。人がたくさん入ってぼこぼこになる八ヶ岳の環境が異常なものであって、普通自然の造形は足の置き場などないほど滑らかなものなのである。そこではずっと爪を立てて登らなければならないのだ。一ミリ二ミリしか入らないブラックアイスを登っていると、始めは気が狂いそうになるが、しだいに慣れていく。氷柱の集合体も突き刺したところが氷と氷の間で体重をかけたとたんにつーっと氷が切れるとびっくりする。でもこれらにもしだいに慣れていく。人間の技術と経験の獲得と順応性というのはすごい。これらがなければ危険な山にルートを拓くことなどできないだろう。

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