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RCCU著「新版日本の岩場 グレードとルート図集」の冒頭の文章が話題に上った。それはこの書の4ページの「はじめに」にの中で書かれている最初の文章で、そこにはこう書かれている。
――登山に内在する危険や困難を知りながら、なお山を愛し、登攀に歓びを求める人々へこの書を贈る。
話題になった通り、確かにこの文章にはロマンを感じる。登山にはアマチュア的な考え方が許されるかも知れないが、冬山登山や登攀を行う者はその危険性について誰しも認識しているはずだ。もしそんなことはないうという方がいたら、今すぐに冬山登山や登攀をやめた方がいいだろう。実際その程度の認識では冬山登山や登攀を行う資格はないと思われる。
ところでこの文章の末尾は「1976年7月 須田義信」と結ばれているが、この文章は須田さんの直筆の文章なのであろうか。今度どこかで須田さんと出会ったら尋ねてみよう。僕自身、須田さんにもこの本にも多大にお世話になった。グレード改定委員会の1965年の欄に載っている田山勝さんは今どうしているのだろう。元気なのかしら? 名前を見ると、ここに名前を連ねているこれらのメンバーは皆夢を持ち続けて山に挑んだ人たちだよな、と思う。それと同時に自分自身も案外古い人間だなあと思ってしまうが、そればかりはしようがない。まあ僕とて人生の半ばは過ぎている人間だからどうしようもないのだが、夢を抱いて山に挑み続けているのは間違いない。それだけは自身を持って言うことができる。
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仏教学者奥山先生(奥山直司・河口慧海プロジェクト)のブログ『コンタクト・ゾーン亜細亜』を読んでいたら神島の話がでていた。この天然の森がウミウの影響で荒廃しつつあるとは知らなかった。日本が誇る稀代の博物学者南方熊楠が神島の保護を訴えていったい何年になるのだろう。この日本屈指の博物学者もよもやウミウの影響で神島の照葉樹林の荒廃がすすむとは考えていなかったろう。それほど当時は自然があふれ、ウミウのねぐらには事欠かなかったのだろうから。今や海岸沿いの自然は失われつつあり、行き場を失ったウミウが聖地を求めて神島に渡ったのだろうが、ウミウは群れるので糞で樹木の荒廃が進む。保護というのは難しいものだ。
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寝台特急「富士」も「はやぶさ」もなくなってしまうんだな。大分から東京に出て来たときに「富士」お世話になったからなくなるのは残念だ。両列車とも今までいろんな人生を運んできたのだろう。考えてみれば僕もその一人なのである。
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トキを捕獲して佐渡に戻して欲しいというのは人間側のエゴだろう。彼らだって住みやすいところを探して移動しているはずなのだから。残りのトキで佐渡での繁殖が無理だとしても、そんなことは想定内のことだろう。それより彼らがパイオニアとしてトキ自身が自分が住める地を探しているのだと思えば、暖かく見守ることができるのではないだろうか。彼ら先遣隊が安住の地を見つければあとに続くものも彼らの後を追うだろう。その中にはもちろん佐渡に定住するものもあれば本州に向かうものもあるだろう。そうやってトキが生息域を広げていけば始めから鳥インフルなどで絶滅する危険は少なくなる。佐渡の住民にとってはせっかく準備したのにという思いもあろうが、トキの将来を考えると生息域を広げることは大きな意義がある。これに続く二段三段の放鳥が進めば、生活しやすい環境を持つ佐渡でくらすトキも増えるだろう。長い目を持って彼らの行く末を見守りたいものだ。
上越の天気が悪かったので、雪山登山は中止し、またまたアイゼントレーニングをした。しかし、やはり難しい。アイゼントレーニングをするには体にかなり柔軟性がないと難しいと思い知らされる。それでもトップロープでY−を登る目処がついたから前回よりは少しいいかもしれない。しかし、手袋が厚すぎてパンプしたし、体もへろへろだ。フリークライミングをやる方がよほどやさしいと思ってしまうが、アイゼントレーニングは登攀技術だけではなく精神力も鍛えることができる。アイゼントレーニングをする価値はそこにこそあるように思える。その難しさはこのところのアイゼントレーニング経験の少なさとホールドの悪さを和らげる働きをする握力不足に起因しているような気がするが、来シーズンのためにちょっとまじめにトレーニングをしよう。そして、来シーズンは十二月初旬に谷川岳一ノ倉沢中央稜を登りに行こう。もちろん南稜でもいいのだけど中央稜の方がアプローチが短い……。久しぶりに登りに行ったエリアだったからまるでオンサイトの登攀のようで緊張したし、怖かった。でも、やはり楽しいし面白かった。そう、難しいからこそ面白い。難しい岩を登るには難しいトレーニングが必要だ。それはフリーもアルパインも同じなのである。
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モンシロチョウが飛び始めた。春は駆け足だが、今年はそのスピードが速い。今日は3月下旬の暖かさだったそうだが、明日はもっと暖かくなるらしい。予想気温は20度だ。明日はもっとチョウが飛ぶことだろう。ということは近くの里山ではもうカタクリの芽が出ているということだ。場所によってはアズマイチゲが咲いているはずだ。青梅市梅郷の梅の公園は満開で、もはや盛りを過ぎた木もあるが、今が見所である。大岳山や御岳山から日の出山を経て梅郷に下るコースは絶好のハイキングコースだろう。梅の公園の出店でおでんでと花見酒の新酒で空腹を満たし、疲れを癒すのもいいだろう。もうじき春のお祭りシーズンだ。それにあわせた新酒も出る時期だ。昔はのん兵衛だったからついそんなことが思い浮かぶ。
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裏山でトレーニングの可能性を探ってみる。するとうまい具合に神社には階段があった。ここでは階段の上り下りができるということだ。その階段を登った裏山にはもう一つの神社があり、尾根に沿って山道はさらに続いている。一つ先のピークは直登の急斜面で登りにくい道だからルートを付け替えた方がよさそうだ。稜線はさらに続き、とりあえず道も続いている。どうやら稜線通しに一周できそうな気がするが、そこまで確かめる時間も準備もしていなかった。山道がどこをどんなふうに通っているのかわからないが、トレーニング道として期待はできそうだ。少なくとも林道にはつながっているだろう。もしつながっていればアスファルトを避けてトレーニングができる。今日は時間がないからさらに先を探ってみるのはこの次にしなければならないが、うまくつなげられれば一周一時間あるいは一時間半くらいの周遊クロカンコースができるだろう。その程度のルートができれば丘陵地のクロカントレーニングにちょうどいい。僕の場合足に問題があるのでアスファルトやコンクリートの道路でトレーニングをするわけにはいかないが、山道なら体への負担が少なくちょうどいい。自宅から出かけて山道を周遊して帰ってくる――。そんなトレーニングができる場所があれば言うことはない。その山の両斜面は急だったが稜線そのものは案外緩い。モミやカシ、コナラ、シデなどが生える近郊の低山だがいい雰囲気の山である。道がなくても稜線通しに一周できるだろうが、軽く走ってトレーニングをするつもりならやはりしっかりした山道があった方がいい。今度ゆっくり探ってみよう。
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携帯電話の使い方がさっぱりわからない。説明書を読んでもだ。というのも着信音が出たり出なかったり、突然声が大きくなったするからだ。そんな設定はまったくしていないのにと思うが、サイドボタンにそんな機能があるのだろう。大体だいたい呼び出し音が鳴っても携帯電話の在り処さえわからないときがあるのだから、音が鳴らなければ着信自体に気づかない。メーカーが変わってしまったのにも一因があるが、電話機が多機能になったものの、それを十分使いこなせていない現実がある。本当におじさんだ……。
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谷川岳登山危険地区3/23〜5/1まで登山禁止。春だな。サクラは3/21開花。早い。このあたりも月末までにはサクラが満開を迎えることだろう。そろそろ花見の時期なんだな……。
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