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Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
再起の山(山と渓谷)
愚にもつかないエベレスト登頂で全両足指を失ったのち、再起をかけてトレーニングをし、アフリカの氷壁を登りにいくことにしました。病院の四角い窓から青空を見ているときに、ラインホルト・メスナーが登ったブリーチウォールの氷柱のことが突然頭に思い浮かんだからです。岩登りをするほど回復させるにはかなり時間がかかりそうな気がしたのですが、氷の登攀なら岩登りよりはるかに楽ですから登攀できる可能性があると考えたのです。アフリカならたとえ氷瀑が登れなくても野生動物を見て楽しむことができるのでまあいいか、という単純な発想でした。
周囲のクライマーの間ではあいつらにはダイヤモンドクーロワールを登る力はないという意見が大勢を占めていたようですが、参考にした登攀記録の中の一枚の写真から想像していたとおり、ダイヤモンドクーロワールの氷瀑登攀はそれほど難しいものではありませんでした。しかし、メインコースと位置づけていたブリーチウォールの方は、下部の氷が貧弱で、水が流れていたために諦めざるをえず、隣の易しい氷壁を登ってしまいました。残念でしたがしかたありません。山と渓谷に書いたこの登攀記録は一般登山者向けの内容で書いています。赤道に氷を求めて(岩と雪)
「再起の山」と同じ題材ですが、内容はアルパインクライマー向けのアフリカ三山氷壁登攀の案内です。このクラスの登攀ルートが登りたければ、いつでもガイドいたします。
プッシュ・マイセルフ(山と渓谷)
ミネソタのアウトワードバウンドスクールで行われた二週間にわたるカヌーツアーコースの体験記です。カヌーツアーそのものはたいへん面白かったのですが、一番面白かったのは読図です。なにしろここは大陸氷河の侵食を受けた原生林に覆われた平原が続く台地ですから、凹凸が乏しく、顕著な目印が何も得られないという読図の勉強には最適な地域です。正確な読図のおかげで計画したカヌーツアーは予定のコースを二日ほど短縮した日程でこなし、現場で新たに設定した予定外のコースをたどって、わざわざ遠回りをする、予定外のオプションコースを採って帰ることになりました。わずかなコースの増加ですが、カヌーツアーを経験する機会とエリアを増やすことができ、まさにラッキーでした。普遍的な技術は地球のどの場所に行っても役立つものだと実感したしだいです。
このカヌー・ツアー体験記の表題は「テイク・ア・リスク」と同じ使い方をする、頑張れという意味の励ましの言葉です。カヌーツアー中はこの二つの言葉をよく耳にしましたが、できるんだという気持ちを前面にだすこと、そして勇気を出すこと、その上で他人を思いやるという気持ちを持つことができるようになることがツアーの目的の一つになっていたようです。ツアーコース最後のプログラムは、カヌーをこいで湖を走り、カヌーを背負って歩き、最後には走るという3種目を合わせたマラソンを行いなした。なんとか7マイル(約11キロ)の距離を立ち止まらずに完走することができたけど、体への負担があまりに大きいので、それ以来そんなに長い距離を走ったことはありません。完走できたことの喜びも大きかったのですが、走ることによって逆に障害者であることを実感してしまいました。障害者を意識して開かれているホノルルマラソンに出ようと思いながらも、未だに参加していません。
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