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Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
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氷雪テクニック(山と渓谷社)
氷雪をいただく山に登るための技術をまとめました。山に登り始めたときは雪山を登りに行く気など毛頭なかったので、このような雪山の歩行や登攀に関する技術書を上梓するのは不思議な気がします。自分が編み出した有用なオリジナル技術も載せていますので、ぜひ買ってください、と言いたいところですが、すでに絶版状態です。古本価格が定価の3倍の値段になっているのを見て、思わず自分の手持ちの本を売ってしまおうかと思いました。もしサイン本だったらもっと値が張るのかな? そういえば買っていただいた何人かの方にはサインを求められてサインをした。
この本が出来上がって一年以上もの間、この本を見るのもいやだった。原稿を書くために参考にする本が何一つなくて表現を一から考えなければならなかったからだけど、そんな心が癒えたある日、この本を手に取り、第三者的に読み返してみたら、けっこうよく書けている本だなと思った。そう思ったのは僕だけじゃないらしく、何人かの方からそういう話を聞いた。なんだかんだいってもこの本がいちばんわかりやすくて今でもこの本を使っている、という話を聞くとうれしくなる。そんな人には安全性がもっと高まる技術を伝えたいと思ってしまう。
氷雪テクニックの本の最初に道具の変遷と登攀の歴史を書いたように、新たな道具の出現は新たな登攀を生みだす。僕が1985年当たりから使っている縦爪アイゼンやハンドル付きアイススクリューは今や一般的だし、シャルレのパルサーが出たあたりから登攀の形そのものが大きく変わり始めたのは事実です。その道具を考案したジェフ・ローのアルパインクライミングの推移を見れば一目瞭然でしょう。そうやって発達してきたクライミングスタイルを受け、今や氷ばかりではなく、冬の岩登りもフッキングやトルキングが全盛の時代になっています。
そんな流れを受け、この本をさらに発展させ、新たな技術書を作ろうと思っています。この本を読み返したとき、一部はもっとわかりやすく書き直した方がいいと思ったし、危なっかしい技術もちゃんと説明を加えれば書いてもいいんだな、とも思ったからである。一部は当ウェブサイトにも掲載しながら考えていこうと思っています。登るための技術も必要だけど、死なないための技術も広める必要があるなと思っていますが、これは登山を志す人が持っている危険に対する考え方とも絡んでくる問題なので、一概に語ることはできません。死なないための技術は、成功と失敗の狭間にあるちょっと難しい技術だから経験を必要とする。
出版元にあったわずかな在庫を再販制度の弾力的運用圧力によって安価で放出したので本当に絶版になってしまいました。買うなら今がチャンスです。すでに6000円の値が付いて売られているところをみると、やがてそんな値段になっていくのだろうと思います。最近この本を買った人からもお褒めの言葉らしきものをいただいたけど、古い本なのにわざわざ買って読んでくれる人がいることに感激し、心より感謝いたします。「氷雪テクニック」目次
この本なかなか攻撃的な内容のような気がする。昔も今も全然気持ちが変わっていない。本の名前は何やら難しげだけど、内容や表現は全然難しくない。折あらば使ってください。
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