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チャンタンの蒼い空 西チベット学術登山隊2004全記録(日本山岳会関西支部)
予想通り易しい部類の山登りではあったのですが、釣りや裏山探検の雰囲気が楽しめてけっこう面白い登山でした。今回の登山報告書であり、河口慧海研究の書でもあるこの本には、パチュムハム(6529m)初登頂の記録と、およそ100年前にヒマラヤの峠を越えてチベットに潜入した初の日本人河口慧海が、ヒマラヤのどこの峠を越えてチベットに入ったのかを、彼の著書「チベット旅行記1・2(講談社文庫版)」と僕自身 が行ったこれまでのさまざまな登山経験、西ネパール・西チベット国境付近の二度の越境調査、それにネパール・中国の国境の詳細な地図を読み解くことで推論しました。仏教にほんの少し興味を持って、よくよく「チベット旅行記」を読み進めてみると、おぼろげながらも河口慧海がたどったその道筋が浮かび上がって見えてきます。この報告書に載せたのは原稿用紙220枚くらいの文章です。文章量はかなりあるのですが読みやすい文章なので一気に読むことができます。ホームページに載せているものとはまったく違った文章ですので機会があれば読んでみてください。この文章を作成することによって体を使うばかりが山登りではないと教えてくれるいい山行になりました。たまには頭を使ってみるのも面白いものです。パチュムハムの原稿はたぶん30枚ぐらいだったと思います。僕が書いたこれら二つの文章はそれぞれ独立したものですが、もちろん二つの文章が、河口慧海の行動解明にも繋がるように書いています。このときに行ったもう一つの登山ギャンゾンカン初登攀の記録とも連動させて河口慧海の行動が紐解けるようギャンゾンカンの登山記録を書くつもりです。この本は、未踏峰がたくさん残る西ネパールの山々や西チベットの山々、およそ百年前の河口慧海の行動を扱ったいい本です。高知大学の市民講座のテキストとして使ってもいます。残念ながら、すでに絶版状態です。
「チャンタンの蒼い空 西チベット学術登山隊2004全記録」目次
西チベット学術登山隊の経緯(阿部和行)
はじめに(大西 保)
計画概要
全行動記録概略(大西 保)
隊員紹介(橋尾歌子)
地図(Typhoon)
クンブー順応活動(青井貴俊)
それぞれのチベット日記(大阪康宏)
パチュムハム峰6529m北陵初登頂(木本 哲)
ギャンゾンカン6123m南東壁初登攀(千田敦司)
河口慧海トルボ足跡調査隊報告(和田豊司)
比較文化調査(清水正弘)
転生活仏(リーインカーネーション)に関する聞き取り調査(清水正弘)
白巌窟同定のための各ゴンパ聞き取り調査(清水正弘)
百年前の時代の足音(清水正弘)
河口慧海を考える(木本 哲)
河口慧海の日記(高山龍三)
クン・ラの三つ目の池について(千田敦司)
余裕、充実、楽しみ(千田敦司)
河口慧海トルボの旅(大西 保)
ヤル・ツァンポ河源流を探る(和田豊司)
源流調査報告(千田の行動)
探険史概略(大西 保)
プランとその後(大西 保)
エッセイ(橋尾歌子)
団体装備表(千田敦司)
会計報告(辻 和雄)
医療・装備報告(千田敦司)
気象報告(千田敦司)
お礼(平林克敏)
事務局報告(新井 浩)
お世話になった方々登山報告書として、また西ネパールおよびチャンタン地域の未踏峰に関する貴重な資料であり、河口慧海の足跡や行動について文献や実地調査を通して探った本格的な書物です。2007年5月にはこれらの登山後に再発見された河口慧海の日記が講談社学術文庫から発売されます。
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