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Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
トランゴのエピック(岩と雪144)
グレートトランゴタワーとトランゴネイムレスタワーというパキスタンにある二つの6000メートルの岩峰で繰り広げた登攀記です。グレートトランゴは標高差2000メートルの岩峰・岩壁、ネームレスタワーは標高差1000メートルの岩峰・岩壁です。僕は両方の岩壁を登りましたが、この雑誌ではネイムレスタワーで起きた遭難事故のため、頂上直下に引っかかった遭難者を救助するために岩壁を登るという無償の行為について書きました。ここに書いていることはうわべに過ぎず、実際の両ピークの登攀活動はここに書かれている内容よりはるかにドラマチックなものでした。事実は小説より奇なりとはよくいったものだと思います。これらの登攀に関しては、書き起こしていないエピソードがたくさんあるので、この二つの登攀記もおいおいまとめていこうと思っています。登っているときは腹が立っていやになるようなことも、時がたてば角が取れ、面白い思い出の一つと思えるようになるのが不思議です。
どんな登攀でも、自分の死について考えるのは割合簡単だし、気持ちも楽なのですが、他人の死や生について考えるのは決して楽なことではありません。昔から溺れる者は藁をも掴むといいますが、まったく的を射た諺だと思います。ネイムレスタワーの救出劇はエベレストやチョーオユー、キリマンジャロなどで行った救出劇が子供だましに思えるほど次元の違う困難を伴う山行でした。トランゴタワーの物語はいつかは書かなければならないと思っているし、今いちばん書きたい山行の一つです。このホームページにもさわりを載せる予定です。本を大切に扱ってくれる出版社を募集しています。この二つの山で一冊の本ができてしまうほど内容は濃いものでした。
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