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Kimoto Satoshi Alpine Climbing School
エンジェルフォール登攀(毎日グラフ)
番組構成上、エンジェルフォールの登攀は日中に終了したことになっています。いわゆるヤラセです。しかし、実際の登攀は、最終ピッチをリードした僕がテーブル台地に抜けたのは午後10時半ごろのこと、すでに真っ暗闇の中でした。最終ピッチの登攀を開始したのが午後の5時ごろで、真っ暗闇の中ヘッドランプをつけて登ったのです。後続する二人が1000メートルの高度差を持つ垂直の岩壁を登り切って、水平なテーブル台地に抜け、登攀が完全に終了したのはそれから約1時間後の午後11時半ごろのことです。毎日グラフというだけあって、写真が主の雑誌ですが、登攀終了直後の写真にはやはり迫力があります。その表情は緊張から開放され放心状態です。3人が無事テーブル台地の上に抜け、皆で握手を交わしたときの写真は、濃い疲労の中にも心の底からわいてくる歓喜に満ちあふれているように見えます。この登攀の数年後、ドキュメンタリー番組とヤラセの問題が話題になりましたが、やはり本物はすごいと思わせる写真です。写真と連動させたこの原稿は、ビッグウォールクライミングの世界を知らない一般読者を対象として書いたものです。生まれて初めて原稿料をもらったのがこの雑誌の原稿だった。
エンジェルの滝登攀記(クライミングジャーナル)
エンジェルフォール左壁初登攀の記録をクライマー向けに書きました。誰かほかにエンジェルフォールに挑戦する者が現れないものかと期待して、記録は事実とは少し異なる比較的易しい登攀グレードをつけて発表したのですが、後続のクライマーは現れませんでした。今やエンジェルフォールは世界遺産となり、登攀することはできません。そう思っていたのですが、その後スペイン隊が登った中央のラインがフリー化された(5.13)ようですが、これまでエンジェルフォールに拓かれたルートは、イギリス、日本、スペインの3ルートのみのようです。
「エンジェル・フォール」完登(山と渓谷)
左壁初登攀の記録を一般登山者向けに書きました。滝のそばを登っているのに取水に苦労するという現実離れした状況がありましたが、新ルートの開拓は非常に面白かったと思っています。登攀に際してトカゲ、サソリ、アカネズミ、タランチュラ、カニなどさまざまな小動物を捕まえました。大きな大陸が一つだけしかなかったパンゲア時代の生き証人のような山で、こんな登攀ができたことを誇らしく思います。
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