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この春の遭難は不可解な遭難だ。まずは京都市大の鳴沢岳。遭難した三人とも亡くなったが、一人は雪洞の中、一人は斜面、一人は尾根のくぼみと報じられていた。亡くなった場所が皆バラバラだ。凍死がなせる業なんだろうが、雪洞が掘れるくらいなのになぜなくなったのだろうか。雪洞ならこんな悪天にも耐えられるだろうになと思うのだが、いったい何があったのだろう。冬と違い、雨が降ると雪洞の中でも雨が降る感じになってしまうけど、いったん雪洞を掘ってしまえば中で雪洞の天井を調節することができる。その上雪洞は悪天時に何より大敵の風が防げる。昔と違って今は装備、特に着る物がよくなっているから死ににくいはずなんだがなあ。このエリアで活躍していた経験豊富な人も亡くなっているからなんとも言えないが、いちばんの経験者は雪洞の中で死んでいたんだよな。それにしても、こんな天気の日に、しかもあらかじめ悪天が予想されるこんな日に何も無理して登らなくてもいいのにと思ってしまう。二つ玉低気圧だから最初はそれほど悪天ではなかったのだろうが、それにだまされたのかねえ……。

これに続いて報じられた鹿島槍ヶ岳の遭難は東尾根で遭難死。一人は岩場で宙吊り? もう一人はそこから一キロ離れた場所の雪庇にはまっているらしい。この場所はどうやら雪庇の割れ目あたりらしいのだが、ビバーク中だったのかなあ。二人とも経験豊かな人たちらしいのだが……。詳細はやがて分かるだろう。

彼らの行動や天気図から想像すると26日明け方から急激に天気が悪化したということなのかもしれない。前夜から風は強そうだが、朝九時の段階でも上空はけっこう風が強そうだ。それにしても状況が凄絶だ。頭は皆「ベテラン」だから25日はきっとそれほど悪い天気ではなかったのだろう。この日午後からだんだん悪くなっていき、この結末になったのだろう。この二つの山は近い。局地的に天気が相当荒れたということなのだろうか。低気圧は二つ玉低気圧だったし、低気圧の中心気圧がずいぶん下がっているので低気圧の発達に伴って突風も吹き荒れたことだろう。でもそうなることは天気図の低気圧の配置から予想できることだ。悪天になる可能性が高いことを知りながら出かけたのだろうから、登る自信はあったのだろう。本当にいったい現場で何があったのだろう。鳴沢岳の事故はきっと詳しい報告書が作成されるにちがいない。この時期悪天はくるが冬のように長続きはしない。最初は雨でも、低気圧通過後は冬型になって冷え込む。ちょうど秋と同じパターンの天気だ。もちろんそうは言っても真冬ほどの寒さはない。しかし、風は強い。場合によっては雨が降る。今回は雨かみぞれだったのだと思うが、場所によっては風が強く、歩きづらいだろう。でも雪洞にいたのなら……。たとえ雨で寝袋が濡れていたとしても中に入っていればしだいに温かくなるのだがな。もったいないな。生き抜くチャンスはあったと思うのだが……。

鳴沢岳資料 鹿島槍ヶ岳資料 天気図資料

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リハビリというのはずいぶん地道な、しかも孤独な作業だ。激しくやりたくてもやれないし、やらなきゃよくならないし、やりすぎると足にはよくないし、気温が低すぎると足が切れてしまうことがあるし……。でも痛みというのはだんだん悪いところに集約してくるものなんだな。面白い。やはり筋は相当硬縮しているようだ。ところで、神経を蘇生させるには電気信号を送り続けるのがいいらしい。実際そういう理論があるそうだ。そして、それによって神経が蘇生し、寝たきり状態から生還した人もいるそうだ。もちろんいろんな条件が左右しているのだけど。神経は再生するらしいことが分かっているけど、人間の体そのものはどの程度再生するのなのだろうか。実際、人間にそういう能力はあるが、複雑な機構には向かない。せいぜいけががふさがるとか骨がくっつくとかだ。そういう話からすれば、なくした手足が再生するオオサンショウウオはすごいやつだ。プラナリアのように人間も再生したら、クローンを作るなんて話は起こり得ない。遺伝的な形質が同じでも自我というのは違うのだろう。

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山は新緑。田んぼはレンゲの時期だ。魚はカツオか。酒は……。このところちょっと冷えていた。寒気が入っていたのだろう。

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コンピュータってBGMを聞きながら原稿書きができるんだな。新たな発見だ。おじさんはなかなか新しいことについていけない。BoAやABBAを聞きながら原稿が進むか? でもこれがけっこう進むんだな。だけど、こんなことは光でないと無理だな。有料サイトなんかを見るようになったらそっちにはまってしまい、原稿が進まなくなりそうだから、さすがにそれはやめよう。ところで大佛次郎ってけっこう面白い人なんだな。知らなんだ。本を読んでみよう。

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新型インフルエンザの発生は鳥ではなく、メキシコ発の豚だったが、早くも18カ国・地域とすごい広がりだ。死者も160人だ。SARSくらいの規模でとどまればとういう期待も空しく豚インフルエンザは急速に広まりつつある。30年から40年に一度の割合で新型インフルエンザが発生しているらしいが、これに追い討ちをかけて鳥インフルエンザが発生したらそれこそパニック、パンデミックになってしまいそうだな、と思う。韓国でも発生し、疑いが17人だ。だからやがて日本へという気がしないでもない。おりからの大型連休だ。連休後がどうなるかが心配だが、平穏であって欲しいものだ。でもこの広がりは食い止められないのだろう。敵は見えないし、潜伏期間という病気に気がつかない期間があるのだから。ちなみにオバマ米大統領が豚インフルエンザに感染していないかが注目の的になっているが、どうなんだろう。メキシコを訪れた際の案内役である国立人類学博物館のソリス館長が死亡した。館長は新型インフルエンザで死亡したのではないかと疑われている。

世界保健機関(WHO)の緊急委員会のメンバーでもある国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長は29日、今回のウイルスが鳥と人、豚由来のウイルス遺伝子が混ざったもので、「強い病原性を示唆する遺伝子はなかった」と「弱毒性」との見解を明らかにした。強毒性のH5N1型ウイルスは、のどや肺などの呼吸器だけでなく、内臓など全身に感染が広がるのが特徴で、感染者の免疫機能が過剰反応して、重症化すると考えられている。しかし、米疾病対策センター(CDC)の遺伝子解析によると、今回のウイルスは強毒性のH5N1型と異なり、呼吸器にしか感染できない構造だったという。(読売新聞)

でも、スペイン風邪は人から人へうつっていく途中で弱毒性だったものが強毒性にかわったそうだ。新型インフルエンザに対して免疫があるわけではないし、安心はできない。

ところで、オバマ大統領といえば、大統領専用機がニューヨークで写真を撮るために30分ほど低空飛行したらしい。下では9.11の恐怖から逃げ惑う人もいたとか。ジャンボ機が低空飛行――。9.11の再来と思っても不思議はない。すごい話だ。

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全身感染性の強毒型インフルエンザになるだろうと心配されている鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)がインドネシアの豚に広がっていることが分かった上、人に感染するタイプに変異したウイルスも見つかったそうだ。神戸大感染症センターの調査で分かった。鳥インフルエンザは確実に勢力を広げ、威力を増し、大流行の機会を窺っているようである。本当にこの二つのインフルエンザは同時に流行するかもしれない。

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新型インフルエンザの正確な患者死亡者数
5/6午前一時現在の正しい感染者および死亡者の数は左図の通り。死者の数が全然違っていた。
感染者は増えているが、死亡者は30人だ。死亡者の多くは感染後二週間あまり診察を受けなかった人たちだそうだ。人から人、人からブタへの感染が確認されている。今後、菌が変異して強毒化しないか注意する必要があるという。この問題で日本国内では医師の診察拒否が問題になっている。医師本人が新型インフルエンザにかかることを懸念してのことと思われるが、明らかに診察を遅らせることが重症化、さらには死亡の原因となっているのだから患者にとってはこうした病院がどこかはっきりさせておいた方が、今後予想される鳥インフルエンザ発生時のためにも、よさそうな気がする。患者としてもこうした病院で時間をつぶしている暇などないのだから。実際、新型インフルエンザとは違うとの診断を受けながらも拒否されているのだから言語道断である。また、成田勤務というだけで診察拒否をしている例もあるというから医師にあるまじき行為でもある。医師法違反が疑われる行為だと厚生省のお役人がいっていたがそんな甘い態度ではまずいだろう。

ちなみに新型インフルエンザは鳥と人とブタ2種類の遺伝子を持っているそうで、つい最近変異したものらしい。感染者は2100人を越えた。

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